カターレ史上初のルヴァンカップに挑み、延長戦で逆転する劇的勝利を挙げた水曜の試合から中3日。
今シーズン公式戦初勝利に続き、ここまで勝ちのないリーグ戦でも勝利を挙げて勢いに乗っていくためにも。引き分けの1ではなく、勝って勝ち点3の奪取を目指して挑む今節。遠く青森県のプライフーズスタジアムへと乗り込み、今節がホーム開幕戦となるヴァンラーレ八戸と対戦します。
開幕戦のYS横浜戦では元カターレの萱沼に恩返しゴールをくらい、せっかくの先制ゴールが実らずドロー。
第2節の讃岐戦では、元カターレの川西・大野のコンビに戦々恐々。恩返しゴールこそ許さなかったものの、こちらも無得点に終わり、スコアレスドロー。
ここまでアウェイ2戦では、元カターレ選手たちと対峙する試合となりましたが。迎える3戦目のアウェイ戦である今節・八戸戦は、その最たるものとも言えるかと。
昨シーズンに続き、前カターレ監督であった石﨑 信弘監督が指揮を執るのをはじめとして。
昨シーズン在籍していた元カターレ・姫野こそ現役を引退したものの。その姫野と同じ、かつての「元藤枝3人衆」がひとり、石﨑監督の愛弟子・安藤が移籍。
そして、実に7シーズンにも渡ってカターレに在籍し、すっかりクラブの顔でもあった柳下。カターレ退団に当たって、富山を離れて石﨑監督の下へ。
また、湘南から2シーズンにわたって期限付き移籍、カターレでプレーしていた柴田が、その期限付き移籍先の変更というかたちで八戸へ。
さらに、石﨑監督率いるカターレでプレーしたのちにJ2・水戸に完全移籍していった音泉が、長野への期限付き移籍を経て、今シーズンは八戸に完全移籍。
なんとまぁ、富山色豊かというかなんというか。
八戸のホームページでは、今節の告知画像として石﨑監督を中心に上記4名を起用。
その画像をちょちょいと加工して、ユニフォーム部分の緑を青にリペイントすれば、あら不思議。「これ、2年くらい前のカターレ富山の画像です」なんて差し出したとして、ほとんど違和感を感じないものになってしまいます。
恩返し云々については・・・むしろ、それを意識しないでいるほうが無理というものかと。
昨シーズンは2019年のJ3加入以来最上位となる7位でフィニッシュとなった八戸。さらなる高みを目指すべく、石﨑監督の続投を早々に発表。
躍進の立役者となったオリオラ サンデーが引き続き在籍。カターレも前回対戦でやられて苦汁を飲むこととなりましたが、やはり今シーズンも脅威であろうと。
新戦力としては上記のもとカターレ選手たちのほか、元沼津の藤嵜 智貴、元宮崎の永田 一真、元福島の雪江 悠人など、J3を良く知る選手たちが加入。
なんというか・・・いかにも、「イシさんの好きそうな選手たちだな」という印象ですが、きっと間違ってはいない気がします。
充実の補強とともに、石﨑体制2年目に挑むこととなった八戸。
ただ。
開幕戦は、まさかの降格で話題を振りまく大宮と対戦。J1経験チームを相手に苦戦は覚悟していたことでしょうが、それでも4失点の敗戦は厳しかったのではなかろうかと。
第2節は、戸田監督体制2年目に挑む相模原と対戦。0-1で敗れ、2連敗に。
ルヴァンカップの影響で3月第2週には第3節を戦わず。若干間隔の開いた状態で迎えた水曜日のルヴァンカップ1stラウンド1回戦では、奇しくも開幕連敗チーム同士の対戦とななった金沢とJ3勢対決。スコアレスのままに延長戦に突入した、というところまでは同日のカターレも同じでしたが、八戸ー金沢戦は延長でもスコアは動かず。決着はPK戦に持ち込まれることとなりましたが、それを制した八戸。今季公式戦初勝利を挙げて、J1・鹿島と対戦する2回戦にコマを進めることとなりました。
今シーズンのリーグ戦でも対戦することとなる金沢との試合、しかも相手は大量失点での敗戦を繰り返しているなかで。
出場メンバー調整もあったことでしょうが、それを差し引いても同カテゴリの相手には勝っておきたいと思っていたであろうところ。PKで勝利したとはいえ、実質的にはスコアレスドロー。モヤモヤした気持ちも、無くはないのではなかろうかと。
それでも。
