山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

図鑑に載ってなかった希少種

2024-01-17 22:16:04 | 生き物

 夏や秋には夜の訪問者が多いわが家に、冬のさなかにやってきたのは…。1cmもないような小さな昆虫だった。カマドウマかバッタの子どもだろうかと何気なくカメラで撮ってみたものの、正体不明だった。まもなくそれは、「クモガタガガンポ」(ガガンポ科)とわかった。北海道では普通に見られて別名「ニッポンユキガガンポ」ともいう。画像は排卵官があるのでメスのようだ。赤ちゃんのようにちっちゃい顔や産毛のある体もかわいい。巨大な蚊の仲間とはとても思えない。

 

   

 足が長いところはガガンポだけど、翅が退化していて飛べない。北海道では雪の上を歩くガガンポをよく見かけるという。その歩くさまとか毛深いところから「クモガタ」という冠が付いたのかもしれない。しかし、のっそり歩いていたらほかの昆虫の餌食になってしまう。氷河期の生き残りというくらいだから、生き残り戦略は長けているはずだ。それはやはり冬を味方にすることで外敵から身を守るという生き方を選択したようだ。だから寒さにも強い。背中に「平均棍」がちらりと見える。

     

 昆虫の翅は4枚が標準だが、ハエに近いクモガタガガンポは翅が退化したものの残りの2枚を「平均棍(コン)」という機能を進化させて体のバランスをとっているようだ。。2枚羽のハエは、急発進して曲がったり止まったりのスピードをこの「平均棍」で機能させているが、飛ばないでスピードもめざさないクモガタガガンポには平均棍は必要なのだろうか。

 なにしろ、ガガンポの研究者が少なくてクモガタガガンポの種類や生活史は謎だらけだそうだ。図鑑にも載っていないのは致し方ないかー。(上の画像は「岐阜大理科教材データベース」から)

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生死は4日間で決まる!?

2023-12-18 21:43:34 | 生き物

  ここ最近、ハトムギの種の選別に追われている。そんなとき、2cmほどの小さな虫が紛れていた。ひょっとすると、お腹のふくらみからアレかなと推理したが、どうも小さすぎる。しかも、アレは青のメタルカラーのはずだったが、これはむしろ黒っぽい。似ているのは、上翅が腹部の半分ほどの長さで、後翅が無く退化していた。つまり、飛ぶことができず、歩くことを選択した昆虫だった。

        

 アレとは、畑周辺で約2~3年ごとに見つかるツチハンミョウだった。カエルや野鳥から身を守るため脚の関節から黄色い体液の毒を出すが、それに触ると、水泡ができ腫れるという危険な虫とされている。今見たこの虫は、大きさや体色の青黒カラーからして「ヒメツチハンミョウ」(ツチハンミョウ科)のようだ。

       

 メスは4000個の卵を産む。というのも、幼虫はマルハナバチをひたすら待ち続け、チャンスが来ればそのハチにしがみついてその巣の中に侵入することだった。そこで、花粉団子を食べて成虫になっていく。まさにパラサイトだ。ただしその期間は4日間しかない。その間にマルハナバチのしがみつかないと死が待っている。だから、メスは懸命に大量の卵を土中に卵を産むしかない。

 オラがみたのはそのメスだったが、オスは触覚に団子状の瘤があるのが特徴だ。交尾前にオスがメスの触覚どおしをこする儀式があるという。(上の画像はオス、《ほくせつの生き物》webから)

 

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「幸福を呼ぶ虫」も越冬態勢へ!

