コロナを乗り切る菜の花座新企画『ディスタンス』舞台、手探りで一歩一歩進んでるぜぇ。一人芝居大盛サービス14本!ふふふ。
広いスペースに3っつのチームが散らばって、それぞれ演じ、見つめ、ダメだししつつ作って行っている。いいよぉ、いい。まだ、まだ、これからってところだけどね。
前回は顔だけじゃなく口も出しちまって失敗、メンバーが遠慮して言いたいこと言えなかったみたい、すまん!今回は部屋の片隅でそっとね、邪魔しないように見せてもらった。今まで他人の演技に口出しなどしなかった人も、なかなか大胆に突いている。いいねぇ、これが狙いだからねぇ。
もう一つ目指すは、演出に育ってもらうこと。一人芝居ばっかなので、一人で演出するんじゃ効率悪い。チームごと仕上げるって方法を取ったんだが、やっぱり全体を統括する演出は必要だ。舞台のイメージとか、全体の構成とか、個々の演技も最終チェックなんかも、見て決断する人間が欲しい。役者としての経験も豊富、高校演劇の指導も手掛ける中堅に任せることにした。
演出なんだから、自分の要望をどんどん主張していいんだぜ、って言うのだが、どうしても、作者兼演出補、つまり俺、と装置屋さんの意向に気を使いがち。まぁな、15年以上も一緒にやって来たから、どうしたって気後れしちまうんだろう。劇団員との関係も対等の仲間から抜け出しにくい。こっちもつい、本書いた際の意図や想定をしゃべっちまう。これがいかん!本を演出に渡したら、それはもう演出と役者のものだ。その間柄に早く慣れなくちゃならない。お互いに。
作者への気兼ねだけじゃなく、役者やスタッフに対しても、我が儘で暴君になる必要がある。自分が抱いたイメージをとことん追求していく図々しさがいる。意見や要望は聞いても、最終の判断は演出だ。迷うのはいいが、頼っちゃいけない。選ぶこと、言い切ることだ。迷いを見せてもいいが、自信を失っちゃいけない。間違ってもいい、訂正してもいい、でも、堂々と居直る。
それでも、役者たちが付いて来るには、人一倍、台本を読みこむこと、しっかりとした舞台イメージを持つこと、その実現に向けて細部を 仕上げてく粘りを持続すること。
そうやって、信頼を勝ち得て、言い分がリスペクトされる。まずは、そこを目指して、なんでもわかってる!ってでかい顔を押し通して欲しいよな。