JAS法など適用外
ホテルのレストランなどでメニューの偽装表示が相次ぎ、外食メニューに明確な基準がない点が問題になっている。
食材には定義がわかりにくいものがあり、消費者も戸惑う。メニュー表示のあり方や問題点をQ&Aにまとめた。
Q 外食のメニュー表示には、なぜ明確な基準やルールがないのか。
A 日本農林規格(JAS)法は、食材や加工食品の規格・表示基準を定めているが、対象は、主に容器包装された状態で小売りされているもの。レストランなどのメニューや料理には適用されない。
消費者庁によると、対面販売なので、消費者の求めに応じて従業員らが原材料などを説明できるからだという。また、同じメニューでも、仕入れの日により、原材料が頻繁に変わることから、それを表示することが難しいことも理由に挙げる。
現在、外食のメニューを対象にした特別の法律はない。外食事業者を対象にした、原産地表示に関する手引はあるが、基本的には、事業者の裁量に委ねられている。
Q 分かりにくいメニューも問題になっている。
A 例えばフレッシュジュース。JAS法では、加工したジュースに「生」「フレッシュ」など新鮮であることを示す文言を用いることを禁じている。
Q 冷凍保存の魚を解凍し、「鮮魚のムニエル」として出していたケースはどうか。
A 鮮魚は一般的には「いきのよい魚」という意味だが、JAS法などには明確な定義はない。外食メニューの「フレッシュ」や「鮮魚」も、事業者の判断で使われている。
Q 外食店の対応は。
A 6月に系列ホテルで誤表示が発覚したプリンスホテルは、「鮮魚とは、冷凍していない生きた魚」など、メニュー表示の独自の手引を作成した。農政ジャーナリストの中村靖彦さんは、「偽装の代償は大きい。今回の件を他山の石として、事業者はきちんとした対策をとるべきだ」と指摘する。
Q 消費者はどうしたらいいのか。
A 「不審な表示を見たら、店の責任者などに質問し、納得してから注文する。素材などについて、きちんと説明をしてくれる店を選びたい」と、消費者問題に詳しい日本女子大教授の細川幸一さんは話す。(竹之内知宣、斎藤圭史)
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食品宅配のカタログも同様
表示に、法律による明確な基準がないのは、食品宅配業者のカタログや注文書も同じだ。
大分県の女性会社員(38)は先月中旬、大手業者のカタログにあった「豚のヒレカツ」を注文した。
料理して食べたところ、軟らかさが気になった。豚肉を包装していた袋の表示を確認すると、欄外に「成型肉」と表記されていた。成型肉は、厚いブロック肉ではなく、様々な部位の切れ端肉に結着剤を混ぜるなどして固めたものだ。
女性は、「もし成型肉だと分かっていたら、購入をしなかった。成型肉であることを、きちんとカタログにも記載してほしい」と話す。
消費者庁によると、食品の宅配サービスでは、商品の包装に成型肉であることなどを表示する義務が生じる場合はある。しかし、カタログや注文書にまで表示する義務はないのが現状だ。
この宅配業者は、「法的には問題ないが、今後は分かりやすい表示を心掛けたい」としている。
(2013年11月9日 読売新聞)
上からの法的規制が無いので、何をしても罪にはならないしならないし、やりたい放題の日本のようです。
原価を安く叩き儲ける 。食の安全よりも金儲け第一主義での姿です。商いは信用、店の信用と伝統有る暖簾を守る大切さを蔑ろにし、原価を安く経費を節減してごまかして偽者を売り儲けたら良いと言う商いの道徳も忘れられ商人の道も守らない今の高級ホテルグールプや有名レストランを含む外食産業の今の実態です。人の口にするものを平気で誤魔化したり、安全性も確認せずに販売し儲けても子々孫々に罰が当たると昔の日本人は教えました。人に悪いものを食べさせて儲けたら、腑腐りで死ぬで!は、昔からの奈良県に伝わる教えです。日本のバブル経済崩壊後失われた二十年で失ったものは、お金と豊かな暮らしや精神的余裕以外、日本人としての人と人との信頼や真心も失い虚偽表示とごまかしばかりが罷り通っている日本です。善悪の判断も付かなくなり、反省も死語でモラルも有りません。人間として禅餡日本人としての良心の欠片もなくなったのでしょうか。日本のトレーサビリティ制度は、現実に生かされていないと言うことでは有りませんか。金さえ儲けたら勝ちの今の姿です。大人が、こんなごまかしや嘘の八ばかりのことをしいて日本の子供達は良い子に育ちますか。大人が悪い手本を長年していて少年犯罪も減りません。大人社会の投影です。正直者が馬鹿を見る美しい日本とは言えないと思います。商いは信用、暖簾は商人の命、人を欺いても平気の平左で大阪商人、浪速、なにわの商人(あきんど)の家訓や教えなどどこ吹くも風で、過去のものとなった情けない今日です。皆で赤信号渉れば怖くないでは有りませんか。皆来世因果応報で地獄行きです。中国のことを笑っていられない日本の食の安全性が世に問われている今の日本では有りませんか。消費者は、誰を信頼して良いのか分からない御時世と言うことです。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トレーサビリティ(英: traceability)は、物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態をいう。日本語では追跡可能性(ついせきかのうせい)とも言われる。
