日米とも警察改革不可欠<本澤二郎の「日本の風景」(4064)

<アメリカの黒人差別捜査の警察改革は日本でも優先課題>より、転載させて、頂きました。

 アメリカでは黒人男性を殺害した警察官を、司法は真っ当に殺人罪として有罪とした。市民の怒りのデモに軍配が上がった。次は政治による立法措置いかんである。日本はどうか。全ての政治がらみの犯罪は、警察機能が正常に作動しない。時には、他殺・殺人を自殺にしてしまう。典型が旧動燃の西村成生殺害事件である。

 

 日本も政治から自立・独立した、警察・検察の捜査に切り替える当たり前の時代を迎えている。課題は、言論界である。悪しき権力に迎合する新聞テレビから、ネット社会までが不正捜査に肝要すぎる。やくざ犯罪に対してさえも、蓋をしてしまう共犯者的言論人が、今もほとんどである。

 

 こうした悪しき風土は、議会でも存在している。脛に傷のある野党議員は、正論を、堂々と行動することに、恐怖を抱いて逃げている。日本こそ警察捜査・検察捜査に対して、公正・正義を担保する立法措置が不可欠である。それ以前に、言論界の勇気もこれまた不可欠である。アメリカの黒人差別捜査の乱用事件は、他山の石である。

 

<腐敗政権の指示に従うだけの警察官僚は人間失格の税金泥棒>

 不勉強なジャーナリストは、西村成生殺害事件について無関心を装っていたのだが、偶然のことから妻のトシ子さんが法廷闘争を続けていることを、支援する市民運動家に教えられた。

 

 blogに公表したところ、インターネット掲示板に誰かが転載してくれた。すると、そこに竹野内真理さんというフリーランスジャーナリストが、見事に当局による殺害を暴いていた。彼女は「なぜ刑事告訴しないのか」と怒り狂っているのである。NHKにも報道するように呼びかけたが、案の定、そのような事件報道は不可能だ、といってディレクターは逃げてしまったという。

 「NHKは潰す必要がある」と正論も吐いていた。日本の警察・検察の不正腐敗を薄々感じてはいたが、これも差別で、アメリカ以上に悪質と言わねばなるまい。言論界の覚醒が求められている。

 

<「木更津レイプ殺人事件」やくざ捜査から逃げる千葉県警と木更津署>

 筆者は2014年4月にやくざ浜名に殺害された「木更津レイプ殺人事件」の被害者の取材から、初めて日本のやくざの正体と向き合うことになった。同時に、日常的にやくざと連携するマル暴担当刑事の正体にも、関心を抱くようになってしまった。

 思うに1972年から自民党派閥取材20年、続く政治評論家業に明け暮れて過ごしてきたジャーナリストは、それまでやくざの存在について、まったくもって無関心のまま過ごしてきた。やくざが魅力的な女性をレイプした後、性奴隷として水商売を強要、そこからの収益で左うちわという、信じがたい悪行天国について気付くことがなかった。

 

 やくざのまま政界に飛び込んで、やくざのまま生涯を終えた浜田幸一を承知していたことから、彼の暴走はとことん叩いてきた。その際、彼の彼女の存在を知った時は、多少驚いたものである。「あんな男に彼女が」という衝撃であった。ことほどやくざに無関心を決め込んできた。

 

 「木更津レイプ殺人事件」を記事にすれば、即座に千葉県警・木更津署の捜査が始まると思い込んでいた。やむなく一度は、元法相秘書官に口利きしてもらって、木更津署刑事2課長が捜査を始めた。ところが、当方が留守をしている間に、彼は異動してしまった。

 

 要するに、警察は格好だけ見せて、やくざ捜査から逃げてしまう。その原因も分かってきた。彼女の3人の子供たちも、告訴するどころか、恐怖で逃げてしまっていたことも確認できた。

 

 2014年のこのころ、被害者は娘たちにタケノコを郵送するなど、子供への孝行に徹していた。例年通りならば、毎朝一緒にヨガをしていた、近くのYさん宅のブルーベリーも買って、最愛の息子と娘の家族に送る予定をしていたのだが。秋田県生まれの子供たちに、親孝行は無縁らしい。

 

 5月のゴールデンウイーク目前の房総半島は、深緑が目に染みる素晴らしい時期であるが、4月7日は次男、4月28日は戦争遺児の命日のため、心が晴れてくれない。ともに警察・検察の不正腐敗のお陰といっていい。

 

 以前執筆した「元警視総監・秦野章の日本警察改革論」(エール出版)では、ノンキャリが才能に恵まれていても、警察本部長になれないという不条理を強く指摘したものだが、やくざ捜査から逃げる警察のことを、キャリアの彼は知らなかった。政治の作用で、実に簡単に、捜査が捻じ曲げられるという事実に、気付かなかった情けない政治ジャーナリストだった。

 

<伊藤詩織さんレイプ事件の政治的処理は国際ニュース>  

 

 伊藤詩織さんレイプ事件の加害者・TBS強姦魔を救済した、これまた驚愕すべき重大事件は、被害者の勇気ある刑事告訴に感動した。TBS強姦魔の逮捕を止めた警視庁刑事部長の野蛮な犯罪的行動は、安倍犯罪内閣の1ページを飾った。安倍と菅の犯罪コンビに従う警察官僚の暴走は、元自民党の志賀節証言を想起させてくれる。それは警察官僚OBの亀井静香の本心からの指摘であるが、核心は「警察は男を女、女を男にすること以外は、何でもできる」のである。

 

