Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

メリンダとメリンダ

2010-01-05 | 映画(ま行)

■「メリンダとメリンダ/Melinda And Melinda」(2004年・アメリカ)

監督=ウディ・アレン
主演=ラダ・ミッチェル クロエ・セヴィニー ウィル・フェレル

 あるレストランで劇作家と仲間たちが討論になる。「人生をより見つめているのは喜劇なのか悲劇なのか?」について。そこで彼らは、あるホームパーティの席に訳アリの女性メリンダが転がり込んできた、という同じ導入から始まる二つの物語を語り始めた・・・という珍しい構成。ウディ・アレンの映画は、時にイングマル・ベルイマンみたいにシリアスに人間を描いたかと思えば、コメディに徹することもある。どっちのアレン映画が好きかと言われれば個人的には後者が好みだが、もちろんシリアスなアレン映画も素晴らしいものがある。「メリンダとメリンダ」はそれをどちらも味わえる、一粒で二度美味しい映画?と言えるのかな。

 全体的に地味な映画だし、他のアレン映画の傑作には及ばないものの、それでもウディ・アレンらしさをどちらの物語からも感じられて興味深い。僕はどちらかと言えば喜劇版の方が好き。冴えない男のひがみ感情やスノッブな人々への冷ややかな目線、セックスコメディとしての面白さ。このあたりは最もウディ・アレンらしい部分。ウィル・フェレルが冴えないけれど優しい男を上手に演じていて面白いし、ロマンティクコメディのお手本のような細かなところ、ドアにバスローブの切れ端が挟まってしまう場面やグラマー美女が急に自殺しようとする場面などの巧さには、思わずニヤリとさせられる。一方で、悲劇のパートも上手な役者そろいで惹かれ合う男女の心理的な葛藤に、こっちまでハラハラ。ただ時間が短いだけに切ない情感を描ききれないのがむしろ残念なところ。クロエ・セヴィニーが美しい。

 結局人生には喜劇性も悲劇性もあるわけでどっちが優れているとは言い切れない。それでも男と女は惹かれ合うもの。ウディ・アレンが言いたかったのはむしろそっちなのかな。そしてウディ・アレンはこの後、イギリスへと活動の拠点を移すことになる。デューク・エリントンの「A列車で行こう」などジャズと、バルトークなどクラシックが聴ける音楽もなかなか楽しい。

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帰省中です。

2010-01-02 | Weblog
大分に帰省していまぁす。
寂しがりやの父親のお相手して来ます。
久々に高校時代の友人にも会う予定。

ただいまぁ。
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謹賀新年2009

2010-01-01 | その他のつぶやき
皆様 あけましておめでとうございます。

 昨年は当ブログおよび映画ファンサイト「Some Like It Hot」をご愛顧いただきましてありがとうございました。アラフォー男の戯言におつきあいくださった皆様のお陰で、このブログは6年目、本家サイトはなんと10年目でございます。


↑本家サイトです。

 自分が「楽しい!」と思えることには労を惜しまない私tak。こうなったのは、社会人になった年にある誓いを立てたから。
「自分が好きなことに関しては誰にも負けない自分でありたい」
・・・とまぁ、何とも思い上がった誓いではあります。

 それは忙しい日々に追われて大きなニュースが起こっていたことを知らなかったことが原因でした。これからもこんな日々が続く、でも好きなことは貫いていきたい。そして映画鑑賞生活を貫いてきた訳です。大学ノートに観た映画の記録をとり始めた中学3年を映画鑑賞元年とするならば、2010年はなんと映画ファン歴30周年。

 そして「暇がなきゃつくればいい」をモットーにしてきた僕ですが、2009年は何やら不条理な忙しさでまったく落ち着くことができない年でした。そして2009年ほどアニメにどっぷりだった年はありませんでした。同僚に
「takさんは何かに逃避したいんじゃないですか?」
と分析されたりもしました。そうかもしれませんぬ。ここで書くことではないでしょうが、現状を見ずにお仕着せの指示ばっかりされること、妙に忙しくなった日常、簡単には片付かない諸問題・・・。そうしたことを少しの間だけ忘れたい!と思っていたからなのでしょうか。「涼宮ハルヒの憂鬱」や「けいおん!」など、かわい子チャンが出てくるアニメにどっぷり浸かっちゃっていた。もちろんそれらのお話自体の魅力によるところが大きい(強調)のですが。

 見逃した映画も数知れず。「グラン・トリノ」「ヴィヨンの妻」「空気人形」・・・映画館で観ておきたかった「マンマ・ミーア!」。そして何よりも「THIS IS IT」(泣)。あーあ。でも、現実世界やサイバーゾーンの愛すべき映画鑑賞仲間の支えもあって映画館で楽しむことができました。みんな、ありがとう!。

 さて、てな訳で今年もtakの個人的映画鑑賞の記録である
「tak's Movie Awards 2009」を発表いたします。日本アカデミー賞より歴史があるけれど、権威はまったくない映画賞でございます。こーんな個人的なアワード、世間的な価値はありましぇんが、これは僕の映画への愛情表現だとお考えくださいまし。今年も素敵な映画に出会えますように。そして素敵な人々と出会えますように。

 ☆

2010年も相変わらずな大人げない40男takは公私ともに頑張ります。

今年もよろしくお願い致します。
<(_ _)>

松任谷由実 A Happy New Year


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コメント (4)
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