概況
20世紀末頃より、遺伝子組み換え作物の登場や、有機農産物の人気の高まり、食品アレルギーやBSE問題、偽装表示、産地偽装問題などの発生に伴って、食品の安全性や、消費者の選択権に対する関心が高まっており、特に食品分野でのトレーサビリティが注目されている。
日本ではBSE問題から牛肉に、事故米穀問題から米・米加工品にトレーサビリティが義務化された。しかし、事故麦問題が起きている麦に対してはまだ義務化されていない。
日本では消費者や量販店のメリットが注目を集めるが、EUでは食の安全を築くために必要なシステムとして、販売業者だけではなく生産者や輸送業者など、流通全体を含めた社会的システムとして考えられている。(→参考:Traceability(英語))。
システム
トレーサビリティとは、対象とする物品(とその部品や原材料)の流通履歴を確認できることである。
トレーサビリティには、トレースバックと、トレースフォワードがある。前者は物品の流通履歴の時系列にさかのぼって記録をたどる方向で、後者は時間経過に沿っていく方向である。
- 対象とする物品に対して関心を示した人間(代表例は消費者)が、その物品の履歴をさかのぼって、物品の生産履歴を見ることは、トレーサビリティ(トレースバック)によってもたらされる。
- 対象とする物品に問題が発見された時、その物品が販売された特定顧客に対してピンポイントで商品の回収を行うことは、トレーサビリティ(トレースフォワード)によってもたらされる。
トレーサビリティは、対象となる物品を、観測しうる物理量によって定量的に記述された記録によって構築される。物理量とは、時刻、重量、名称、物品に添付意された記号(バーコードなど)等々によって記述される。
物理量の計測結果が一定でなかったり、添付された記号などが故意・過失によって紛失等することは、物流におけるトレーサビリティの避けて通れない点である。したがって、トレーサビリティを構築する人間のモラルが、トレーサビリティの信頼の根源である。
観察可能な情報
日本語で単に「トレーサビリティ」という場合には、一般に工業製品や食料品など、市場を流通する様々な商品に関連して、これら物品が遣り取りされ、最終的に販売されるところまでなどを指す傾向が強い。この場合では、農業や漁業といった食品産業における第一次産業や製造業など第二次産業から商業活動など第三次産業までにおけるトレーサビリティに限定されている。また、物理量の記述の蓄積がトレーサビリティの構築の必要要件であるため、無形財を対象としたトレーサビリティは不可能である。
たとえば食品として流通する大根を考えた場合、この大根に関する観測可能な現象は、時間的な範囲では種子の選定から大根の成長、取り入れと出荷、消費もしくは廃棄されるまでであるが、対象範囲の空間は畑から消費した個人やゴミ箱(さらには公的焼却炉など)までなる。厳密には、種苗企業やそれ以前の採種段階などの種の流通経路も含まれる。この情報に誰が関心を持つかによっても違ってくるが、情報を提供する手段や経路の選択も必要で、例えば農業協同組合などが統括している場合においては、生産者側であれば問い合わせにデータシートの形で提供することも可能であろうし、流通業者であればオンラインシステムで接続してデータベースの形で利用させ、末端の消費者であればインターネット上のウェブサイトなどより情報提供を行うことが想定できる。
リサイクル家電
リサイクルの進展に伴い、家電製品や自動車などのリサイクル資源の処理についてもトレーサビリティが求められており、日本では消費者がリサイクル費用を負担する家電製品(2005年時点ではテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン)では、処理について確認することが可能となっている。
宅配便
なお、宅配便等のサービスでは、発送元から到着先までが一対一であるため、追跡性が極めて高い。全ての貨物情報がオンライン処理されている現代にあっては、発送側や到着先が、荷物の受付伝票に記載された番号によって、今何処の集荷場を通過しているかを、インターネットの運送業者のウェブサイト上において、リアルタイムで確認する事が可能となっている。特にこれらは通信販売業者等が、商品発送の際に、顧客に伝票番号を通知・顧客側で荷物の到着過程を確認できるといった利用法にも用いられ、宅配便を使った円滑な商取引に活用されている。
ICタグ
日本では、完全なトレーサビリティ実現の手段として、ICタグが経済産業省を中心とした官民合同で研究開発段階にある。また食品(特に牛肉・鶏卵等)は、農林水産省がトレーサビリティ普及に向けた活動を行っている。実際の普及までのハードルには、主にコスト面での課題に因る所が大きいが、ICタグを利用したトレーサビリティに関しては、社会的に浸透すれば一つ数円台にまで価格は低下すると見られている。
ロット管理との関係
日本では、様々な下請工場を経て生産される工業製品の多くは、古くは管理番号と台帳・近年ではバーコードを印刷したシールを通箱に添付して要所要所でチェックする事で、ロット毎の品質管理を行う様式が発達している。これらは、様々な粗製品や半製品(仕掛品)の品質不良が判明した場合、いち早く該当する部品を使用した製品の所在を明らかにすることが可能で、日本製品の品質向上に大きく貢献しており、世界的にも同様の製造手法が導入されている。
