2012年1月23日 (月)
事業仕分けが仕分け
政府は政権交代の目玉だった「行政刷新会議」を廃止し、
さらに大人気だった「事業仕分け」もやめるようです。
2年間の「事業仕分け」の成果を否定するような決定です。
蓮舫大臣と同時に「事業仕分け」が仕分けられました。
新しく「行政構造改革実行本部」(仮称)を立ち上げるそうです。
またしても組織いじりからスタートするようです。
民主党政権は、2年間で歳出削減ではほとんど成果は出せず、
強引に歳入を増やす(=増税する)ことに全力を傾けつつあります。
正直言って「議員歳費のカット」や「議員定数の削減」では、
財源はほとんど出ません。議員の「心がけ」を示すのみです。
歳出削減の本丸は、公務員給与のカットや特別会計や独法改革、
それから社会保障費の抑制という不人気な政策です。
増税だけでは、増え続ける社会保障費はまかなえません。
小泉政権の時にやったように、社会保障費の抑制は不可避です。
ゼネリック医薬品の使用等の効率化で抑制するのがベストですが、
高所得の高齢者に負担増をお願いするといったことも必要です。
増税にしても、歳出削減にしても、改革に痛みを伴います。
その時に官の肥大化や既得権の維持につながりやすのは、
増税の方なので、歳出削減を中心にすべきです。
先日ニュース番組を見ていたら、イギリスの財務大臣が出ていて、
財政再建を進めるのに「歳出削減8割、増税2割」という割合で、
改革を進めているといった趣旨のことをおっしゃっていました。
日本では財務省を中心に「まずは増税」という声が強いですが、
イギリスを見ならい「まずは歳出削減」を目指すのが筋です。
独立行政法人の元職員の私から見ても、歳出削減の余地はあります。
まだまだ無駄遣いの見直し、効率化は不徹底です。
歳出削減なくして増税なし、というのをルールにすべきです。
2012年1月22日 (日)
やっちまった感
今日はNHK「日曜討論」に久々に出ました。
またしても「やっちまった・・・」という感じです。
テレビの討論番組は、何度出ても難しいです。
今日の反省は持ち時間を活かせなかったことと、
途中から集中力が切れ気味だったことです。
NHK「日曜討論」に出る前にはけっこう勉強します。
昨年の臨時国会以来の新聞の主要記事を読み返し、
想定問答を自分なりに作って、生放送に臨みます。
ある意味で準備をがんばりすぎて、簡潔に答え過ぎて、
インパクトのない発言になっているのかもしれません。
持ち時間1分なのに、30秒くらいで終わりがちです。
結論をはじめに言い、その後より詳しい説明をすれば、
いくらでも答弁を長くすることはできるのですが、
私は説明が短くて、短い回答で終わってしまいます。
1時間の生放送ですが、どんな聞かれ方をするかわからず、
いつも緊張していなければならないので、疲れます。
40分を過ぎあたりから、緊張感が途切れがちになります。
終わったときは、精神的にも肉体的にもぐったりです。
何度やっても討論番組は難しいです。
努力はしているものの、努力が空回りしがちです。
まだまだ修行が足りないということを再認識しました。
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<script src="http://analytics.cocolog-nifty.com/entry_ax.js" type="text/javascript"></script>2012年1月20日 (金)
民主党の強硬姿勢の背景
昨日行われた与野党幹事長会談では民主党は強硬でした。
野党としては、受け入れがたい提案をいくつか出して、
突っぱねられる形を狙っていたように感じます。
議員定数の削減では「比例80減、小選挙区5減」を提案し、
野党側からは一斉に反発・批判を浴びていました。
これでは小選挙区制の色が濃くなり、その弊害が強まります。
みんなの党は、衆議院480議席を300議席に削減した上で、
一票の格差を実質ゼロにする「一人一票比例代表制」を提案し、
各党に協力を呼び掛けているところです。
言い換えると、「定数削減」に反対しているわけではなくて、
「比例区だけの大幅削減」に反対しているわけです。
しかし、報道では「民主党の議員定数85減の提案に対し、
野党が反対している」という印象になってしまいます。
テレビのニュースだけ見れば、そんな印象を受けます。
また「税と社会保障の一体改革」の与野党協議に関しても、
民主党が国会外での与野党協議を呼びかけたのに対して、
野党側は国会内での正式な委員会審議を主張しています。
みんなの党としても、密室談合的な非公式の与野党協議よりも
国会の委員会でオープンに議論すべきと言っているだけです。
それなのに「与野党協議の提案を野党が蹴った」という体裁を作り、
野党側の非協力的な姿勢を批判したいのでしょう。
民主党政権は原理主義者の岡田副総理を突破口として、
野党側が受け入れられない提案を連発して国会で激突し、
そのまま解散・総選挙になだれ込もうという戦略でしょう。
民主党は、選挙向けに次のような主張をしたいのでしょう。
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民主党は、野党に税と社会保障の一体改革で協力を呼びかけ、
議員定数削減や公務員給与削減に向けて努力していた。
しかし、野党側の反対でつぶされてしまった。
民主党は、政治家や官僚の身を削る改革をしたかったのに、
野党が反対したので実現できなかった。
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こうして野党側を悪者にし、消費税増税という改革を実現するため
解散総選挙に突き進む、というシナリオができているのでしょう。
そしてこの戦略は、一定の成果をあげる可能性が高いです。
消費税増税については、世論の一定の割合(4~5割?)が支持し、
断固とした姿勢で増税をアピールすれば、一定の票は取れるでしょう。
そうすれば民主党が大負けすることは防げるかもしれません。
うまく行けば、民主党政権を維持できるかもしれません。
ある意味でよく練られた戦略だと思います。
だれがシナリオを描いているのかわかりませんが、
おそらく相当な知恵者がいるのでしょう。
財務省の知恵者が、戦略を描いているのかも・・・
引用元http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog