2-1で勝利!
大事なシーズン開幕戦、見事に勝利で飾りました!
どのチームにとっても難しい開幕初戦、優勢に試合を進めながらも先制を許してしまうという苦しい展開。
しかし、そこで動じることなく虎視眈々と反撃の機会をうかがい続け。
途中出場の大野が、同点、そして逆転の2ゴールという殊勲の活躍。全員が気持ちを切らすことなく集中し、そのリードを守り切っての勝利。
アウェイの地で、価値ある勝ち点3。
優勝に向けて、幸先の良いスタートを切ることに成功したのでした。
J3の開幕節の中でも1試合だけ日曜日の15時開始という、いちばん遅い時間帯でのキックオフとなったこの試合。
薄曇りで日差しこそなかったものの、気温20.6度という温暖な気候の中での試合となりました。
ただ、深刻というほどではなかったけれど風の影響があり、試合前のコイントスで陣地を変更して臨むことに。
真新しい2022シーズンのユニフォームに身を包んだ選手たち。2011年から2013年にかけてのシーズン以来となる、白地のユニフォームに黒のパンツという2nd仕様に、新鮮さを感じつつ。
新鮮さと言えば。
スタメン11人中、特別指定から本契約という松本を含め、5人が新加入選手となりました。
GKに西部、DFは林堂に、福島から移籍の鎌田と宮崎から移籍の大畑。
アンカーに末木と左WBに安藤は昨年通りとして、移籍した音泉のいた右WBには、大卒ルーキーの神山が抜擢され。
2列目は椎名と2年ぶり出場となるルーキー・松本。最前線はマテウスと、岐阜から移籍の川西が務めることとなりました。
試合開始から、なんというか、「違和感のないことが違和感」とでもいうような感覚がありました。
石﨑監督体制の2年目となる今シーズン、昨シーズン見てきたカターレの継続、更なるブラッシュアップを期待することになるなかで。
ボールを保持する相手に果敢に挑んでいく姿勢、そして素早い攻守の切り替え―――そんな石﨑サッカーのスタイルを、各選手ともよくやっている。それは、昨シーズンを通じて見てきた姿。
まてよ・・・同じだけど、同じじゃないだろ?
だって、5人も入れ替わってるんだぞ?
それはすなわち、既存選手だけでなく、新加入選手にもその石﨑イズムがしっかりと浸透しているということの証左なわけで。
これは、いけるんじゃないの!?と。
13分、相手陣内左サイドに蹴り出されたボールにスルスルと上がった松本が折り返すと、椎名がボレーシュート!決定機ながら愛媛GK徳重 健太に阻まれてゴールならず。
いける気配というものは、確実に醸し出していたのでした。
ただ。
そんななか、アクシデント。
15分、林堂が競り合いで頭をぶつけて流血。不穏な空気に包まれてしまうことに。
かつての古巣での凱旋試合だけに、なんとか・・・テーピングが痛々しくも続行可との判断。
その林堂、29分には遠目ながらもFKのチャンス。昨年のホーム岩手戦決勝ゴールの再現を!と、いやがおうにも期待が高まりました。
狙い通りにGK手前で跳ねるボールとし、前にこぼさせることには成功したものの、詰め切れず。先制点とはなりませんでした。
よし、なんとか林堂は大丈夫そうだ・・・そう思っていたら。
36分、前に詰めてボールを処理しようとした西部の頭部に相手選手の足が接触、ボールがこぼれてしまったところを蹴りこまれ、万事休す・・・かと思いきや、大畑が蹴り出して難を逃れるという、肝を冷やす場面も。
い、いや、西部も大丈夫そうだし、決定的なピンチをしのいだ、良かった・・・。
そう思っていたら。
前半終了間際のこと。
接触プレーから神山が倒れこみ、担架で運ばれ交代を余儀なくされるという・・・。
記念すべきJデビューとなった試合であったものの、無念の途中退場となってしまったのでした。
総じて、チームの状態は良い。勝機も充分にある。
けれど、アクシデントにも見舞われ。
なかなかに難しい状況の中で、スコアレスで試合を折り返すことに。
どちらのチームにとっても、今シーズン初めてのリーグ戦。特有の固さというもの、甘さが出てしまう場面もお互いにあったなかで。
それでも、どちらかと言えば優位にあったのはカターレのほう。
