とんでもない猛暑が続き「熱中症警戒アラート」も「危険」の日々では自宅自主軟禁するしかなかったのだがさて、日々をどう過ごそうか考えてもいなかったのだ。今期は初めて室温30℃を超えるあたりからクーラーのお世話になってリビング住まいをしてみたけれどテレビ番組など見るに値しないし録りためた映画なども全て見たい訳でも無いし、読書だって睡眠誘導剤だから日中は使用しない。さて、そうなると別の何かを探さねばならぬ。「孤爺殺すに刃物は要らぬ、猛暑三日も続けば良い!」てなもんや三度笠、であっても一日たっぷり残りはチョッピリではそうそう甘えてもおれないし「死んでも命があるように!」が人生唯一の望みなのだから清廉潔白で生きていたい。間違えても裏金などには手を出さぬし染まらぬし知らんぷりもしない。とまあ、こういう訳で有り余る日々を資料作成に費やしたのである。久しぶりに朝食後から就寝時までほぼキーボードと遊んだのだった。こんな由緒あり正しい老後の時間の使い方はお裁縫で目がショボショボしてしまった初夏のころ以来で、だから眼科にいかなくっちゃ。
さて斑痴呆は繋がってようやく話が普通になった。そもそも基になった版は2022年版だけれど可能な限り情報を書き込み新たな図版も数種類を組み入れた。特筆すべきは既存の「生態系指標種で観る環境健全度」表を姥捨て山に当てはめ作り直した事である。これをした事でS先生が常日頃おっしゃっていた「ここは小さいけれど貴重なフイールドです」と言う言葉が表を眺めれば一目瞭然で視覚的に納得できたのは大変大事な事であった。ただページ数が増えてしまい一冊につきA4用紙50枚必要になって12部だけ作っても試し刷りや校正確認などもあって使う用紙は千枚近いし、プリンターのインクセットも2セット必要で諸費用だけで2万円が飛んでしまった。単純計算で一冊1600円相当になる勘定だ。これを高い遊びと観るか安い遊びと思うかは人それぞれだろうけれど冊子の質としては公の出版物よりより現実を反映した出来栄えと言える。まあ、手前味噌、爺我自賛はほどほどにしても他に類を見ない、と言って良かろう。
さて今回、製本するにあたり治具を作ってみた。たかだか12冊と言う莫れ、製本作業は根気のいる作業でもあるし和綴じなので「穴開け」が一番大変と思えた過去の印象から穴開け治具を用意したのだ。一枚はプラ版で表紙に合わせ穴にボールペンを挿せば穴開け位置が記される。もう一つはボール盤で糸穴を開けるための補助道具で一冊分を合わせて表紙の印にドリルを下ろせば穴が定位置に通ると言う治具だ。ネットなどで拝見すると千枚通しで加工する画像が多かったけれど数冊なら面倒は無いだろうが二桁ともなれば効率も大事になる。
中身の一部はチェック不十分なのだが孤爺が出来るところは埋めたので残りはどうしてもS先生の情報量に頼らざるを得ないから「出来上がり見本」として試作した分をお渡しして情報を注入してもらう予定である。暑さ厳しき折、フイールドで出会う機会が少ないのでいつお渡し出来ていつ戻って来るかは判断も出来ないけれど「そのうちなんとかなるだろう~」てなもんや三度笠・・・。台風10号の超豪雨被害で未だに取水堰の位置さえ砂礫に埋もれ判明しない今日この頃、このまま断水ともなれば水系は全滅で生態系に大きな損傷がでるものの、誰もそんな事には関知しないのが浮世である。だからこの冊子は過去の栄光を留める事になりかねない一冊だ。個人的には「我が友であり先輩、おやじに捧ぐ」一冊として奥様に送り届けたい。