Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

1Q84

2010-01-06 | 読書
1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 2
やっとBOOK2を読み終わりました。

 僕は社会人になった頃から村上春樹を読み始めた。大学時代に「ノルウェイの森」が大ヒットしていて周囲の友人も読んでいた。でも根っから天の邪鬼なもんで、すぐに手を出そうとは思わなかった。社会人になって、何故だかふと「風の歌を聴け」が読みたくなり、発表順に読み始めて夢中になる。僕は村上春樹の小説にあるどことなくおセンチなムードに酔わされる感覚が好き。どこか世の中を冷めた一歩引いたところで眺めつつ、追求していくテーマはあくまで自分の”内側”にある。そして音楽や日常を独特のタッチで書くエッセイがこれまた好きだった。

 デビュー作である「風の歌を聴け」では、劇中登場人物の鼠が書く小説が出てくる。セックスシーンがなくて、人が死なない小説。主人公「僕」はそれを評価している。初期の村上作品はまさにそれだった。だが「ノルウェイの森」あたりからそれは変化を遂げていく。自己に対する愛だけでなく性愛についても描かれるようになってくる。そしてやたらと人が死ぬ話が多くなっていく。時代のせいかもしれないし、人を語る上で避けられないものだからかもしれない。

 長編「1Q84」は「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」や「ねじまき鳥クロニクル」「海辺のカフカ」などの長編と似通った構成をもっている。だがこれまでの小説とは違う。あくまでテーマが”自分探し”だったものが、「1Q84」では、常に行動を伴って外側に向かっていくところだ。そこには他人とのつながりが描かれている。主人公が常に孤独に自分の内なる不安と戦っていくお話とはそこが異なるのだ。物語はまだまだ謎が多いだけに、これから先が楽しみだ。

 ところで、小説の冒頭に出てくるヤナーチェックの「シンフォニエッタ」というクラシック曲。オープニングのファンファーレ部分。
Leoš Janáček, Sinfonietta

あれ?どっかで聴いたことがある・・・と思った。これだ。これだ。
EMERSON LAKE & PALMER (ELP) - Knife Edge


BOOK3が待ち遠しい。つーか、「これを肴に村上春樹ナイトをやろ?」って言ったら僕の周囲の人間は何人手を挙げてくれるのだろうか。

コメント (2)
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