4連敗の暗闇を抜け、大きな価値ある勝利を手にした前節。2位に再浮上し、昇格圏に復帰したからには。
「勝てば、負けない」
連敗を経て、勝ち点3の重要度というものを今一度確かめた。ならば、それを連勝につなげねばならないことは言うまでもありません。
迎える今節、アウェイ・長野Uスタジアムへと乗り込み、16位・AC長野パルセイロと対戦します。
同会場では2年連続で手痛い敗戦を喫していますが、今のカターレに必要なのは勝利のみ。
前節、ホームで勝つ喜びを思い出したからには、今度はアウェイでも。
必勝を期して臨まねばなりません。
前節、およそ半年ぶりの対戦となったFC大阪に勝利し、シーズンダブルを達成したカターレ。今節の長野もまた、シーズン序盤の第4節以来となる半年ぶりの対戦となります。
その前回対戦では、前半に先制点を挙げて首尾よく1-0で折り返したはよかったものの。後半開始直後にいきなり失点して追いつかれ、そこから立て続けに失点を重ね、あっという間に1-3と、敗戦濃厚に。
ただ、とどめとなるはずであったPKの失敗から潮目が変わり。そこから執念を見せたカターレが怒涛の2ゴールを挙げ、ドローに持ち込んだのでした。
ほぼ負けが確定した試合であったなか、それを良しとせず、あきらめることなくもぎ取った勝ち点1。
現状、およそ類を見ないほどに大混戦のJ3にあって、そこで勝ち点差1ながら2位に位置するカターレにとっては・・・あのときの勝ち点1が効いているが故、とも見てとれるでしょう。
その前回対戦で勝ち点2を落とした長野であったものの、5月には首位にも立つなど、上々の滑り出しであったシーズン序盤。
ハイライトとなったのは、天皇杯進出をかけた松本との県選手権を制したあたりであったでしょうか。「今年のパルセイロはいけるぞ!」という手応えも得ていたのではと。
しかし。
そこから、まさに坂道を転げ落ちるように転落してしまうことに。
まさかの、9戦連続勝ちなし。
状況が好転しないままに、ついには8月下旬、シュタルフ監督の解任にまでつながることとなってしまったのでした。
後任には、やはり今シーズン途中で今治を解任された高木監督が起用され、指揮を執ることに。
就任直後には首位の愛媛を相手に1-1のドロー、続く福島戦に勝利して新体制初勝利。
前節こそ、試合開始直後に退場者を出し、そこから失点、不利を覆せず敗れてしまいましたが。
それでも、一時の不調は抜け出しつつあるという手応えは得ているであろうところ。
そんななかで、今節。
前回対戦で無念のドロー決着となってしまった富山を相手にリベンジを果たすべく、気持ちを入れて待ち構えていることでしょう。
ふとしたきっかけがチームの歯車を狂わせ、耐えがたい不振につながってしまうーーーつい最近、カターレも経験したこと。
引き分けにこそ持ち込んだものの、大苦戦を強いられた前回対戦のことを思えば。
連勝を狙う今節ではあるものの、ゆめゆめ油断するわけにはいきません。
前節は椎名の素晴らしい2ゴールで逆転勝利を挙げたカターレ。
勝って兜の緒を締めよ。勝ったからこそ、気を引き締めて臨まねばなりません。
椎名のゴールにしても・・・これまでの流れであれば、「シュート決定率を上げるため」と称して勝負せずにパスを選択、その結果、「中央で誰かなんとかしてくれというなんとなくクロス」を上げるだけで得点にはつながらない、というおなじみの展開に終わっていたかもしれなかったところ。
それを良しとせず。自らの信念に従い、果敢にチャレンジを試みた。その意思の強さがもたらしたゴールであったことは、十二分に見てとれました。
だからこそ。
その成功体験を、チーム全体が共有せねばなりません。
積極性を欠き、ちぐはぐな攻撃が無得点、敗戦につながってしまっていた4連敗の愚を、繰り返すわけにはいかないのだから。
やればできると、勝って証明した。だからこその奮起が必要不可欠です。
期待したいのは、古巣対戦となる坪川。
前節はメンバー外となって出場はありませんでしたが、プロとしてのキャリアの原点となった長野。今回、初めてアウェイチームとして、Uスタに乗り込む側の立場に立つこととなります。
今節の長野戦にかける思いは人一倍強いであろうことは間違いなかろうと。
長野を離れるにあたって、移籍先の富山がJ3優勝・J2復帰を狙うクラブであることは、当然意識していたことでしょうが。
シーズンも終盤戦を迎えようかという現在、その目標の達成のために奮起せねばならない立場に居ること。それはつまり、移籍決断要件に合致している状況であることを、再確認しているのではないかと。
そこで迎える、古巣対戦。
お世話になった長野のファン・サポーターに健在ぶりを示すとともに、今はもうチームの一員ではないというさみしさ、ライバルクラブで躍動するある種の憎らしさをも感じさせる、そんなプレーをみせてくれたならと。ホームの長野に対し、勝ち点3を奪い去らんと乗り込んでくる富山の刺客がひとり、背番号17・坪川 潤之として。
そして、やはり長野とは古巣対戦となる駿太のゴールにも期待したいです。
チーム愛の強さ・富山愛の強さは人一倍の彼だけに、連敗中はつらく苦しい思いもしてきたでしょう。けれど、前節の勝利で、勝つことの喜びと大事さを再確認したからには。
前回対戦では、値千金の同点ゴールを決めて敗戦を免れる活躍を見せた彼だけに。
今度はカターレを勝利に導く得点でもって、健在ぶりを知らしめてほしい。そう願います。
前節からのあいだに、今度は岩手の松原監督が解任。全20クラブのうち、実に半数近くの9クラブがシーズン途中解任となっている、異様なシーズンとなっていますが。
途中交代クラブのひとつである長野に対し、これまでの積み重ねを糧に、勝利を追い求めねばならない小田切カターレ。
4連敗という、つらい時期もあった。この先もどう転ぶかはわからない。
けれど。
自分たちの力を信じ、真摯に取り組み、やりぬくこと。その先に勝利がある。
そのことを、前節の勝利で再確認したはず。
だからこそ。
連勝をかけた今節。気を引き締めて臨み、勝利に、勝ち点3につなげねばなりません。
僅差の大接戦にあっても、それでも。2位に復帰できたのは、単なる偶然やラッキーじゃない。
これまでの積み重ねがなければ、4連敗を喫しながら復帰など、ライバルがどうかとはべつのところで成し得なかった。
これまでの頑張りがあったからこそ、復帰できた。
ならば。
やらねばならないのは、更なる上積み。
僅差の状況も、試合を追うごとに淘汰されていきます。直接対決をはじめ、熾烈な潰し合いも繰り広げられるでしょう。
そのなかで、生き残っていくために。
まずは、今節。
連勝必須。必ずや勝ち点3を持ち帰る、そんな揺るがぬ意志で勝利せねば!
現状維持ではない、さらなる飛躍を誓って
勝たれ!!!富山!!!!!