“大阪級”コロナ感染爆発で全国新規1日1万5000人の衝撃試算
15日の東京の新型コロナウイルスの新規感染者数は729人。2月4日以来の700人超えだが、まだまだ序の口だ。変異株が主役の第4波は、第3波をはるかに超えるスケール。政府分科会の尾身会長は「東京も早晩、大阪のようになる可能性がある」と危機感を示したが、全国が“大阪化”したらどうなるのか――試算結果は衝撃だ。
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厚労省のアドバイザリーボードは14日、陽性者に占める変異株感染の割合について、すでに関西で8割以上、首都圏で5割を占めるとの分析結果を報告した。このままの感染状況が続けば、5月前半には首都圏、東海地方、沖縄などでも9割近くが変異株に置き換わると推計する。今の大阪以上に変異株が蔓延するのである。
15日も、大阪では1208人の感染者数を確認し、過去最多を更新。第3波ピーク時の654人(1月8日)から、すでに1.84倍のスケールだ。第3波のピーク時には、全国で7957人(1月8日)、東京は2520人(1月7日)が感染。単純に大阪の1.84倍をあてはめると、全国1万4640人、東京4636人に膨れ上がりかねない。
重症者数も深刻になりそうだ。大阪府の分析によると、陽性者が重症化する割合は、第3波(昨年10月10日~今年2月28日)は3.2%だったが、5日までに府で確認された変異株感染者に限ると4.7%と1.46倍に跳ね上がる。
この先、変異株が主流になればどうなるのか――。第3波の重症者数のピークは全国1043人(1月27日)、東京159人(同)、大阪187人(1月15日と18日)。第3波よりも感染者数が1.84倍増え、さらに、重症化率が1.46倍になると、重症者数は全国2801人、東京427人となる計算だ。
病床大幅不足で死者激増も
15日時点の大阪の重症者数は261人と、確保病床241床を大幅に上回る。
14日公表の府のシミュレーションだと、5月4日時点の重症者数は340人ないし427人。重症病床に入れない重症患者が100人以上あふれ返ると想定する。
15日時点の東京の重症者数は37人。重症者向け確保病床は332床だが、余裕はない。大阪はスタッフ確保が難航し、病床を増やせていない。東京でも変異株が9割を超えれば、大阪のような事態になりかねない。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「厚労省によると感染力の強い変異株が46都道府県で確認されています。東京でも2週間で9倍に増えている。変異株が先に流行した大阪で感染者の急増と医療崩壊を目のあたりにしている割には、国や都から危機感は感じられません。ズルズルと『まん延防止措置』を追加しても効果はない。1年前の緊急事態宣言の時のように、いったん人出が激減する状態をつくらないと収まらない。例えば、プロ野球や大相撲を中止するくらいインパクトのある強いアクションが必要です」
大阪のように各地で重症病床が不足すれば死者数も増えかねない。第3波では6272人が亡くなった。感染者数や重症化率が悪化すれば、第4波だけで死者1万人超も現実味を帯びる。
大阪の姿は対岸の火事ではない。