どんなかたちであれ、今季公式戦初勝利に間違いはありません。勝ったからこそ、2回戦でJ1の名門・鹿島と対戦するチャンスも得ることが出来た。これは疑いようなくポジティブに受け止めるべきところ。
迎える、今節。
辛勝ではなくしっかりとした勝利で勢いをつけたい、というならば。
昨シーズンのホームゲームでも撃破した富山を再び返り討ちとしたならば、その勢いも確かなものとして内外に示すことも出来るというものでしょう。
それでなくとも勝利が求められる、新シーズンホーム開幕戦。中3日なのはお互い様であるならば、ホームで勝ってファン・サポーターの期待にしっかりと応えねば!というところではないかと。
そんな八戸に挑み、リーグ戦の初勝利を掻っ攫わねばならないカターレ。J1昇格を狙う山形を撃破したルヴァンカップが、偶然やまぐれの勝利などではなかったことを証明せねばなりません。
どの対戦クラブの監督よりも小田切監督のサッカーを熟知する石﨑監督が相手、しかも古巣対戦が取り沙汰される、そんな試合で。
もしも、は無いけれど・・・それでも。
もしも、昨シーズン最終盤のアウェイ八戸戦で敗れることなく、逆に勝利をあげていたら。その後3連勝を達成してフィニッシュ、J2復帰を決めていたという可能性も、確かにあったはずです。
言っても詮無いことではありますが、それでも。
ここまで、讃岐、奈良と、昨シーズン後半戦で敗れた相手にリベンジ達成ならず。負けはしなかったものの、勝てなかった。
今度もまた、リベンジを期す試合。そして、今シーズンリーグ初勝利を狙う試合。
ここであえなく敗れて4戦連続勝ちなしでさらに沈下、となってしまうなど、言語道断というもの。
意地と覚悟を示すルヴァンカップを勝ちきった効果ーーーそれがリーグ戦にも波及して、無敗継続からの浮上につながる、そのきっかけとなる勝利を挙げねばなりません。
八戸側の古巣対戦が取り沙汰されるなかで、今節はもうひとりの選手にとっても古巣対戦となります。
前所属が八戸の、下堂。
怪我の影響で長らく戦線離脱となってしまった昨年は、アウェイ八戸戦に帯同できず。八戸のエース格・オリオラ サンデーがオラオラ!とばかりに躍動、それに後れをとってやられてしまい、痛いどころではない敗戦を喫してしまった前回対戦。「自分が出場して阻止することができていたなら!」という、もどかしい気持ちもあったのではないでしょうか。
2年ぶりとなる、八戸の地。今度はカターレの一員として勝利を目指すべく、凱旋試合に気合も入っていることかと。
水曜日のルヴァンカップでは神山と脇本のコンビにCBを譲り、彼らが奮闘する姿に大いに刺激を受けたのではなかろうかと。「よし、自分もやってやるぞ!」と、気を引き締め直して挑むことになるでしょう。
そして、もうひとり。
キャプテン・吉平のリーグ戦連続ゴールにも期待です。
かつて、富山の監督に就任したイシさんを慕って姫野・安藤とともにカターレにやってきた吉平。他の面々が富山を去ったなかで、カターレ残留を決意。今シーズンにかける熱い思いというものを汲むかたちで、小田切監督からはキャプテンにも指名されることに。
かつての恩師・盟友たちに、カターレの吉平、ここにあり!という存在感・活躍ぶりを、見せつけてほしいです。
カターレをリーグ戦初勝利に導き、多少の出遅れこそあったものの、それでもカターレ富山が2024シーズンの優勝を狙う大本命であると、その再認識を促す試合を見せること。そのミッションを、ぜひとも完遂してほしいです。
3月の5連戦の3戦目、準備期間も短く、しかも遠方のアウェイ戦とあっては、なかなか大変でしょうけれど。
それでも。
やればできる、J2クラブだって撃破できるという自信と手応えをもたらした勝利。
その経験が生んだチームの一体感。
そう、山形戦勝利は、まぐれでも偶然でもない。勝利を求めるカターレ富山というチームの一体感がもたらした結果。そこに何の不思議もありはしないのです。
それを、リーグ戦勝利に昇華していくためにも。
前回対戦からの連敗は論外、引き分けは、もうたくさん。
求めるものは、勝利のみ!
必ずや、勝つ!勝って遠く青森県から勝ち点3を持ち帰る!!
思いを力に、力を勝利に変えろ!!!
勝たれ!!!富山!!!!!