 強姦魔をチャラにした中村格は、それによって警察庁次長へと大出世した。安倍・菅内閣では、悪事を働く官僚が大出世するのである。安倍・菅内閣の官邸警察官僚が、霞が関を自由自在に動かしている。山口敬之と中村格は、それゆえに超有名人になった。国際社会でも、である。

 

 しかし、伊藤詩織さんは断じて彼らを許さない。彼女を支援するジャーナリストは、内外に一杯いる。いずれ「木更津レイプ殺人事件」の被害者も、本名でもって、地獄からの戦いをするかもしれない。

 

<徳洲会医療事故死(清和会OBの身内)捜査を打ち切った千葉県警>

 人間には、善人と悪人がいるという。双方を兼ねている人物も少なくない。野望実現のために、時に善人に姿を変えたりするものも多い。何かがきっかけとなって、善人になりきれる者もいる。複雑な人間に呆れるばかりだが、心して善人として、特に言論人は、そうあらねばジャーナリスト失格である。

 

 その点、政治の世界に首を突っ込みながら、善を貫くことはなかなか容易なことではない。筆者は一人見つけた。平和軍縮派・戦闘的リベラリストの宇都宮徳馬である。金銭面で苦労しなかった、正真正銘の国際的政治家だった。彼に出会うことが出来た筆者は、幸運児というべきだろう。

 

 平和憲法が命じる国際協調主義を、堂々と実践した。中国の鄧小平と懇談するのを好んだ。理由は、お互い小柄だったため、気楽に対話できたという、他愛のない理由だった。

 彼に接近する記者や政治家は少なくなかったが、彼のような行動を取れる人物は、ついぞ現れなかった。彼は政治家でありながら、言論人だった。経営者としても立派だった。筆者は彼の驥尾に付して、言論戦を展開している。その勇気を、亡き息子と妻が支えてくれている。

 

 話は変わる。東芝病院で命を奪われた次男・正文に対する東芝の仕打ちに、遂にしびれを切らした父親は、週刊新潮に手記を載せた。この記事を読んだ元国土庁長官・中野四郎秘書官の中原善正は、必死で筆者の所在を探し出そうとした。ついで月刊誌「財界にっぽん」などでも、東芝の過ちを書き続けたことから、彼は新聞掲載の広告をみて、同誌編集部と連絡をとり、ようやくにして筆者を探し当て、連絡をくれた。彼は東京住まいのころ、よく尋ねてきた。

 

 医療事故が取り持つ不思議な縁である。彼は義弟の医療事故で、最高裁まで戦いの駒を進めたが、ヒラメ裁判長によって不当な判決に泣かされていた。正義が通用しない司法に衝撃を受けていた。病院に味方する裁判所の怒りを、常に爆発させていた。

 さらに今度は、彼にとって特別大事な身内を、千葉県四街道市の徳洲会病院で、これまた医療事故で奪われるという悲劇を受けた。同会のボス・徳田虎雄の特別顧問をしていながらの、徳洲会医療事故である。

 

 筆者と違って、彼は真っ先に司法解剖をしたのだが、千葉県警の捜査は期待外れに終わった。県警が一方的に電話一本で、捜査を打ち切ってきたのだ。一体全体何があったのか?当然、徳洲会は警察と千葉県に手を回していたはずである。

 果たせるかな徳洲会は、千葉県知事の選挙で、森田健作をテコ入れしていた事実をつかんだ。森田の意向が、県警に伝わったものだろう。徳洲会医療事故事件もまた、警察の不正腐敗を裏付けていた。

 

 警察の不甲斐ない実態は、わが息子と戦争遺児の事件とも共通していることが、見事に浮き彫りにされている。警察に本来求められている、正義・法治の観念が薄いことが分かる。熱血漢の異名をとる彼は、清和会秘書会を長くリードしてきた。安倍晋三などは、秘書会の片隅にいたため、彼の目に留まらなかったという。

 

 彼は二度、国政選挙に出たが、その都度、安倍晋太郎と加藤六月のコンビに横やりを入れられて、無念にも政界入りに失敗した。政治の怨念は、第三者の想定をはるかに超えている。

 

 時に個性的で誤解を受けることもあるようだが、永田町と霞が関に対する槍は、筆者より数倍大きく鋭い。自民党本部時代には、内調や公安と接触したことも、彼の無様すぎる警察の分析も参考になる。日本の警察改革は、アメリカに負けず劣らず喫緊の課題である。国家公安委員長・小此木八郎の対応も注視したい。

2021年4月24日記(東芝不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

 

(CNN) デレク・ショービン被告の有罪評決は、黒人男性ジョージ・フロイドさんの命が司法制度にとって真に大切であることを裁判の場で示した。

今、数多くの米国人が見守っているのは、まれにみる希望の瞬間に突き動かされた政界の指導者たちが、果たして同様に公正な判断を下すのかどうかだ。警察活動の改革と、制度的人種差別の根絶を通じて。

 

<マル暴4課改名騒動に詩織さんレイプ事件つぶしの中村格がまたまた登場>

ある警視庁幹部OBは、「中村さんが生き馬の目を抜くような警察官僚の世界で、順当に出世できたのは、まさに菅さんをはじめ官邸の後ろ盾があったから」と語り、今回の件についても苦笑いしながらこう感想を述べた。 「警察署がやっている強姦事件に、(警視庁)本部の刑事部長があそこまで露骨に乗り込んでくることは普通ではあり得ない。うまく官邸に恩を売ったなというのが正直な感想ですよ。今回の改名騒動で中村さんが暗躍していたとしても誰も驚きません」  来春に迫った組織改編と改名。その頃には中村氏は警察庁長官となっているはずだ。  マル暴刑事の総本山ともいえる警視庁4課の運命やいかに。 デイリー新潮取材班 2021年4月23日 掲載