だから、不吉なことや最悪な事態を想定して、物事を考えたり、議論したりしたがらない。いわゆる「リスクマネジメント(危機管理)」は、不得手である。この性癖が、モロに最悪の災いを招いたのが、原発安全神話だった。
福島第1原発の大事故で、原発安全神話は、あっという間にどこかへ吹き飛んだと思いきや、不吉な言葉を嫌う性癖は依然として変わる気配はない。それどころか、ますますひどくなってきている感がある。
山岡賢次国家公安委員長(消費者問題担当相)が、お目出度い新年早々「破綻」とか「大津波」とか不吉な言葉を年頭の訓示で連発したというので顰蹙を買い、マスメディアからも「失言だ」として批判を受けた。
産経新聞msn産経ニュースが1月5日午後5時35分、「『ユーロは破綻する』『金融・経済の大津波』山岡氏、失言連発」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「山岡賢次国家公安委員長・消費者問題担当相は5日、内閣府職員への年頭の訓示式で『ユーロは破綻するんじゃないかと内心思っている。そうなると中国のバブルも破裂する可能性がある』と述べた。欧州債務危機の拡大で単一通貨ユーロ圏が崩壊する可能性を指摘したとみられるが、日本を含む関係諸国が危機回避に取り組む中、不適切な発言との批判は免れない。野田佳彦首相は参院で問責を受けた山岡氏をなお擁護しているが、適格性に改めて疑問符がつき、1月下旬召集の通常国会を前に更迭は避けられそうにない。山岡氏はさらに『金融・経済の大津波がやってくる』などと金融・経済危機を3度も『津波』にたとえた。それらの危機に備える際、『政治の混乱が一番良くない』と問責を受けたことを人ごとのように表現した上で、『(危機に)対処できる政治体制を与野党問わず整えていかなければいけない。危機感を強く持っている』と続投に意欲を表明した。『今年も良い年でありますよう改めてお願い申し上げる』と締めくくったが、『今年も良い年』との認識も東日本大震災の被災者への配慮に欠けていると受け取られかねない。訓示式には山岡氏のほか、藤村修官房長官ら6閣僚が参加した」
マスメディアが、批判したことを受けて、藤村修官房長官が「適切ではなかった」と批判し、山岡賢次国家公安委員長は、この後、「誤解与えたなら撤回もやぶさかではない」と発言したという。
◆しかし、学校の卒業式など、校長やPTA会長などの来賓が卒業生を社会に送り出す挨拶をするとき、人生の行く手から襲ってくる様々な困難を「大きな荒波」などと「海」や「波」を比喩として使うのは当たり前になっている。これに「大津波」を用いたからと言って何が悪いのか、理解に苦しむ。ましてや今年予想されている「欧州の金融危機」なかでもイタリアが国債のデフォルトが取りざたされ直撃する危険があるというのは、ある意味で日本国民の間で常識になっている。それを指摘して、緊張感を持って政治を行わなくてはならないというのも、これまた当たり前のことだ。これが悪いという感覚こそ、緊張感を欠く姿勢として咎められるべきである。マスメディアの「言葉狩り」報道は、いまや異常である。
◆振り返ってみると、鉢呂吉雄経済産業相が2011年9月9日、前日の8日に野田佳彦首相らと視察に訪れた福島県の東京電力福島第1原子力発電所の周辺市町村について、「市街地は人っ子一人いない、まさに死の街という形だった」と発言し、野党自民党やマスメディアなどから厳しい批判を受けた。このため、直ちに発言を撤回し陳謝した。
毎日新聞社は、8日夜、夜回りにきていた毎日新聞社記者に、防災服の袖を擦りつけ「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言をしたと報じた。NHKによれば、「放射性物質がうつった」などという趣旨の発言について鉢呂吉雄経済産業相は、周辺に対し「厳しい福島原発の現状と作業員の懸命な努力の様子を、記者団と共有したいという思いだった」と釈明したという。
