ウリパパの日記

自由気ままに・・・

カラヤンとフルトヴェングラー(幻冬舎新書)

2007-03-03 20:56:30 | 
 ”最も美しい音楽をめぐる、最も醜い権力と野望の物語。”
これは腰帯に書かれていたコメントですが、読んでみて実感、文句無しに楽しめました。

舞台の中心はベルリンフィルの本拠地。そしてウイーン、ザルツブルク、そしてわが道を
歩むバイロイト。但し、"音楽" に関する記載を一切排除し、年齢の離れた2人の主人公の
”人物”にフォーカスされています。特に、心の中の駆け引きや葛藤が見事に描かれ、
そのまま映画やドラマにもできそうです。またオーケストラコンサートやオペラ上演も
音楽としてではなく、史実として取り上げられています。

また、第二次世界大戦前後の時代背景やナチスへの複雑なかかわり、ドイツに残った
音楽家と亡命した音楽家の運命、一時期ベルリンフィルを支えたチェリビダッケの存在や
アメリカに亡命したトスカニーニの影、録音技術にいち早く目をつけた商売上手な帝王
カラヤンと20世紀最大の音楽家フルトヴェングラーの焦りなど、読みどころに溢れて
います。音楽に興味が無い方にもお奨めです。

ところで、10月に来日公演予定のベルリン国立歌劇場のチケット (トリスタンとイゾルデ
バレンボイム指揮)が本日届きました。ベルリン国立歌劇場もこの本の重要な舞台と
なっています。

〔庭の状況〕 節分草開花、チューリップ開花目前



コメント
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