『文部科学省の全国学力テスト不参加や全国に先駆けた少人数学級導入など、独自の教育改革を進めた愛知県犬山市の瀬見井久教育長(72)は20日、任期を1年近く残して11月20日に退任する意向を明らかにした。理由について瀬見井教育長は「民主党政権になり、私の考えが理解されやすい環境になった」と述べた。 瀬見井教育長は愛知県職員出身で、97年4月に石田芳弘前市長(現民主党衆院議員)が教育長就任を要請。教科2人担任制、教師による副教本作成、2学期制導入などの教育改革を推し進めた。07年に始まった学力テストには「義務教育に競争原理は不要」などとして反対。06年12月に就任した田中志典現市長から方針転換を求められたが、「教育行政は教育委員会独自の権限」と譲らず、全国で唯一の2年連続不参加を主導した。 その後、教育委員の増員や不参加派委員の入れ替えにより、同市は今年4月の学力テストに初参加した。その際も瀬見井教育長は「国のテスト結果の公表(8月下旬)は遅く、授業改善に役に立たない」と主張。テスト直後に解答用紙をコピーして現場教師による採点を行うなど独自性にこだわり続けた。瀬見井教育長は「教育改革から10年たち、いいタイミングと判断した」と話している。また、瀬見井教育長と同一歩調を取ってきた丹羽俊夫委員、テストに賛成した加藤武司委員の2人も同時期に退任する。』10月20日12時43分配信
毎日新聞
瀬見井久教育長は、「○×で優劣を決めるテストは犬山になじまない」と最後まで学力テストに参加して来なかったことが犬山市以外の愛知県の保護者からも批判されることになりました。瀬見井久教育長は、公教育の中立性を守り抜いたとも言えます。瀬見井久教育長は、『「犬山の教育」を「詰め込み教育をやめ、いじめや不登校の無い、人間性豊かな子供の成長を目指すことをモットーに、少人数学級、30人を実現し、犬山市費による教員増で丁寧な授業を実施。独自の副読本も作成した。授業の内容を理解出来ない子供を級友がサポートする小グループ学習にも力を入れている。全国の教育委員会からの視察は年間100以上だ。」と紹介している。』毎日新聞。犬山市教育委員会は、子供の主体性を生かした独自の教育改革を実行し、注目を集めた。子供達の学習成果や学力の向上は、「一朝一夕」には身に付くものでは有りません。犬山市の子供達の基礎学力は、高校生になったこれから花が開くのではないでしょうか。犬山市瀬見井久教育長は、任期1年を残して退任されましたが。犬山市の小学校の6年間、中学校3年間で学んだ子供達の真の基礎学力が、これから発揮されるのではないでしょうか。諺に「桃栗3年、柿8年」と言います。子供達に学ぶ大切さ意義を残されたのではと思います。大輪の花が咲く、財産を残されたのではと思います。
すぐに子供達の試験の点数が目に見えて上がらない教育方法は、駄目と決め付けるのは早計過ぎます。今問題になっている学力格差の是正は、今日や明日に解決出来る教育的課題では無いと思います。
基礎学力を身に付けるには、短期間では身に付かないと思います。
結果を急ぎ過ぎては、本当の学力は子供達に身に付かないと思います。
犬山市の市長が、田中志典市長に交代し、犬山市教育委員の改選などを経て、全国学力テストに今回から参加することになりました。教育評論家の尾木直樹法政大教授は、「教育長側の説明不足、新市長側の教育委員の多数派工作など、双方の問題点を指摘し「学力テストの内容や、参加した後の犬山の教育の在り方などについて、民主的に議論した結果ではないことが残念だ。」とコメントしていますが。」毎日新聞』犬山市の教育現場では先生方や小中学校の校長会の学力テスト不参加と言う意見も強く、保護者からは学力テストに参加したい声も有ったと言われています。 本当に現行の全国学力テストで子供達の学力が、本当に計れるかどうかは問題です。
2009年4月20日・日曜日版、朝日新聞の社会面で『「学力競争ゴング鳴る」の記事は、4月21日に実施される文部科学省の全国学力調査を取り上げている。初めて、すべての国公立校で実施されることになる3回目の学力テスト(対象は小6、中3)。この記事では大分県教育委員会の取り組みを取り上げながら、教育現場で学力競争が始まっていることを伝えている。 大分県教育委員会は、学力調査の結果を市町村が自ら公表し、学力向上推進計画を提出すれば、定数より多い教員の配置、加配を認めていると言う。現場の教師の「点数がすべてなので息苦しく、学校がおかしくなっている。」との意見も有る。』が、今後の全国学力テスト実施は、予算削減の為に抽出性に改めると文部科学省は言っていますが。今後どのようにすれば良いか皆で良く考えるべきだと思います。