2023-11-24 21:31:40 | 生き物

 ポカポカした昼時、お茶の送風機を配備していた電柱のような立木に多数のテントウムシを発見。近づくとあたふたと動き回って立木の裂け目や影を探していた。10匹以上はいたと思われる。週末の寒冷を予測していたかのようだった。テントウムシの動きが速くて画像がうまく撮れなかったのが残念。

     

 その中に、久しぶりに見る「カメノコテントウ」がいた。そこにいたカメノコテントウはオレンジの地に黒の模様があったが線の太さが違う。大きさは10mmくらいだが日本産テントウムシの中では最大級だという。よく見るナナホシテントウの二倍くらいはある。クルミやヤナギやドロノキのハムシの幼虫を食べるというが、近くにそういう樹木は少ない。やや離れた所には川があるからその周辺のヤナギやクルミに棲息していたのかもしれない。越冬場所を求めてそこからやってきたのだろう。確かに、その立木を触ってみると太陽の暖かさを感じる。

        

 黒地に赤い斑点がある「ナミテントウ」も一緒にいた。「ナミ」というから、標準的・一般的に見られる多数派テントウでもあるが、翅の模様は、主に「黒地に赤・黄」の斑紋と「赤・黄地に黒」の斑紋に分けられる。ここで見たのは、黒地に赤い二つの斑紋がある「二紋型」だった。ほかにも、「四紋型」「無数型」「赤・黄地に黒紋型」などの変異斑紋が多数いる。

       (画像は「子どもの国」webから)

 テントウムシは漢字で書くと「天道虫」と書く。枝先から太陽に向かって飛んでいくことから「お天道様」というわけだ。つまり、太陽神の使いの虫として大切にされてきた。それもそのはず、テントウムシは基本的にアブラムシなどの害虫を食べてくれる益虫でもあり、「生物農薬」として活用もされている。

 しかしそのため、世界的に波及してしまい環境に負荷をかけてしまうやっかいものにさえなってしまった。また一部のテントウの中の「ニジュウヤホシテントウ」はナス科・ウリ科野菜を荒す害虫でもある。換言すれば、それだけ活力ある昆虫でもある。

 オラが若いころ、チェリッシュの「テントウムシのサンバ」が流行っていてよく口ずさんだものだった。尖っていた青春の挫折やら破滅やらを癒してくれたメロディーだった。それからまもなく伴侶を得ることになる。まさにテントウムシは幸福を呼ぶ虫だったというわけだ。

 

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古道に「カガシ」兄弟か !?!?

2023-10-26 22:02:24 | 生き物

  わが家の近くにはアップダウンのある細い古道がある。軽自動車がやっと通れる狭い道で集落が生コンを行政からもらって作り上げた自治ロードでもある。むかしはここが主要な道だったが、広い国道ができてからは利用する人は少なくなった。そのためか、落石や枝が路上に散乱していることも少なくない。だから、パンクに注意しながら運転しなければならない。

 たまたまその古道を歩いていたら、小さな若い蛇が裏返しになっていた。

   

 おそらく死んでいるだろうと枝を拾ってひっくり返すと、赤と黒の模様がある特徴的な「ヤマカガシ」だった。なぜ、そこに横たわっていたのかはわからない。外傷もない。寒くなったからだろうか。なにしろ、ヤマカガシが毒蛇に指定されたのは、1974年と比較的新しい判定だった。それまではオラも多くの人も無毒の蛇と思っていた。2019年にはペットとしての飼育も禁止されている。

 ヤマカガシには二種類の毒がある。首の背中側には二列の毒腺が皮膚に埋もれている。カエルからの毒を溜めて防禦用に使うらしい。もう一つは、奥歯の毒腺が有名だ。この毒はマムシやハブより猛毒だという。性格はおとなしいが、怒らすと怖い相手なのだ。

  

 帰りに同じ道を歩いていたら、二匹目の「ヤマカガシ」がいた。こちらも外傷が見当たらなかったが同じような大きさだった。首の後ろに黄色い帯があるのでやはり子どものようだ。こちらは一匹目より細いので弟なのかもしれない。往きに間違って踏んでいたかもしれないとドキッとする。こちらも死んでいるようなので、「兄」と同じように枝を拾ってきて崖側に落として処理する。

