1-2で敗戦。
無得点で2連敗中というプレッシャーもあったでしょう。相手が下位とはいえ2連勝中という勢いのあるチームということもあったでしょう。
しかし、問題はそこではなく。
試合後、力なくスタンド前を回る選手たちに対し、罵声とも言えるブーイングが浴びせられましたが。それは、ただ今節の結果が負けたから、ということではなく。
そりゃ、相手あってのことであり、連戦連勝出来ればよいけれども、負けることもありましょう。
けれども。
相手のチカラ云々ではなく。明らかに、自分たちの至らなさで負けてしまった。
それも、ここまでの敗戦とまったく同じパターンで。
改善のないまま同じ負け方。
全身全霊をかけて挑んだ試合でも、勝てるとは限らない。それでも負けてしまうことはあるでしょう。
そうではなかった。
自分たちで試合を難しくして、それを敗戦につなげてしまった。それを、繰り返してしまっている。この1週間なにやってたんだ、と言われることもあるかと。
まだ絶望する状況でもないし、残り試合数も充分にある、巻き返せる!という人もいるかもしれませんが。
同じ失敗を繰り返しているチームに、それを納得させるだけの説得力があるでしょうか?明らかに多すぎの9敗という現状に、なにか言うことはないのでしょうか?
信頼を失うのは簡単。それを取り戻すのは、容易ではありません。
前節の岩手戦では6000人を超えていた観客数も、半減の2983人。もちろん、夏休み最後のホームゲームであったとか、各種招待企画があったとか、単純に比較できないところはあったでしょう。
いつも通りの数と言えばそうですが、それでも・・・。「勝っていれば行ったかもしれないけれど、負けたから見に行かない」という層もいたのではないかと思うと、なんともやるせない気持ちになります。
これまでも敗戦の次の試合にメンバーを再考、違う選手を起用して臨むことはありましたが、今節もその例にもれず。
柴田が6試合ぶり、椎名が8試合ぶりのスタメン起用となり、打開をはかることに。
これまで主力として出場し続けてきた松岡がメンバー外となっていたことに驚いたファン・サポーターも多かったのではなかろうかと。
それでも、怪我や体調不良でないならば。いちどピッチ外から客観的に試合を見て、そこからどうすればいいか考える機会も必要だったのではないかと察し。
今シーズンのホームでは最後となるナイトゲーム。折からの猛暑日もなんとかやわらぎ、日中が最高32℃くらいなら過ごしやすさすら感じたなか、曇り・28.2℃という条件でキックオフ。
試合は両チーム膠着、というなかで進行し。もちろん連敗阻止に向けて気合は入っていたでしょうが、それでも圧倒するまでのチカラは見てとれず。
いかにチャンスをものにし、いかに得点するか。
2試合連続無得点などという不名誉な状態を脱却するために、全力を尽くさねばなりませんでした。
駿太のミドルシュートが弾かれ、ポストに当たってゴールならず、という惜しいシーンなどもありつつ、得点には至らず。
下位ながらも連勝中で勢いのある相模原。それでも、引けを取っていたわけではない。ただ、ゴールにつながる決定的な場面にまでは至らず。もどかしい時間が続きました。
・・・ただ。
0-0で折り返そうかという前半終了間際のアディショナルタイム。
攻め込まれたところをカバーする人数は足りていたのに、ブロックしきれなかったこぼれ球をまんまと押し込まれるかたちで失点。
無失点を誓っていたはずの試合で、決められてはならない時間帯に失点という・・・なんとも、ただの1点以上にダメージの大きい失点の仕方で先制点を奪われてしまったのでした。
連勝中のチームは、こんなかたちで得点できる。連敗中のチームは、こんなかたちで失点してしまうーーーそんな不都合な現実を突きつけられたかのような、苦すぎる展開。
勝利のために最低2得点は必要となった状態で、試合を折り返すことに。
後半に入っても、試合の流れは変わらず。
先制点を獲って優位に立った相模原が、しっかりと自分たちのサッカーをやりきって勝とう、と落ち着いてプレーする一方で。
追う立場ながら、勢いで圧倒して追い詰める、という展開に持ち込めないカターレ。
なにか、淡々と・・・頑張ろうとはしているのだろうけれど、そんなことを繰り返すばかりでは勢いに乗れないじゃないか、というプレーが続き。
なによりも。
この2連敗中の試合と変わらないじゃないかーーーそれが、応援する側に伝わってきたのが、どうももこうにも。
頑張っているのだろう。けれど、頑張っている“だけ”にしか見えない。
死にものぐるいで勝ちに行く、1点をもぎ取るために死力を尽くす、そんな勢いが、どうにも不足しているように見受けられてしまうのは、いかがなものか。
もちろん、手を抜いたりいい加減なプレーをしていたというわけではないにせよ。
それでも、勝つために100%、それ以上の気迫をもって、その熱をホームのファン・サポーターに伝えていたかといえば・・・正直、不足していたようにしか。
連敗中のチームが、それをなんとしても阻止するべく奮闘するーーーファン・サポーターが見たいサッカーになっていたかと言えば、そうなっていなかった印象です。
そうやってフラストレーションがたまっていたなかで。
言いたくありませんが、審判のジャッジも的確性に欠けていた印象で。
なんでCKなのにゴールキック判定なんだ、とか。ほんとにオフサイド?とか。
