7月の除草月間、どこまでも斑点だらけのイネだろ、あっ、こりゃダメだ!今年は諦めだな、と、ひたすら心なだめて過ごしてきた。まっ、6割取れりゃ御の字さ、去年は豊作、米はたっぷり残ってるし、家族の食い扶持くらいはなんとかなるってな。ただ、この誰もがうんざり!の猛暑、もしかして、イモチを焼いてくれるんじゃないか、って淡い期待はあったさ。
この身勝手な暑さ頼み、思いがけずご利益あったみたいだぜ。
一面、灼けただれた赤茶!なんて惨状はまぬがれたみたいだ、やれやれ。特に、コシヒカリは、葉に点々のイモチ病斑!なんぞものともせず、ほぼ、例年並みの出穂、登熟を地道に歩んでいる。大したやつだぜ。まっ、場所によっちゃ、あれあそこ、実入り悪いよなぁ、って感じさせる部分もあるが、そんなのはごく一部だ。中でも、堰の水を使う小さな田のコシヒカリは、イモチ?なんのこと?と、飄々と、健やか元気だ。
ヒトメボレの方はそうは行かない。なんとか登熟も始まっているが、かなりの穂は垂れることなく色だけ着いている。
つまり、イモチで途中生育ストップしたってことだ。うーん、こっちの田は、もっと知力つけたいと思って、堆肥をばかすか入れたからなぁ。それに、堆肥散布から代掻き・田植えまでの時間も短かった。それだけ生の有機質が残ってたってことだ。おっと、その前に出芽不良で種、播き直した苗、一丁前には程遠かった。悪い条件重なったってこった。
そんな話を米つくり師匠に話したら、「ああ、ヒトメボレはイモチに弱いから」の慰めのお言葉をいただけた。どうしたらいいべねぇ?御答えは至極簡単!コシにしたらいいさ。コシヒカリは強いから。コシヒカリ以上にイモチに強く、ここらの気候にあってる品種はない。ヒトメの代替えはないって、実に明快だった。
そうか、2品種作るってことにこだわる必要はないかもなぁ。ヒトメボレ、止めて、全部コシにするか、来年は。種まきも面倒ないしなぁ。
と、7割方、コシヒカリ単作に傾いたんだが、こんな長雨、日照不足、作り手の数々の失態にもめげず、ここまで持ち直してるヒトメボレの姿見てると、なんか、ここでヒトメを切ってしまうのは、責任転嫁のようだぜなぁ。
堆肥だっぷりでも上手く育ってる部分もあるじゃないか。今年の痛手は一勉強って考えて、来年はそれを生かして挑戦してみっか。良い種、取るのにゃ苦労すんだろうけど。
などと、稲刈り前からもう来年の作付けに頭は飛んでいる。まっ、これが百姓ってもんだがな。
稲刈りまであと2週間、外から見た目とは、まるで違って、イモチ大繁盛!ってことになってるかも知れん。怖ぁぁぁ!が、まあ、そん時ははそん時、これだけ取れりゃ食べていけるぜぇ、で心穏やかに納得しようぜ。