 「カガシ」とは、古語で「蛇」のことなので、ヤマカガシとは、「山の蛇」ということになる。たしかにオラが住む中山間地にはマムシより多い。オラの外倉庫の床下がその住処ではないかと思うほどその近くでよく遭遇していたが、幸いなことに今年はまだ会っていない。

    

 

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不可解な珍客に翻弄される

2023-10-09 20:16:00 | 生き物

 突然、秋がやってきて寒くなってきたこのごろ。そんなとき、見慣れない小さな珍客が二匹やってきた。寒さのせいかあまり動かない。それでもカメラを近づけると嫌々をするので、透明の小さな容器に確保する。なにしろ、許可なく他人の家屋に侵入したのだから不本意ながら致し方ない。それで、この見慣れない珍客をよく見たらその正体が不明ときた。当局に解明を申し入れてもいつもの通り全く動いてくれない。自分で調べるしかない。

            

 翅が2枚のようなので、アブかハエかと見当をつける。二匹をいっぺんに容器に入れたらお互いは振り向きもせず警戒していた。小さいほうは、体長が12mmほどで最初はよく元気よく飛行していたがだんだん疲れてきたようだ。腰が細くて腹からお尻にかけて太いのが特徴だ。翅は先端と中ほどに黒い斑紋がある。愛用している小学館の昆虫図鑑でこの珍客を調べてみた。しかし、まったく手掛かりがなく、パソコンでアブハエ図鑑で検索するが、まったくわからない。

           

 しばらく迷宮入りとなった。似ているがガガンポでもないし、コウカアブでもない。のんびりだが十数時間かかってなんとか、それが「ツマグロオオキノコバエ」(キノコバエ科)だとつきとめた。とてもハエだとは思えない。キノコに群がるハエだった。しかし、その生態はまだ研究されていないのがわかる。経済効果のないものへの研究費はなかなか投入されないこの国の現実。

 ツマグロキノコバエはきのこへの酷い食害はないようだし、腐葉土や朽木などにも生息しているようだ。それがなぜわが家に来訪したのだろうか、真相はわからない。

          

 いっぽう、もう一匹の虫は「キイロコウカアブ」だった。ふつうのコウカアブだと濃褐色の体色だが、これはベッコウのような色だった。だから最初は「アメバチ」かと思うほどきれいな飴色だった。コウカアブは便所バチとも言われ、不快昆虫と思われてきた。しかし、コウカアブもキイロコウカアブも枯れた植物や生ごみを土に戻す益虫であるということは知られていない。

              

 腹周りに白い帯があるのも特徴でもある。眼は緑色に見えるし、角度によって紫にも見える。なかなかおしゃれなキイロコウカアブだ。先日、生ごみを処理していたら大量のウジ虫がでてきたが、それはこれらのコウカアブだったかもしれない。以前、大量の黒いコウカアブが飛び交ったことがあり、それは不快昆虫に同意してしまうくらい壮観だった。ただし、それがキイロコウカアブだったら緩やかに鑑賞してしまうかもね。

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目くらまし戦法の達人

2023-09-04 22:06:00 | 生き物

 和宮様が珍しく突然大きな声をおあげになった。「こりゃ珍しいムシではないのかのー」。さっそく畑の中央にある物干しのそばに馳せ参じた。これは3年前にも見た気がする。よく見ると、ミツバアケビのツルに3匹のイモムシがいた。右側には黒い若齢幼虫で、中央には褐色の、左側にはこげ茶のイモムシだった。

       

 どちらが頭かわからなかったが、一対の「眼状紋」があるほうの先端が頭らしい。目玉模様は鳥や蛇などの外敵に対する威嚇のようだ。それにブルーの星屑が散らばっているのが逆に美しい。この虫はアケビにいたので間違いなく「アケビコノハ」(ヤガ科)だ。

       

 アケビ・ムベ・アオツヅラフジ・ヒイラギナンテンなどの葉を幼虫は食草にしている。目玉模様やポーズが珍しく女子に人気があるという。日陰を好み、直射日光が当たると日陰の根元近くへ移動する。グロテスクな風貌の割にはおとなしい性格のようだ。

