局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

三越劇場にて(和の日)

2007-09-26 19:35:37 | 見る(映画 劇場 美術館など)
昨日の話。
実家の母と待ち合わせて三越劇場に行った。
父のロータOーでの友達夫婦(私以外は70代ジジババ)と待ち合わせてこの演目を見た。

新内仲三郎公演  

まあ 私は和物は好きで、自分も邦楽関係をやってたこともあるけど いくらなんでも渋すぎないかい?と思ったが、ご招待だし母が一人だとつまんないと言うので(父はこういった芸能関係はまるで興味がなくて絶対にいびきをかいて寝るから最初から来る気がないのである)お付き合いすることになった。
新内っていうのは三味線の芸風の一つで 江戸時代に色町で流行ったらしい。
新内流しといって 二人一組で色町を流して歩き、リクエストに応えてお座敷に上がることもあったらしい。
その一人者 人間国宝の新内仲三郎さんの公演。

確かにとても柔らかく情緒のある音色の三味線とゆったりした語りが良かったけど 蘭蝶という素浄瑠璃を聞きながら落ちてしまった

ただ 最後の演目 「風の盆VS新内流し」でしっかり覚醒。これはよかった。
風の盆はとても有名だけど その踊りのBGMの越中おわらも胡弓や三味線の流しで演奏され 踊りも町を流れていく。その二つの町を流れるという歩く芸能のコラボレーション。座席の通路を 二つの流しの芸能が競うように歩いて行く。どちらも少し哀愁を帯びた音色が深まる秋にふさわしかった。
また 風の盆の踊りは初めて生で見たが 藤流の舞踊団による踊りがとても美しかった。流れるような手の動き。静かで力強い男踊り。予想外に(笑)感動してしまった。実際、八尾で行われる風の盆は小説やTVドラマで有名になりすぎて、観光客でごった返してとても情緒を楽しむようなものじゃないらしい。この舞台で見られてよかったなと思った。

また仲三郎さんのご長男とペアで三味線を弾いていた若い女性がめちゃくちゃ綺麗で縞の着物の着こなしもステキで目の保養になった。衣紋をまるで抜かない宝塚の生徒さんみたいな着方がなぜか清潔感があってすてきだった。

 

この劇場は昭和2年に建てられたそうで今年は創立80周年だそうだ。

なんと言っても古いし、こぢんまりとして 座席の傾斜もゆるいので そう見やすい劇場じゃないけど、このレトロ感は好きだ。
来ている方は少々加齢臭が漂う感じもする平均年齢60半ばの方たち。いわゆる今日は三越 明日は帝劇 (反対?)を体現してきた昭和の香りをはらんでいらっしゃる。
伊勢丹の分とく山あたりでランチを召し上がってるお年よりとはまた違う趣があるのはどうしてだろうか?(どっちもお金はありそうだけど)
そういえば伊勢丹と三越は合併するのよね。この結構違う顧客層に対してどういった経営戦略をするんだろうか?興味あるところですね。

帰りに伝統工芸展に行って着物だけ見た。



着物って言うのは芸術品ですね。

銀座に出て大志摩で加賀料理を食べた。



仕切るおじさまが一人いらっしゃってその方とたくさんお話したけど、妙に話が合ってしまった。やっぱり着物の会とか源氏の会とかでインプットしているとジジ相手は得意分野なのである。
「このお嬢さんは 若いのに(そりゃあ70後半からすれば私だってお嬢さんさ)本当によく物を知っておられますね。さすがOOのお嬢さん」と褒められて母は嬉しそうにしていたが、これから嫁に行くわけじゃないからあまり利益はないのよね。
まあインプットしたものをたまにアウトプットする機会があってもいいんだけどさ。

感心してくれる相手がジジすぎるのも 何だかねえ・・・ たまには若い男の子と意気投合したいもんだけど、守備範囲が違うのよね(本音)
コメント
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