行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

まさに、九死に一生。敗色濃厚試合を土壇場で引き分けに持ち込む AC長野パルセイロ戦

2018-10-22 22:16:53 | カターレ富山
1-1のドロー。
正直なところ、99.99%くらい負け試合だと思っていました。
普通なら、そんなことを言ってしまえば、「愛するクラブを最後の最後まで信じて応援しないとは何事か!」というような叱責のひとつも飛んでくるかもしれませんが。
もちろん、それは正論。
けれども。
試合内容が、普通じゃなかった。
今季は5月という早い段階で監督交代という荒療治に踏み切ることとなってしまったカターレですが、それに至ったダメな時期を彷彿とさせるような。
あの時期、何度となく心に暗く渦巻いた、「勝つ気がないのか!」というドス黒い感情。
ただでさえ、前回対戦で0-5などというふざけた大惨敗を喫した相手との再戦。さらに言えば、前節、最悪でも引き分けとせねばならなかった試合でアディショナルタイムに決められてしまい、勝ち点0という憂き目にも遭っている。
どうしても勝たねば!という意地を見せねばならないホーム戦であったにもかかわらず。
見せたのは、そんな意気込みを発揮する試合とは真逆の・・・まるで勝つ気がないかのような低調ぶりでした。

今節スタメンのなかで最大のトピックは、この夏に途中加入してきた吉岡が初スタメンで移籍後初出場となったことでしょう。
せっかく移籍加入しながら、怪我の影響で大きく出遅れてしまい。それでもくさることなく研鑽を積んだことが、この度のカターレデビューに繋がった、と。
初出場ということで、うまくいく部分もうまくいかない部分もあったでしょうけれど。
それでも、「やってやるぞ!」という気迫は感じ取ることができました。
今節は新井がスタメンを外れましたが、代わって入ったからにはしっかりと貢献しよう!というプレーぶりには、感心させられました。
ただ・・・。
そんな彼のプレーぶりを、他のメンバーが汲んでやれなかった、というか。
監督のプランとしては、90分まるまる攻め続けられるでもなし、ある程度相手にボールを持たせることとなっても、そこをしっかり対処しようということだったようですが。
・・・相手にボールを持たせることと、好き勝手やらせることとはイコールじゃないぞ、と。
なんで、相手のペースにどっぷりと合わせてしまっているのかと。
いいようにやられる、というか・・・相手のペースに後手に回ってしまっている感がありあり。
一方で、たまのチャンスも相手にプレッシャーを与えるような攻めは出来ず。
それどころか、むしろ消極的ですらあったような。シュートじゃなくて相手へのパスか?なんてシーンも幾度も。
とにかく・・・勝利への意識というものが、どうにもこうにも見出せない。
前述のように、どうしても勝たねばならない試合であったにもかかわらず。
その、勝つためのプレーという部分が、全然見えてこないような。
あらためて言うまでもないことを・・・「勝つためには得点しなければならない」という当然のことに、まったくつながる気がしないプレーぶり。
挙句、しなくていい連係ミスからヒヤリとさせられる始末。
言ってはなんだけれど。「相手がカターレ同様に低迷にあえぐ長野だからだぞ?」と。
これが、首位を独走する琉球相手なんかで同じことをした日には、決して見逃してなどもらえないのは明らか。いったい何点獲られたか?ってなもので。
長野だからどうにか失点せずにいられたけれど・・・その長野に付き合って、防戦一方。
攻撃では、なんら脅威を与えられない。
本当に・・・今季序盤の、ダメなカターレをまたしても見せつけられた。
前回敗れた借りを返す試合じゃなかったのか?前節のアディショナルタイムに決められて負けた悔しさを晴らす試合じゃなかったのか?
まるで、「そんなの関係ない」と言わんばかりの低調ぶり。
勝つために全力を尽くす、という当たり前のことが、全然見て取れなったのでした。

後半に入っても0-0の展開は続いたものの。
71分に、先制点を許してしまうことに。
相手のFK、というシチュエーションで・・・「なんか、まずいな」と思っていた矢先に。後半から途中出場の東 浩史にミドルシュートを決められてしまいました。
今シーズン、何度となくあった「決められてはならないところで確実に決められてしまう」という失点。
相手の長野も、チャンスは作りながらも、なかなか流れの中では決められなかった。ならばこそ、セットプレーにこそ注意しなければ、ということは明らかであったのに。
どうしてこうも、ダメな意味での決定力を発揮してしまうのか。
前節を例に出すまでもなく、今季ここまでも、何度もあったことなのに。その反省が、また、活かされませんでした。
ハッキリ言って、「これは、また負けパターンだ」と思いました。
リーグでいちばん引き分けの少ないカターレ。
なぜか?
こうやって、しなくてもいい失点をした挙句に負けきるから。
失点イコール負けではないのに、同点、逆転へと繋げる力強さを、発揮できないから。

試合時間は刻々と進み、アディショナルタイム。
そのアディショナルタイム、3分。
「たったの3分?」というのが率直な思いでしたが。
敗色が、極めて濃厚な状況。
このままでいいのか?良いわけがないだろう。
苦労して2連勝を挙げたのに、そこから、簡単に2連敗してしまうのか?また、ホームのファン・サポーターの期待を裏切るかたちで?
良いところは引き継げないのに、悪いところはしっかり継続してしまうという悪癖。
ここで負けては、ただの敗戦以上のダメージを被ること必至という。
試合も最終盤、なんとGKの永井までもが攻撃に参加し、最後の賭けに出ることに。
必死に獲得したCKのチャンスで、最後の抵抗。
普段は解放されていないアウェイ側ゴール裏に、多く詰めかけていた長野サポーターたち。勝利を確信した彼らは、その“あがき”に、「おい、クリアボールを無人のゴールに放り込んでやれよwww」くらい思っていたやもしれません。

すると。

陽次が右から上げたクロスを柳下が頭で折り返し、苔口が押し込んでゴール!

99.99%くらい、負け試合と思っていました。
けれども、そうはならなかった。
土壇場で追いつき、まさかのドロー。
最後の最後に、ドラマが待っていました。

5点差じゃなくて1点差でも、負けは負け・・・だったはずの試合。そうは、ならなかった。
もちろん、勝ったわけじゃない。勝ち点は0でなかったものの、1どまり。
それでも、まるで勝ったかのようなカターレ側。
対して、負けたわけではないのに、お通夜状態の長野側。いや、前節もアディショナルタイムに決められて敗れてしまっているぶん、勝利を確信していたぶん、そのショックの大きさはお察しします、というところではありますが。

繰り返しますが、勝ったわけではありません。長野にリベンジできたか?と言えば、さにあらず。試合内容もひどいものでした。
それでも。
それでも、負けなかった。
0であったはずの勝ち点を、1とはいえ積み上げた。
もちろん、状況は良化していません。1積み上げたにもかかわらず、順位をまたも落として15位に転落。
芳しくないどころではない状況は、依然として変わらず。
それでも。
それでも、負けなかった。

敗色濃厚な状況を、勝てなかったなりにも打ち破ってみせた。
この試合の意義というものを見出すためには。
次節以降の試合に・・・勝利にかかっている。そう思います。