     (成虫画像はやまびこネットwebから)

 成虫はまさしく枯葉の擬態をし、目玉はへのへのもへじの眼状紋で外敵から防禦している。これはイモムシや蛾の世界の忍者と言えそうだ。成虫は、リンゴ・ナシ・モモなどの果汁を吸汁する害虫でもあるが、成虫になったらわが家では食べるものはないので行き場はどうするのだろうか、と余計な心配をする。

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世界でも珍しいという茶色い翅

2023-08-23 22:35:45 | 生き物

 夕飯を食べ終えてけだるい眠気と戦っているとき、突然大きな音を立てて闖入した者がいた。アブラゼミだった。アブラゼミは目が悪いのか障子に何回かぶつかりながら灯火を目指していた。放っておくとうるさいので捕まえることにする。

           

 アブラゼミは茶色い模様の翅だが、世界のセミは透明な翅であるのが普通だ。日本でも透明な翅のセミが多数派だ。オラの感覚では、セミというと茶色いアブラゼミがまずイメージされる。都会の覇者はアブラゼミだった。最近はその勢力地図も変わってくるほどにアブラゼミが少なくなりつつあるという。湿気を好むアブラゼミは、地球温暖化の影響か、広がる乾燥化に対応できなくなってきているのかもしれない。

          

 その翌日だったか、庭にいた和宮様が「大変じゃぞ、セミが捕まっておるぞよ」と叫んでいる。まさか、昨日釈放したセミではないだろうなとは思いながら、現場に直行する。すると、メスらしきアブラゼミがカマキリに捕まった瞬間のようだった。オスなら大騒ぎするところだが、もう観念していたようだ。

       

 翅をしっかり捉まえてこれから悩殺して頭から食べようとする直前だった。残念ながらそれを目撃する余裕を作れなかったが、一般的には野鳥による捕食が多いらしい。セミにとって地中にいる数年間が最も安定・安心な環境なのだが、地上で生きる現実はせちがらい。人間だっていまだにそうなのだ。

 ちなみに、アブラゼミの名前の由来は、身体の油っぽさではなく、その鳴き声が揚げ物を揚げている音に似ているからという説の方が有力のようだ。メスは鳴かないから、メスを呼ぶオスの鳴き声の必死さがつらく聞こえてくる。いのちをリレーしていくのは日本人の現在では難しくなっている。それは昔より今日のほうが進歩していると言えるのだろうかと考えてしまう。

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ちょっと見ではイチモンジみたいだったが…

2023-07-21 22:47:21 | 生き物

 連日のように、わが家の灯火を頼って生き物がやってくる。蜘蛛は無賃の同居人として居座ってしまっている。ときどきゴキブリも出てくるが、汚い民家の割には少ないともいえる。同居人の蜘蛛が家賃代わりに警備を担ってくれているのかもしれない。何と言っても目立つのは大小様々な蛾で、昨日は「シロスジトモエガ」(ヤガ科)が久しぶりにやってきた。

      (画像は2019.9.25我がBLOGから)

 最初は、「アサマイチモンジ」(上の画像)かと思ったが、蝶が灯火に来るはずもない。まずはその蛾を捕捉してその特徴である左右の「巴紋」を確認。また、その触覚を見ると間違いなくメスだった。メスの触覚は真っ直ぐな「鞭状」、オスは羽のような「櫛歯状」。

      (画像は2015.6.2マイBLOGから)

 ちなみに、以前捉えた「シロスジトモエガ」(上の画像)はその触覚からメスだったこともわかった。トモエガの中でも、シロスジトモエガは北海道や北東北にまで分布を広げているなかなかの覇者ということだ。   

 また、トモエガの模様は現代アートのような気配がある。個体差も多様過ぎるくらいだ。そういう模様の面白さから、外国では蝶より蛾の方が人気があるらしい。さらに、その特徴の渦状の眼状紋は相手に睨みを利かす防禦機能があるようだ。引きこもり状態のオラの狭い「井戸」からでも、広い世界が見えてくるのが愉快至極ではないか。若者よ、闇バイトなんかやっている場合ではない。

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謎だらけの羽衣だが…??

