1-2で敗戦。
後半戦のスタートを勝利で飾り、単独首位をキープした前節。連勝がかかった今節、しっかりと成し遂げてその順位にふさわしいクラブであることの証明を打ち立てねばならなかったのですが。
前半の内容が、今季ワーストクラスの至らなさ。そのなかでは残念ながら当然、という2失点を喫して厳しい立場に追い込まれると。
後半早々に1点を返し、なおかつ持ち直して自分たちのペースで試合を進めたものの、同点、逆転には繋げられず、手痛い敗戦。熊本と福島にまくられ、昇格圏外3位に、あっという間に転落。
首位との勝ち点1差は、ごく僅かの差・・・しかし大きな差。
幸いなことに、まだ挽回不能なわけでもなんでもない。これからの頑張りで再逆転は充分に可能ではありますが。
それでも。
この試合の負けを引きずるようなことがあれば、それも叶わないでしょう。
もちろん、そんなことは断じてあってはなりません。
新型コロナ感染拡大のあおりを受けて、アウェイ席が設けられなかった今節。自宅でDAZN中継での観戦となりましたが・・・見ていて思いました。
「これは、惨敗を喫したアウェイ長野戦と同じだ」と。
試合開始早々に失点。
相手が積極果敢に向かってきたこともあるにせよ・・・それを織り込んだうえで、なお上回るだけの強さを見せて逆転しなければならなかったのに。
前節にしても、開始直後に危ないシーンがあったにもかかわらず。その反省が活かせないかたちで、今季初ゴールを狙って意気の上がる今村 優介に決められてしまい。
相手の良さもさることながら、それにも増して目に付いたのが、カターレの側の至らなさ。
競り合いから微妙にこぼれたボールがことごとく沼津側につながる、というアンラッキーな部分もあったにせよ、本質的な部分は別のところで。
確かに、相手からかかるプレッシャーというものは、あったでしょう。
けれども。
問題なのは、それを気にするあまり自分たちの側からのアクション、そのアグレッシブさというものが、どうにもこうにも欠けてしまっていた、ということ。
前へ、自分たちの攻撃としての仕掛けというものが、圧倒的に足りませんでした。
ともすれば、消極的ですらあったかと。
そんななか、攻勢を強めつつ、優位に試合を進めた沼津。
特に目立った動きをしていたのが、右サイドで精力的な動きをしていたベテラン・染矢 一樹の存在でしょうか。
カターレがJリーグに参戦した頃、岐阜の若手としてブイブイいわせていたときから知っているだけに、他クラブながら、ある種の親近感すら沸く選手ではありますが。
前回対戦では出場が無かったこともありますが、あらためて厄介な選手だ、と。
攻勢にさらされ、耐える時間が続く中で。
26分、痛恨の追加点を決められてしまい、突き放されることに。
カウンターから出足鋭く攻め込まれてしまい、至近距離のシュートを一度は西部がブロックして阻止したものの、そのこぼれ球を押し込まれてしまいました。
どうにもこうにも、いただけない失点の仕方。
それもこれも、自分たちのサッカーが出来ずに、自分たちから事態を打開できずに勝手に自縄自縛状態で内容を悪くしてしまっていたから。その因果応報と言わざるをえません。
シーズン後半戦初のホームゲームにかける沼津の意気込み。それをまともに受けて、後手後手に回ってしまっていたカターレ。自分たちから仕掛けられないままに。
本当に、良くないパターン。
4失点を喫する惨敗であった、先の長野戦もこんな感じでした。
相手の勢いに負け、自分たちから試合を難しくしてしまっていた試合。
それを、また繰り返してしまうのかと。
前半のうちに大野に代わって高橋を投入、そしてハーフタイムを挟んで後半開始から花井に代わって末木。
明らかに、プラン通りではない交代。
もしも万全の状態なら、前節勝利の立役者・高橋にはもっと効果的なタイミングがあったろうし、前回対戦のスーパーゴールがあった花井が居ることで、相手にもFKを与えられないというプレッシャーにもなっていたはずなのですが。
それでも、交代カードを切らざるを得なかった。
もちろん、勝つために。
すると。
その交代が奏功。末木がボランチに入ったことによってボールが落ち着き、攻勢に転じられる様がモニター越しにもありありと窺い知れました。
そんななか、51分。
前線へのパスに的確に反応したマテウスが、素晴らしい足元の技術とともに前を向くと。そのまま迷いなく右足を振りぬき、強烈なシュート!それが見事に決まり、出場2試合目にしてカターレ初ゴールを挙げたのでした。
ここまで今節を含め16試合、無得点に終わったのは長野戦1試合のみ。そう、あの試合とは違う。
だったら、追いつき、逆転しなければいけないだろうが!
前半とは真逆と言わんばかりに。後半はカターレが試合の主導権を握り、攻め立てることに。
スタッツを見ても、CKの数が沼津の6本に対して10本。雰囲気も、ありました。
けれど・・・決まらなかった。
守備も頑張り、前半ほどの悲壮感めいたものは有りませんでした。だからこそ、決めて追いつき追い越したかった・・・けれど、できませんでした。
結果、苦手としてきた沼津にまたしても屈するかたちで、今季3敗目。手痛い敗戦となってしまったのでした。
相性というものを言い訳にはできませんし、してもいけないですが。
それでも・・・首位と11位との対戦で、してやられてしまった格好。
順位だけで勝敗が決まるわけでは、もちろんないにしても。
これまでリーグでいちばん成功しているチームだからこその首位であったはず。何の理由もなくその地位にいたわけではなかったはず。
それが・・・この敗戦で、「やっぱりマグレだったのではないか?」などと軽んじられるようなことがあれば・・・遺憾どころの話ではありません。
去年の秋ごろ、ガタガタと調子を崩してしまっていたあたりで。
最下位に沈んでいたセレッソ大阪U23にしてやられて、痛いどころではない敗戦を喫してしまったことが思い出されます。
ヘタをすれば、その二の舞にもなりかねない・・・そんな懸念さえあります。
首位陥落となった今節が引き金となり、また、転落してしまうのではないかと。
もちろん、そんなことは断じて願い下げですが。
一昨年、昨年と2年連続でシーズン最終戦であったアウェイ沼津戦。特に去年に関しては、ほぼラストプレーで勝ち点1を取りこぼして敗れて3連敗フィニッシュ確定、どうにもモヤモヤとしたやるせないシーズン幕切れとなってしまいました。
幸いなことに。
苦汁の敗戦を喫してしまった今節ではありますが、まだシーズンが終わって取り返しがつかなくなるわけではありません。
上回られてしまった熊本、福島にしても、差はわずか。さらに直接対決も残っており、自力優勝の可能性がなくなったわけでもなんでもありません。
自分たちの至らなさで招いてしまった敗戦。それを、悔しく思うならば。挽回したいと思うならば。
やるべきことは、ひとつです。
引きずることなく、勝つこと。それだけ。
その先に、首位奪還、そして優勝へ。
後に振り返るときに、この敗戦が無駄ではなかったと言えるように。
次の試合は、すぐにやって来ます。
立ち止まるわけにはいきません。
精進あるのみです。