ボールに直接かかわらないプレーだったから見落とされた?ペナルティーエリア内で椎名が後ろから突き飛ばされて転ばされただろうが!とか・・・。
イライラは募るばかり。
68分、駿太のヘッドがまたもバーに嫌われ、「ああーーー!」とため息。“持っていない”状態では、こうも決まらないものかと。
結果がでない苦しい状況ながらも、それでもチームでいちばんの奮闘をしていた駿太。81分に交代というのも、状況を考えればしかたのないことだったのかもしれませんが・・・やりきれなさは、どうにもこうにも。
ストライカーが決めきれない、審判のジャッジにもフラストレーションがたまる、といったやりきれなさに、止めを刺すかのように。
85分、安光のスライディングでのボール奪取がペナルティーエリア内で倒してしまったとの判定で、PKを献上してしまうことに。
これも、審判によっては相手のダイブ判定でノーファウル、ということもあったかもしれませんが。
これを決められてしまい、相模原にとっては勝利を確信する2点目。重苦しい雰囲気に包まれる、ホーム県総。
しかし、その直後。
途中出場のマテウスが今シーズン初ゴールを決めて、反撃。無得点の流れを阻止してみせました。
そうだ、最後まであきらめるようなことがあってはならない。
同点、逆転を目指して力を振り絞らねばならないカターレ。
一方、相模原としては冷静にゲームを〆る流れ、というところだったのでしょうが・・・88分、DF加藤 大育が遅延でイエロー。この日2枚目で退場となり、1人少なくなることに。
数的有利になった、やったぜ!というよりは、こんな状況でつまんねぇ時間稼ぎとかしてるんじゃねぇよ!という怒りのほうが大きかったわけですが。
その後さらにGK東 ジョンにも遅延でイエロー。イライラしては相手の思うツボ、とは言いつつも、それでもどうしようもないわけで。
そんな相模原に勝利をくれてやっていいのか?いいわけないだろうが!だったら追いついてーーー
しかし。
7分あったアディショナルタイムにも、同点・逆転ゴールは生まれず。
試合終了。
今シーズン、3連勝は成し遂げられていないにもかかわらず、あってはならない3連敗を喫することに。
試合後、飛び交うブーイング。スタジアムは重苦しい雰囲気に包まれることになりました。
ただ負けただけなら、こうはならないでしょう。
うつむくな!顔を上げろ!次こそやってやろうぜ!ーーーそんな声がかけられることかと。
しかし、そうはならなかった。
理由はシンプル。納得のいく敗戦ではなかったから。
負けに良いも悪いもあるか、という意見もあるかとは思いますが、それでも。
相手云々ではなく、自分たちの至らなさが招いた敗戦であったこと、それが明らかであったから。
そして、前々節、前節と、同じ反省のもとに臨んだはずの試合で、またも同じ失敗を繰り返すかたちで・・・反省を活かすもなにもない敗戦を繰り返したとあっては、擁護のしようもなかった、と。
どんなチームにだって、良い時もあれば悪い時もある。なのに悪い時にだけ文句を言うのはかわいそうだーーーそんな意見もあるかもしれませんが。
鹿児島や愛媛に先制しながら逆転負けしたように、良いところを継続して「ここぞ!」という試合で勝ちきる!ということが出来なかった一方で。
下位だからとなめてかかって良いわけ
では、もちろんないにしても。優勝争いをするクラブにふさわしい力を見せられないままに、自滅に近いかたちで勝利を献上してしまう・・・やはり、無しでしょうよ。
目先の1敗を叩きたいわけではありません。
自分たちがやらねばならないのに、そしてやれるだけの力があるのに、それを自滅でフイにしてしまったとなれば。そりゃ、ブーイングもあびせたくなろうかと。
まったく勝つ見込みもないようなチームなら、こんなに悲しい思いもせず、あるいはなぁなぁで済ますことも、あったかもしれません。
しかし、カターレはそうではない。
優勝を目指すクラブが、自分たち自身の弱さに負けて敗戦とか・・・やはり、あってはならないし、それをなぁなぁで許してはならないでしょう。
試合後、フラストレーション満タンで居残ったゴール裏に、駿太がひとりであいさつに来ました。
サポーター側からは、「お前が来ることない!」「それは違うだろ!」の声も。
負けた責任を負わねばならない人がいるとして、それは現場で、ピッチで人一倍奮闘していた、チームでいちばん気迫を見せていた駿太ではないだろう!と。
しかしそれでも。彼自身、なんらかのかたちでけじめをつける必要があるとの判断があったのでしょう。謝罪の言葉と、次への抱負を語り、その場を後にすることに。
その、去っていく姿が・・・背番号39が、こんなに悲しく見えたことなどなかったぞ、と。
やりきれない、やるせない思いがぐるぐると。
他クラブの結果により、カターレは奇跡的に2位をキープ。昇格圏陥落を免れる結果となりましたが。このまま変わらないようであれば、時間の問題でしかなく。
このまま無様を晒し続けるようであれば、それがどのような結末を招くことになるのかーーーそれを、皆が知っています。
だからこそ。
このままで良いわけがありません。
奇跡を使うべきタイミングは、今ではないはずです。
天は自ら助くる者を助く。
やらねばならないことは、自分たちの弱さに負けないこと。打ち克つことのはずです。