2023-07-17 22:58:50 | 生き物

 日本各地で39度・40度を超える暑さが襲っている。地球の軋みが現実となっているが報道は暑いことしか伝えられない近視眼にうんざりする。きょうは炎天下での農作業はやめて、日陰で蚊取り線香を点けながら、雑草に負けそうなポット鉢の整理に追われる。そんななか、ケヤキの葉にナニコレ珍昆虫を発見。 

          

 植物の茎に吸汁している白っぽいアオバハゴロモかと思ったが、「ベッコウハゴロモ」の幼虫(ハゴロモ科)だった。形は金魚のような、セミのような、ロケットのような怪しい雰囲気をまき散らしている。畑にある桑の木・茶樹・ヤマウドなども吸汁していたのかもしれないが、ワグネルほどの残虐性はない、控えめな農業害虫のメンバーでもある。

 何と言っても、お尻にある羽毛のような「毛束」ファッションが、モデルの山口小夜子顔負けの異形なスタイルを発信する。ロウ物質でできている毛束というが、その意味するものがわからない。敵からカムフラージュするくらいの効果はわかるが、「羽衣」と言われるほどの注目を浴びる必要はあるのだろうか。

    (画像は、「石黒の昔の暮らし」webから)

 ハングライダーのような成虫は蛾としか見られないが、カメムシの仲間に分類される。翅の模様のようすから、「べっこう」という名がついたようだ。羽衣をロウ物質にしなければならない理由、そしてそのスタイルは謎だらけだ。宇宙を争奪するより、こうした身近な謎を無駄な予算を分散してわかりやすく解明してもらいたいものだ。

   

 

 

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毒蛾ではなかった

2023-07-12 19:19:20 | 生き物

 野生化したイチゴの群落の近くに毒蛾の幼虫らしきものを発見。触るのは危なそうといつもの透明の昆虫ボックスに入ってもらった。ドクガ特有の背中のまとまった「毛束(ケタバ)」がなく、前胸に対となった長い毛束もないので、ドクガではないと予測する。

         

 そこで、毛むくじゃらの毛虫は「ヒトリガ科」に多いので、そこを小学館の『イモムシとケムシ』のチョウ・ガの幼虫図鑑で検索する。クワが食草というので、たしかに畑には大きな桑の木がある。昨年から病気にかかり実にも障害も出ている。石灰を撒いたが改善していない。大胆な強剪定しないと改善しないらしい。そのせいだろうか、幼虫がイチゴ群落までやってきたというのは。

    

 幼虫の発達段階で姿が大きく変わるのでいつも同定が難航する。それでもなんとか、赤と黒のツートンカラーの「フタスジヒトリ」と同定する。ドクガに擬態して敵を欺いているようだ。逃げ足は意外にも早い。

         (画像は、岐阜大教育学部理科教育講座から) 

 成虫は、翅に「X」字状というか「大」字状というか、その模様がシンプルでかっこいい。人によれば、ウルトラセブンの敵=白地に黒の怪獣「エレキング」みたいだというが…。この毛虫は、毛むくじゃらで「熊毛虫(クマケムシ)」とも言われている。ドクガに見せながら戦わずに生き残りをかける戦略は、力による一時的な支配よりはかなりしぶといのではないかと思われる。

           

 名前の「フタスジ」は、成虫の帯状の筋を言いたいらしい。「ヒトリ」は、街燈にやってくる「火盗り」から。「ヒトリ」には悲哀のストーリーがあるといいなと期待していたが。夏の季語でもある「ヒトリガ」は日本固有種でもある。        

 

 

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