朝の最低気温は5℃台で日中は14℃程度にまで上昇すると言う予報のこの日、重い腰を上げて痛い肩は上げない様に注意しつつ作業に入った。目標は水源地の河床で立ち枯れている大木5本の伐倒なのだったが最初の1本は無事に河床に横たえられたものの2本目は上部で山桜の枝に触れて倒れてくれない。「これは困った!しくじった‼」と思っても後の祭りで牽引器が手元にない以上、牽引器が戻ってくるまでは作業は中断になった。掛かり木をそのまま放置する事は「行ってはいけない作業」に入るけれど、そうそう教科書通りにはいかないのも現場なのである。この伐採範囲に立ち入るのは孤爺以外はまず居ないだろうからそれだけが頼りだ。
最初に伐倒した材も残りも全て胸高直径は400mmを越える大木なのでバーサイズ350mmのチェーンソーでは両側から切り込みせねばならない。それはともかく予定していた5本の内2本が重心の関係で掛かり木になる。其処を牽引の力で多少とも避けねば落ちてくれないし、万が一、掛かったとしたら牽引器の助けを借りて地上に横たえねばならない。
河床の安定化と流路の維持固定に使いたい材なので扱いやすい小径木では非力で役に立たない。腐れがはいっている立ち枯れ木でも大径木だからこそ、その重量で流れて来る砂礫を留め氾濫流を押さえつつ右岸の取水升上に流路を誘導できる物理的障壁として役立つのである。まあ、この作業を苦労しつつ、ツッツモッツと行ったところで既に伏流水頼みになってしまった送水量の減水曲線を観察すればゴールデンウイークまで送水できるかどうかの瀬戸際でもあるのだが行政が動いてくれない以上、わが生物生産緑地の母なる水は消える運命だ。それを承知しながら水源地の整備を行うなど愚の骨頂でもあるけれど水域に水が送られている以上は自転車操業・水商売は休めない。