わたつみ浪で歌う結露も凍る夜やなみだ
櫓の声波をうつて腸氷る夜やなみだ 芭蕉
死にもせず仮設の果てよ申の年
しにもせぬ旅寝の果てよ秋の暮 芭蕉
仮設ゆえ幾つも追われまた初日
鶯のいくつも捨て初音かな 櫓玄
古里と忘るる雪の原続く
降るをさへわするる雪のしづかさよ 素檗
行春や生者瞑目浪の音
行春や選者をうらむ歌の主 蕪村

死にもせず仮設の果てよ申の年

仮設ゆえ幾つも追われまた初日

古里と忘るる雪の原続く

行春や生者瞑目浪の音
