竹口琴を前回は乾燥し枯れた材料を使ったが、削り出しが大変だったから生竹で制作してみた。加工が容易な事はともかく、楽器としての性能が同等に出るかが知りたかった。
雨の止み間を見計らい、拠点まで出かけ真竹を伐ってきた。材料寸法に切り割り、油を抜くために煮沸する事しばらく、熱湯の表面に油と言うかアクと言うか泡になって浮いてくる。掬い取っても竹の表面にも付着しているから、これは雑巾で拭きとった。常温では固くなって取りにくい。鍋やお玉に付いたものも冷えると硬化してしまう。真ん中の写真が拭き取る前後の竹肌であるが、拭き取るだけの価値は十分にあるだろう。
加工はあっけないほど楽だった。切りだしナイフも楽に入るし、何よりも彫刻刀でも楽勝だったのが、細かい削りが多い口琴の加工には嬉しい。前回の材料は茶葉乾燥機の簀の子の部材で、油抜きも乾燥も十分な材料だったが、竹は乾燥すると硬くなる。
問題の楽器としての性能だが、全くの生竹にもかかわらず十分な振動と音が出た。乾燥してからどう変化するのか不明だが、物理的理由で、より高音が出てくるのではと期待している。