◼️「サンフィアクル殺人事件/Maigret et l'affaire St. Fiacre」(1959年・フランス)
監督=ジャン・ドラノワ
主演=ジャン・ギャバン ヴァランティーヌ・テシネ ロベール・イルシュ
ジャン・ギャバンのメグレ警視第2作。生まれ故郷のサンフィアクル村に戻ったメグレ。彼の父はとある伯爵家の管理人で、メグレは幼い頃をそのお屋敷で過ごした。脅迫めいた手紙が届いたと、当時伯爵夫人だった女性から相談をされての帰郷だった。ところが翌朝、教会でミサの最中に夫人は心臓発作で亡くなってしまう。手紙の予告に一致する死に、メグレは「これは殺人だ!」と関係者に聞き込みを始める。放蕩息子である現伯爵、執事、管理人と銀行に勤める息子、医師、神父。それぞれに殺人の動機が疑われる。犯人は誰か、どう実行したのか。
メグレ関連作を観て、このシリーズは人情刑事ものだと理解したが、今回は個人的な関わりから事件に巻き込まれるエピソード。クリスティ作品みたいに限られた舞台のストレートな犯人探しミステリーなので、謎解きの面白さを期待して観るなら前作以上。
メグレの対人関係のうまさも映画のポイント。関係者それぞれの立場を理解し、捜査への協力を仰ぎつつ、一方で追い詰めていく。メグレが幼い頃に伯爵家に嫁いできた夫人には、少なからず憧れのような気持ちもあっただろう。そんな夫人を救えなかったことは、彼にとってどれだけ辛いものだったに違いない。それを抑えながらただ冷静に振る舞い続けただけに、直接的な犯人を追いつめた後、感情が爆発する場面が切ない。台詞からわかるメグレの年齢を既にこえてる自分だが、こんな男の強さも貫禄には程遠い。ジャン・ギャバン主演作を観るたびに、昔の大人の男ってカッコいいよなぁと思わされる。
メグレ関連作を観て、このシリーズは人情刑事ものだと理解したが、今回は個人的な関わりから事件に巻き込まれるエピソード。クリスティ作品みたいに限られた舞台のストレートな犯人探しミステリーなので、謎解きの面白さを期待して観るなら前作以上。
メグレの対人関係のうまさも映画のポイント。関係者それぞれの立場を理解し、捜査への協力を仰ぎつつ、一方で追い詰めていく。メグレが幼い頃に伯爵家に嫁いできた夫人には、少なからず憧れのような気持ちもあっただろう。そんな夫人を救えなかったことは、彼にとってどれだけ辛いものだったに違いない。それを抑えながらただ冷静に振る舞い続けただけに、直接的な犯人を追いつめた後、感情が爆発する場面が切ない。台詞からわかるメグレの年齢を既にこえてる自分だが、こんな男の強さも貫禄には程遠い。ジャン・ギャバン主演作を観るたびに、昔の大人の男ってカッコいいよなぁと思わされる。