しかし、鉢呂吉雄経済産業相は9月10日に東日本大震災に関連する自らの発言の責任を取り、経済産業大を辞職する意思を固め、野田佳彦首相に辞表を提出し、直ちに受理され、9月11日付で辞任は了承された。臨時代理には官房長官藤村修が充てられ、枝野幸男が翌12日、後任に任命された。
福島第1原発の周辺市町村が、「市街地は人っ子一人いない、まさに死の街という形だった」というのは、だれの目でみても、紛れもない「ゴーストタウン」という事実である。それを直視した言葉を忌み嫌い、避難住民に帰宅できる当てのない希望を抱かせ続ける。こんな残酷なことはない。大本営発表の宣伝記事ばかり垂れ流して、常に無責任なマスメメディアの罪は計り知れない。
本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
米国カート・キャンベル国務次官補が前原誠司政調会長と会談したのは、「二重スパイ疑惑」払拭の証しなのか
◆〔特別情報①〕
来日中の米国カート・キャンベル国務次官補が1月6日、民主党の前原誠司政調会長と国会内で会談した。2人は、固い握手を交わし、その新密度をアピールしていた。前原誠司政調会長は、昨年春ごろ、「米CIAと北朝鮮の二重スパイではないか」と疑惑をもたれて、バイデン副大統領やヒラリー・クリントン国務長官から遠避けられていた。
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- 2012年01月08日
オリンパス問題は1月28日に予定している植草一秀氏との対談
で徹底的に論じてもらうつもりだが、果たしてその時までにオリンパス
の上場維持は最終決定されているのだろうか。
1月8日の読売新聞は東京証券取引所がオリンパスを上場維持する
方向で調整に入ったというスクープ記事を掲載した。
その判断の根拠は「上場廃止になれば、現在の株主が過大な責任を
負う」(東証幹部)からであるという。
上場契約違反金1000万円の支払いと引き換えに上場維持を認める
という。
こんな事が許されていいのだろうか。
この読売新聞の記事を見てオリンパスの株価は急騰するだろう。
オリンパスの損失隠しが元社長の告発で発覚したのは昨年10月
だった。
その直後の急落した株価はその後思惑が交錯して乱高下を繰り返した。
それを許したのが政府、東証だ。
粉飾決算は市場を裏切る重大な経済犯罪である。
あのエンロンでさえ潰れた。
ライブドアはあっさり潰された。
こんどのオリンパスのいわゆる「飛ばし」と呼ばれる損失隠しは
組織的であり悪質であるとさんざん報じられている。
とうの昔に上場廃止が決定されていてもおかしくなかったにも
かかわらず、この3ヶ月ほどの間、オリンパスの帰趨が不透明なままに
憶測が乱れ飛んだ。
そして今回の読売新聞のスクープ記事だ。
私はこの不透明さの中にこそ、この国の「法の支配」についての
後進性があると思う。
経済権力犯罪の臭いを嗅ぎ取る。
なぜオリンパス問題の真相解明と株式乱高下に政府は迅速、直接に
関与して公正を期そうとしなかったのか。
オリンパス上場廃止という大きな決定を東証に一任していいのか。
財務官僚の天下り先である東証が政府の了解なく勝手に上場廃止
の判断ができるとでもいうのか。
あたかも通産官僚のインサイダー取引疑惑が報じられているが、これ
は氷山の一角であり一罰百戒ではないのか。
国家権力自体が巨大なインサイダーの集まりではないのか。
権力の近くにいる一部の国民と、権力の外に置かれている大多数の
国民との間に大きな格差があるのではないか。
それはそのままこの国の格差問題である。
了
「天木直人のメールマガジン」は反権力、平和外交、対米自立、判官びいき
の立場からメディアが報じない真実を追及して、2012年も読者とともに新しい
ネットメディアづくりを目指します。
