シーズンも大詰め、残り3試合。
コロナ禍による変則日程によって、例年になく平日開催を伴う連戦が多用されることとなった今季ですが。そのなかで、最後の平日開催となる今節。えがお健康スタジアムへと赴き、ロアッソ熊本と対戦します。
現時点で、昇格圏の2位との差が5のカターレと、7の熊本。
他の上位陣の結果にもよるものの、勝てばまだ望みが繋がる一方で、負けた時点でほとんど絶望的、熊本に至っては完全終了となります。
まさに、デッドオアアライブ。
前節より中3日。長距離移動を伴うアウェイ戦。しかも、これまでの対戦成績ではめっぽう相性の悪い熊本が相手。前回対戦も敗れている。不安要素など、挙げだしたらいくつも出てくることでしょう。
けれども。
ことここに至っては、そんなことを気にして負けてしまうことなど、万に一つもあってはならず。
やるしかない。
勝たねば生き残れないならば、やるだけのこと。勝ちきるのみ。
熊本との前回対戦は、9月2日の第13節。今節同様にやはり水曜開催であった試合でした。
3日前にホーム八戸戦が開催直前になって急遽中止となり、実質的に中9日となったカターレに対し、アウェイ連戦で中2日であった熊本。コンディション的には有利であったはずだったのですが・・・。
前半から2点をリードされて苦境に立たされ。それでも前半のうちに1点を返し、後半早々に同点に追いつく頑張りを見せたカターレ。
しかし、今シーズンの特徴的なパターンーーー終盤にこらえきれずに勝ち越しゴールを決められてしまい、有利だったはずの試合を落とす苦い敗戦を喫したのでした。
思えば、これが今シーズン中盤の暗黒期の始まり。
その熊本戦後に2連勝したものの、それまでの自分たちが主導権を握るスタイルとは遠い内容での辛勝で。
3戦連続逆転負けを含む4連敗、1勝を挟んでさらに2連敗と、泥沼にハマってしまったのでした。
もしも、の話をしても詮無いですが。
もしも、あのときの熊本戦で首尾よく勝利していたならば。
あるいは、また違った展開となっていたやもしれません。
一方の、熊本。
無敗で首位をひた走っていた秋田は別格として。シーズン前半戦を12勝2分け3敗と、しっかりと2位をキープしていました。
しかし、後半戦に入って状況は一変。パッタリと勝てなくなり、ここまで2勝4分け8敗。前節も岩手と引き分け、7戦連続勝ちなしと、泥沼から抜け出せずにいます。
中盤戦に苦しみ、それでも奮起して巻き返したカターレが現在4連勝中であることとは、対照的とも言えるかと。
対照的、といえば。
今シーズンの連戦対策として、ターンオーバー編成を採っていたカターレに対し、メンバー固定制を採っていた熊本、という差があります。
それこそ、前回対戦時には中2日アウェイ連戦でありながら、ほぼ固定メンバーで挑んできたくらいで。
カターレにとっては、メンバーが定まらないことがスタイルのブレを生じさせるというターンオーバーの弱点が露呈するかたちで、中盤戦の暗黒期を招いたりもしましたが。
一方で、メンバー固定の強みを活かして前半戦を快調に勝ち進んでいた熊本だったものの、後半戦は疲労や相手の対策などを受けて失速、泥沼にハマってしまっているということのようで。
どちらの方法が良いかは、意見の分かれるところですが。
ただひとつ言えるのは、苦しみに耐えて巻き返しを図り、現時点で上り調子であるのは、カターレだということ。
ターンオーバーの是非に関しては、シーズンが終わってから総括すればいいこと。
まずは、今節。
苦しんでいる相手だから勝てる、なんて保証はありません。
いかに思うように結果を出せていなくとも、熊本の各選手の能力の高さはリーグ屈指と言って差し支えないもの。それを、ゆめゆめ忘れてはなりません。
そんな相手に前回同様に先行されるようなことがあれば、息を吹き返すようにやられてしまう可能性も、充分にあることでしょう。
もちろん、そうあってはならない。
前回対戦では自分たちの優位を活かせずにやられてしまいましたが。
今度こそ、優位を活かしきって勝つ。
それはすなわち、4連勝中という自信と手ごたえ。ターンオーバー編成の可能性を信じて貫いてきたスタイル。
この4連勝だって、決して順風満帆にこなしてきたわけではなく。
過去3戦未勝利であった八戸に勝利し。最強の秋田に、これまで勝ったことのなかったアウェイで勝利し。敗戦寸前の状態からセレッソ大阪U23に逆転勝ちし。これまたホームで勝利したことのなかった讃岐に勝ち。
今節もまた、相性の悪い熊本が相手ではありますが。
そこを、打ち克たねばならない。
気合は十分。あとは、やりきるだけです。
期待したいのは、花井。
前回対戦では、2点を先行されてしまう苦しい状況のなかで、前半のうちに差を詰めるゴールを決めてみせました。
劣勢にあっても、相手の隙を見逃さずにしっかりと決めてみせた、してやったりの技ありゴール。
後がない熊本が、決死の覚悟で臨むことは間違いない今節。もともとリーグ屈指の実力者が揃い、結果だけがついてこないというなかで。
今回も、苦戦は免れないでしょう。
けれども、そこでしっかりとした仕事をやりきる選手が、そう、花井のような選手の頑張りが不可欠なのは、間違いないでしょう。
ターンオーバー編成を貫いてきたカターレにあって、中心的選手として出場を続けてきた彼に対するメンバー、スタッフの信頼は厚いことかと。
だからこそ、期待したい。カターレを勝利に導く働きを。
FW陣に繰り出す絶妙なスルーパスが得点に直結、というシーンを、今節もまた見たいです。
昨シーズンの最終戦が12月8日だったのに対し、今シーズンは9日の時点で残り3試合。
昨シーズンの残り3試合の時点では、既に昇格の可能性が消滅。それでも意地を見せるかたちで3連勝フィニッシュを成し遂げ、最終節で熊本をかわして4位で終えたのでした。
今季は、残り3試合にして未だ可能性は残されており。
それでも、負けたら終わり。
ならばこそ、勝つ。
劣勢にあってもあきらめてはいけない。それを痛感しながらの4連勝。
5連勝の達成には、それを今節も貫くことが不可欠です。
相手の状態、日程の有利不利などは、もはや関係ない。
勝つのは、勝利への意志を貫き通したチーム。
もちろん、それがカターレでなければ!
勝って、生き残れ!
負けたら終わり。そのプレッシャーに屈することなく勝て!
むしろ、だからこそ勝つ!勝って、希望を繋ぐ!!!
勝たれ!!!富山!!!!!