◾️「マンハッタン殺人ミステリー/Manhattan Murder Mystery」(1993年・アメリカ)
監督=ウディ・アレン
主演=ウディ・アレン ダイアン・キートン アラン・アルダ アンジェリカ・ヒューストン
いゃぁー、面白かったし、何よりも繰り返し観たくなる楽しさ。ちょうどアレン先生がすったもんだがあって、ミア・ファローと破局した頃の作品。ミアが降板したので、かつてのパートナーであるダイアン・キートンが出演。でもね、このキャスティングは成功。
マンションの隣人である女性が死んだ。これを殺人だと疑念をもった妻ダイアン・キートンは、夫ウディの反対を押し切り、友人アラン・アルダの協力で素人探偵を始める。まさにヒッチコックの「裏窓」を彷彿とさせるストーリー。アラン・アルダの横恋慕とウディのジェラシーを絡めながら、物語は事件の核心へと迫っていく。
もし妻役がミア・ファローだったら、同じマンションの住民に疑惑を抱く姿に「ローズマリーの赤ちゃん」を重ねてしまって(笑)、情緒不安定な妻の妄想めいた話になっていたかもしれない。頼りないウディ・アレンの女性版な役柄を数多く演じてきただけに、似たもの夫婦が事件にあたふたしているコメディになっただろう。でも、ファッションや女性の生き方に主張があるダイアン・キートンが妻役だったことで、妻の暴走振りとそれに巻き込まれる夫の役柄が見事に生きている。ダイアン・キートンのファッションも見どころの一つで、「ネクタイは男っぽくなるから…」と二人の代表作「アニー・ホール」を茶化すような台詞も出てくる。二人の会話も自然なかけ合いだし、相変わらずの皮肉満載の台詞がなんとも粋なのだ。死んだはずの女性の死体を再び発見する場面では、「よく死ぬ女だな」とひと言。シリアスな場面なのに大爆笑ww
そして何よりも嬉しいのが、とにかく頼りない夫ウディ・アレンが決死の大活躍をするラスト。この展開、初期の共演作「スリーパー」を思わせる。映画ファンの心をくすぐるディープな仕掛けもある。保険金殺人の話であるクラシック映画「深夜の告白」(大傑作)が挿入されるのは、ストーリー上もなんとも意味深。クライマックスの映画館に追い詰められる場面では、鏡を使ったトリッキーでカッコいい撮影が緊張感を増してくれる。しかも上映されてる映画が同じく鏡を多用した場面が印象的なオーソン・ウェルズの秀作「上海からきた女」ってところがナイス。
サスペンスコメディとしても、マニアックな楽しみ方も両立してる見事な見事な映画。
マンションの隣人である女性が死んだ。これを殺人だと疑念をもった妻ダイアン・キートンは、夫ウディの反対を押し切り、友人アラン・アルダの協力で素人探偵を始める。まさにヒッチコックの「裏窓」を彷彿とさせるストーリー。アラン・アルダの横恋慕とウディのジェラシーを絡めながら、物語は事件の核心へと迫っていく。
もし妻役がミア・ファローだったら、同じマンションの住民に疑惑を抱く姿に「ローズマリーの赤ちゃん」を重ねてしまって(笑)、情緒不安定な妻の妄想めいた話になっていたかもしれない。頼りないウディ・アレンの女性版な役柄を数多く演じてきただけに、似たもの夫婦が事件にあたふたしているコメディになっただろう。でも、ファッションや女性の生き方に主張があるダイアン・キートンが妻役だったことで、妻の暴走振りとそれに巻き込まれる夫の役柄が見事に生きている。ダイアン・キートンのファッションも見どころの一つで、「ネクタイは男っぽくなるから…」と二人の代表作「アニー・ホール」を茶化すような台詞も出てくる。二人の会話も自然なかけ合いだし、相変わらずの皮肉満載の台詞がなんとも粋なのだ。死んだはずの女性の死体を再び発見する場面では、「よく死ぬ女だな」とひと言。シリアスな場面なのに大爆笑ww
そして何よりも嬉しいのが、とにかく頼りない夫ウディ・アレンが決死の大活躍をするラスト。この展開、初期の共演作「スリーパー」を思わせる。映画ファンの心をくすぐるディープな仕掛けもある。保険金殺人の話であるクラシック映画「深夜の告白」(大傑作)が挿入されるのは、ストーリー上もなんとも意味深。クライマックスの映画館に追い詰められる場面では、鏡を使ったトリッキーでカッコいい撮影が緊張感を増してくれる。しかも上映されてる映画が同じく鏡を多用した場面が印象的なオーソン・ウェルズの秀作「上海からきた女」ってところがナイス。
サスペンスコメディとしても、マニアックな楽しみ方も両立してる見事な見事な映画。