きょうの「天木直人のメールマガジン」ではその他にも次のテーマで書いています。
1.日経新聞のインタビューにも劣る玄葉外相とトルコ外相との会談
2. 借金をして戦闘機購入や海外援助を続けてみろ
なお1月28日のメールマガジンで、経済評論家の植草一秀氏との 対談形式で、
今年の経済・政治の見通しを一刀両断するリアルタイムの動画を 配信する予定
です。ご期待下さい。
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非常時の避難路か、それとも給湯管を通すスペースか――。大分県別府市の中心部で謎の地下トンネルが見つかった。
終戦後、周辺一帯は進駐軍に接収され、11年にわたって駐屯地になっていた。何に使われたのか不明だが、進駐軍の手で掘られた可能性が高く、市教育委員会は文化的価値などの調査を検討している。 地下トンネルが見つかったのは、野口原地区の市立別府商業高校と、西に約1キロ離れた鶴見園町の住宅街の2か所。 市教委によると、別府商高では、敷地内の通路にある鉄製の蓋(縦、横とも約80センチ)を開け、トンネル側面に金属棒を打ち込んだはしご状の足場を伝って地下に下りられる。 トンネルの断面は高さ約1メートル、幅約2メートルの長方形。天井と床はコンクリートで固められ、両側面は石垣が組まれていた。蓋の位置から南、北、東の3方向にそれぞれ約50メートル延びて行き止まりになっており、道路工事などのためにふさがれたとみられるという。 鶴見園町の住宅街でも同様な構造で、東西方向に「へ」の字形に延び、枝分かれした部分も含め総延長約400メートル分が確認された。住宅の基礎部分などで寸断されていた。 終戦翌年の1946年から57年まで進駐軍が周辺の44ヘクタールを駐屯地(通称キャンプ・チッカマウガ)として接収しており、今回見つかったトンネルはいずれも当時点在していた将校宿舎の地下を走っているという。 トンネルの発見者は、現代美術作家の山田健二さん(28)(東京都杉並区)。東日本大震災後、別府市に一時滞在していた際に「市中心部に地下トンネルが張り巡らされている」とのトンネル伝説を耳にし、住民から聞き取りを続けた結果、昨年5月、鶴見園町の住宅街で入り口を見つけた。 ほかにもないか捜し、別府商高でも地下に通じる蓋を発見した。(2012年1月8日09時18分 読売新聞)
別府市教育委員会は文化的価値で調査と言うよりも戦争の残した遺跡では有りませんか。旧日本陸軍の本土決戦に備えた地下トンネルかも分りません。朝鮮戦争時の避難用地下トンネルとも考えられますが。その当時の事情を良く知る人に聞き取り調査を行い実態調査する必要があるのではないでしょうか。
読売新聞 1月8日(日)8時49分配信 札幌市東区の古書店で2009年10月、本棚が倒れて同区の小学5年の女児が意識不明の重体になった事故で、北海道警は週内にも、同店の男性店長(48)と男性経営者(41)を業務上過失傷害容疑で札幌地検に書類送検する方針を固めた。 店側が本棚を天井などに金具で固定せず、重量制限を大幅に超える5トン近い約2万冊の本などを陳列していたことが原因と判断した。 事故は09年10月13日、古書店「デイリーブックス」店内で、3列に並べられた本棚(高さ約2メートル10、奥行き約30センチ)が倒れ、当時小学5年の鈴木愛菜(あいな)さんが本棚の間に挟まれ、意識不明の重体となった。当時中学生の姉ら2人も軽傷を負った。愛菜さんは2年以上たった今も意識が戻っていない。 』
札幌市東区のこの古書店主で、店の本棚が倒れて事故が起こると予見出来なかったのでしょうか。東日本大震災のような大地震が、札幌市で絶対起きないと言い切れますか。お客の立場を古書店側も考えるべきでしたね。原子力発電所の安全神話を信じ切る人達と言い、事故の危険性を楽観的に考え無い日本人の体質と危うさや備えの無さを感じた事件です。