◼️「赤ちゃんはトップレディがお好き/Baby Boom」(1987年・アメリカ)
監督=チャールズ・シャイア
主演=ダイアン・キートン サム・シェパード ジェームズ・スペイダー ハロルド・ライミス
女性の社会進出が進みつつある1980年代。ダイアン・キートン演ずるヒロインは、男と対等に肩肘張って仕事に向き合ってきた。成果も認められて角部屋のオフィスに部下、ドライな関係の彼氏がいて不自由のない生活だった。そこに従姉妹が亡くなり、遺された赤ちゃんを育てることに。「成功するには何かを犠牲にしなくてはいけない」と言われた彼女は、仕事と子育てを両立させようと必死になる。
公開当時は大学生、クラシック映画好きだった頃だからかスルーしていた。今観るとあれこれ考えさせられる。ビジネスで認められる一方で、失われているものはないだろか。生きて行くのにはお金がいるけれど、リッチであることだけが幸せなのか。窓辺でロッキングチェアに座るラストシーンのヒロインを見ながら、とてもほっこりした気持ちになれたのは、今の年齢で観たからだろう。
ダイアン・キートンが着るスーツの肩の大きさ、エレクトリックピアノの美しい劇伴に、80年代の空気を感じる。音楽は「ロッキー」のビル・コンティだが、派手なブラス🎺の楽曲ではなく小洒落たアレンジが耳に残る。主題歌Everchanging Timesを歌うのは、マイケル・ジャクソンとのデュエット曲でも知られるサイーダ・ギャレット。デビッド・フォスターがプロデュースに加わっているようだ。エレピの音が気になったのはそのせいだったのか。
サム・シェパードやジェームズ・スペイダー、ハロルド・ライミスなど助演陣も芸達者ぞろい。医師サム・シェパードと初めて会う場面、勘違いでダイアン・キートンが本音をぶちまける様子が好き。
ビジネス復讐劇でもあるのだけれど、その痛快さよりもヒロインが自分を取り戻す姿こそが見るべきポイント。ダイアン・キートンって、それぞれの時代のカッコいい女性、それまで映画で描かれてこなかった生き方を演じてきた人だと思っている。「アニー・ホール」や「ミスター・グッドバーを探して」、「恋愛適齢期」「最高の人生のつくり方」などなど。本作はその80年代代表と言えるのかも。
公開当時は大学生、クラシック映画好きだった頃だからかスルーしていた。今観るとあれこれ考えさせられる。ビジネスで認められる一方で、失われているものはないだろか。生きて行くのにはお金がいるけれど、リッチであることだけが幸せなのか。窓辺でロッキングチェアに座るラストシーンのヒロインを見ながら、とてもほっこりした気持ちになれたのは、今の年齢で観たからだろう。
ダイアン・キートンが着るスーツの肩の大きさ、エレクトリックピアノの美しい劇伴に、80年代の空気を感じる。音楽は「ロッキー」のビル・コンティだが、派手なブラス🎺の楽曲ではなく小洒落たアレンジが耳に残る。主題歌Everchanging Timesを歌うのは、マイケル・ジャクソンとのデュエット曲でも知られるサイーダ・ギャレット。デビッド・フォスターがプロデュースに加わっているようだ。エレピの音が気になったのはそのせいだったのか。
サム・シェパードやジェームズ・スペイダー、ハロルド・ライミスなど助演陣も芸達者ぞろい。医師サム・シェパードと初めて会う場面、勘違いでダイアン・キートンが本音をぶちまける様子が好き。
ビジネス復讐劇でもあるのだけれど、その痛快さよりもヒロインが自分を取り戻す姿こそが見るべきポイント。ダイアン・キートンって、それぞれの時代のカッコいい女性、それまで映画で描かれてこなかった生き方を演じてきた人だと思っている。「アニー・ホール」や「ミスター・グッドバーを探して」、「恋愛適齢期」「最高の人生のつくり方」などなど。本作はその80年代代表と言えるのかも。