Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

劇場版 1000年女王

2024-10-30 | 映画(さ行)


◼️「劇場版 1000年女王」(1982年・日本)

監督=明比正行
声の出演=戸田恵子 潘恵子 永井一郎 野沢那智

松本零士の原作コミックは随分前に読んだが、話が理解できたという自信がない。テレビシリーズは、僕の地元では放送されなかったので見たことがない。壮大なスケール、歴史と絡めた設定は魅力的ではあるのだが、他の作品のように様々な世代に響く親しみやすさとは違う。

この劇場版はテレビシリーズの続きや再編集でもない新作。ラーメタル星が地球に衝突する!?という全地球的な危機が描かれる。しかしあまりにも危機の描写が限定的で、女王の方舟に乗せられた雨森教授ら地球人が事態をすんなり受け入れてしまうのも説得力が薄い。まぁただでさえ分かりにくい話を2時間の尺で収めるのだから無理もないとは思う。人間関係の深さを味わうには、本作の情報だけでは物足りない。

個人的に幸いだったのは、最近アニメ「メーテルレジェンド 交響詩宿命 第一楽章・第二楽章」を鑑賞していたこと。惑星ラーメタルが太陽に近づく期間がわずかしかない長大な楕円軌道であるという設定の予備知識があったので、助けになったかも。「銀河鉄道999」のスピンオフである「メーテルレジェンド」では生き延びるために機械の身体を持つ道を選んだラーメタル人。「1000年女王」では束の間の春を待つための長期人口冬眠と、生き延びる為の地球侵略を目論む者として描かれる。そんな違いはあるけれど。

クライマックスの攻防戦はなかなか見応えはある。博物館に展示されていたクラシックな兵器で戦う地球人。さっきまで地球人を見下して猿呼ばわりしていたラーメタル人が、「想像を超えた反撃」などと慌てるのはおかしいけれど、エネルギー弾でなく物理的な兵器で反撃した「ヤマトよ永遠に」(オリジナル)の例もあることだし、よしといたしませう。ヒロイン雪野弥生(プロメシューム2世)を演ずるのは潘恵子。松本零士作品と縁のある声優陣が多数出演してしている。

特筆すべきは音楽。シンセサイザー奏者の喜多郎が映画音楽を手がけた貴重な作品。エンディングで流れる主題歌Angel Queen(星空のエンジェルクィーン)を歌うのは、ニール・セダカの娘デラ・セダカ。これは隠れた名曲だ。個人的な話だが、高校時代に吹奏楽で演奏したこともある。デビッド・フォスターがプロデュースに参加しており、哀愁漂うメロディとデラ嬢のまっすぐな歌声に、AORぽい男声コーラスがからむアレンジが素晴らしい。2010年代に初CD化されてコンピレーションアルバムに収録された際に、速攻で買ったお気に入りの曲なのだ。現在はデラ・セダカ唯一のアルバムと共に配信されている。是非お試しを。いい曲です♪





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