決めきること、得点を挙げて勝利の要件を満たすことができたならば、その先の勝ち点3も---そう思っていたのですが。
先にゴールを揺らしたのは、愛媛でした。
後半開始から6分、仙台からの新加入・佐々木 匠にドリブル突破から豪快に蹴りこまれ、失点。ニンジニアスタジアムが沸くことに。
しかし、それでも。
リードされたからと言って、そこで意気消沈してしまうことはありませんでした。
そして、相手に一気呵成に雪崩れ込ませるような隙も与えなかった。
選手たちの闘志は、萎えていない。
そんななか、監督が次の手を。
61分、一挙3枚替えで高橋、大野、姫野を投入。「点を獲りに行く」という明確なメッセージを発信したのでした。
その交代から程なく65分。
前線へのロングフィードをカットされてしまいカウンターを受けそうになったところ、中盤で阻止。すると、松本が最前線・大野へと柔らかいボールを送り出すと。
相手ディフェンスと競り合いながらも体勢を崩さなかった大野が蹴りこみ、見事に同点ゴール!昨シーズンのチーム最多得点者。その大野が、開幕戦からいきなり魅せてくれました。交代にバッチリと応える得点で、試合を振り出しに戻したのでした。
69分には川西に決定機、裏への抜け出しからゴール正面でシュート、阻止されながらも押し込もうとするもそれも止められ、こぼれたところを大畑が押し込むもさらに腕一本で阻止という・・・ベテランGK・徳重の神がかり的なセーブに遭い、ゴールならず。
一方で79分、愛媛の決定機でゴール至近距離からFW松田 力に押し込まれかけるも、飛び込んだ西部が阻止というシーンも。
気の抜けない攻防はさらに続き、その直後、今度は川西のヘッドがクロスバーに嫌われてゴールならず。
緊迫したシーンが続きました。
そんななか、次の1点がもたらされのが84分でした。
愛媛陣内左サイド深くで、川西が個人技でディフェンスを振り切ると中央へクロス。
すると、待っていた大野がジャンプ、強烈なヘッドを叩き込むと、これにはさしもの徳重も弾きだしきれず。
見事にこの日2点目となるゴールが決まり、逆転に成功!アウェイ愛媛の地まで駆けつけたカターレファン・サポーターのボルテージも最高潮に!
もう、勝つしかない!
88分には守備固めで碓井を投入。絶対に勝つんだという気迫は、カターレの力をひとつにしました。
そして、5分あったアディショナルタイムも相手に反撃のゴールを許さず。
タイムアップ。
見事に、逆転勝利で開幕戦を制したのでした。
J3の初戦となった試合で、手痛い洗礼を浴びたかたちの愛媛。
「きれいにサッカーをやるという方向性のプレーが多く、1対1の局面で、逃げているとまでは言わないまでも、向き合ってないというか、きれいに交わそうというプレーが多かったように思う。そこで押し込まれて逆転にまで持っていかれた。選手だけでなく僕にも問題がある。チームとしては年間を通してそういったマインドを変えていかなければいけないと思う。少しずつJ3のパワーサッカーやフィジカルの強さに向き合っていけないと勝ちは拾っていけないだろう。修正して次につなげていきたい。 」
石丸監督も、そのように語りましたが。
まさに、然り。
その気持ち、まったくもって他人事と思えないほど、よくわかります。
なぜなら、カターレも通ってきた道だから。
カターレだって、いい加減な気持ちでやっていたから、やる気がなかったからといった理由でJ3にとどまり続けていたわけでは、決してない。
もがき、苦しみ、絶望しかけながらも。
それでも挑み続けて、今がある。
だからこそ。
自戒の意味も込めて、言いたい。
「J3を無礼るなよ」
もちろん、愛媛も油断ならぬひとかどのチーム。次に相まみえる8月の第21節では、今回勝ったから、という理屈も、そうそう通用しないでしょう。
それでも。
カターレは、この開幕勝利から進み続ける。
それこそ、次に戦っても通用しないのでは?と怯ませるほどの勢いで。
言わずもがな、優勝を目指すというのは、勝ち続けることにほかならないのだから。
戦いは、始まったばかり。
優勝を目指すシーズンは、続いていきます。