しかし、様々な部品が集約されて一つの製品となる工業製品とは逆に、末端に行くほど細分化されて流通する食料品の場合は、パック詰め状態にまで追跡すると、人的にも設備的にも膨大なコストを発生させる事から、なかなか進まない問題があった。一方では、年々高まる消費者の食物に対する関心により、生産者側から一方的に供給されるスタイルから、消費者が生産者によって購入するかどうかを選ぶスタイルも生まれて来た。特に海外からの輸入食料では、ポストハーベスト農薬等による、食の安全性という問題もあり、食品の流通にまで消費者が関心を寄せる傾向は1980年代より急速に高まっており、更に各種食品問題によってトレーサビリティの重要度は、多方面で認識され始めている。
BSE問題とトレーサビリティ
米国では2003年末に発生した乳牛のBSE(狂牛病)問題により、2005年現在でも日本を始めとする各国から牛肉の禁輸措置を受けているが(日本については2005年12月に条件付で禁輸解除→ウィキニュースされたものの、危険部位が除去されていなかったことが発覚し、再び輸入停止)、同国内のトレーサビリティが不完全であった事が、同問題を長引かせる要因として挙げられる。
この問題では、異常プリオン汚染飼料を与えられた事が疑われる牛・80頭がカナダのアルバータ州から米国内に入った後、28頭の行方までは189飼育施設の調査で判明したが、残り52頭は「調査不能」となっており、既に食肉として市場に出回ったり、肉骨粉として再利用された可能性も挙げられている。
1990年代のイギリスBSE問題では、感染の可能性が疑われる牛425万頭が2000年に殺処分され、これら牛の飼育コストの補償や処分コストにより、莫大な損害を発生させているが、それでも酪農製品輸出の完全な禁止状態に比べれば、必ずしも不利益となり得ない背景がある訳だが、トレーサビリティが充実すれば、これらの損害を最小限に抑えられると考えられている。
日本では、2004年12月から、「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」(牛肉トレーサビリティ法)の施行により、国産牛肉については、牛の出生からと畜場(食肉処理場)で処理されて、牛肉に加工され、小売店頭に並ぶ一連の履歴を10桁の個体識別番号で管理し、取引のデータを記録することになった。→牛肉#牛肉の履歴表示について参照
EUの動向
TraceFishプロジェクト
BSEの経験より、畜産物だけではなく水産物の安全管理にもトレーサビリティの必要性を求めたEU政府は、「生活の質の向上と管理(Quality of life and management of living resources)」(project number QLK1-2000-00164)研究の一環として水産業の先進国であるノルウェーにTraceFishプロジェクトとして水産物トレーサビリティシステムの立案を委託した。
TraceFishプロジェクトは2000年末から2002年末までの活動成果として水産トレーサビリティに必要な記録項目CWA14659 Traceability of fishery products - Specification of the information to be recorded in farmed fish distribution chains CWA14660 Traceability of fishery products - Specification on the information to be recorded in captured fish distribution が制定され、電子データの構造としてTraceFishXMLSchemaを策定した。 TraceFishプロジェクトの成果はその後、EUのTraceプロジェクト(水産物を除く食品全般)とSEAFOODplus(水産物)に引継がれ、さらにこの2つのプロジェクトの成果を食品全般に対応可能なトレーサビリティに応用するTraceFoodプロジェクトの立ち上げが検討されている。
TraceFoodではトレーサビリティシステムの電子取引情報の規格としてTraceCore XML、トレーサビリティ導入運用のためのガイドラインとしてGTP(Good Traceability Practice)がプロジェクト終了の2009年を目標に検討されており、ユニークな取引コード体系として欧州のEANコード体系と米国のUCCコード体系を統一したGS1(Global Standard One)の導入が推奨されている。
法的規制
法律面では「一般食品法への規則(EC)No178/2002」が制定され、2005年1月1日からの試行を経て2007年1月1日から、EU域内25カ国の全ての食品企業は、入荷から出荷までの製造過程の記録を残すこと、「One step Up、One step Down」が義務付けられている。
関連項目[編集]
外部リンク
トレーサビリティを所管する公的機関を扱う。私企業については、宣伝的であり百科事典にそぐわないので、この場では扱わない。
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