10月14日11時55分配信 産経新聞
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殺菌作用の強いせっけんでの洗いすぎは厳禁。敏感肌用のせっけんとの併用が望ましいという(写真:産経新聞) |
◆強いせっけんで… 「昨年まではもともとアトピーなどで皮膚が弱い人や、美容師など手を過度に使う職業の人が診察に来ることがほとんどだった。今年はそうではない一般の方が手荒れになって診察を受けることが増えています」 横浜市神奈川区の野村皮膚科医院の野村有子院長はそう語る。病院には1日150~200人ほどの患者がある。これまで一般の人で手荒れだけを訴えるのは数人程度だったが、9月に入ってからは2ケタを超えているという。 特に目立つのがOLや子供。診察時に話を聞くと、ほとんどが殺菌作用が強いせっけんや、消毒のためのアルコールを使いすぎたケース。しかも患者本人は洗いすぎであることを意識していない。新型インフルエンザ予防のため職場や学校で手洗いが推奨され、無意識のうちに手を殺菌作用の強いせっけんで洗いすぎたり、アルコールで何度も消毒したりしていることが原因とみられている。今後、冬に向かって空気が乾燥するため、さらに手荒れに注意する必要がある。野村院長は「手を洗うことは大事だけれど、正しい手洗いをしてほしい」と呼びかける。 ◆タワシ・高温は厳禁 では、間違った手洗いとはどんなものなのか。毎回殺菌作用の強いせっけんで洗うことのほか、タワシで洗うこと、また高温のお湯で洗うことも厳禁という。手荒れを防ぐため、野村院長は2種類の手洗いを推奨する。外出先から自宅や職場に戻った際は色々なものに触り、ウイルスが手についた可能性があるため、殺菌作用のあるせっけんで念入りに洗う。トイレや食事の前は水で流すだけか、敏感肌用のせっけんを使用する程度にとどめる。職場や学校では難しいが、自宅には殺菌作用のあるせっけんと敏感肌用のせっけんの2つを常備するようすすめる。 温風で手を乾かすハンドドライヤーは、水分を飛ばした後も使用していると手荒れの元になり、注意が必要だ。薄手のハンカチはすぐにびしょびしょになるため、ハンドタオルを手洗い用に持ち歩く。少し肌が弱い人、職場でアルコールによる殺菌などをせざるを得ない場合は、ハンドクリームで手のケアをするといいという。 野村院長は「2種類の手洗いをしてハンドクリームでケアをすれば、ほとんどの人はトラブルにならないはず」と話す。ただ、手荒れが進んだ場合はすぐに皮膚科を受診することが望ましい。「かゆくて夜寝ている間に無意識で手をかいたり、痛くて血が出たりした際はすぐに診察を受けてほしい」と呼びかけている。』産経新聞