先週はじめに関東地方を直撃した先週の台風9号に続き、今週は迷走していた台風10号が東北地方の太平洋側に上陸して岩手県を中心に大きな被害をもたらしました。
台風10号(ライオンロック)は関東の南東沖で発生してから南西諸島に向かい南下します。7月頃には太平洋高気圧の縁に沿って西へ進んで、そのまま中国大陸へ向かうのはよくあるパターンですが、台風10号は南西諸島で行き場を見失って停滞する間に高い海水温の影響で猛烈に発達してからUターン。その後関東地方の東海上で再び西へカーブして岩手県の大船渡市付近に上陸して日本海に駆け抜けました。1951年の統計開始以来、岩手県に最初に上陸したのは初めてのことでした。ブーメラン台風とも呼ばれています。
日本気象協会のHPで過去の天気図を閲覧できるので振り返ってみます。台風10号が発生した翌日20日には日本の南海上に台風10号と台風11号があり、台風11号は東北の沿岸を北上して北海道に上陸、大きな被害をもたらしました。日本のはるか南には台風9号があります。2日後の22日には、北海道を直撃した台風11号は温帯低気圧に変わり、その後を追って台風9号が関東地方に上陸。東北線に沿って北上して関東地方の各地に猛烈な豪雨をもたらしました。一方注目の台風10号は南西諸島へ向かい南下を続けています。
さらに4日後の26日の天気図を見ると、台風10号は南西諸島で停滞して発達を続けています。太平洋高気圧と大陸の高気圧の狭間にあり台風を動かす上空の風が弱いため身動きとれません。しかも海水温が高いこともあって勢力は衰えません。日本列島を通過した気圧の谷に動きを合わせてその後Uターンを開始し、2日後の28日になると強い勢力を保ったまま関東の南海上を北東へ進んでいます。ところが北海道東方の高気圧が強まり行く手を阻みます。そのタイミングで上空の寒気を伴った寒冷渦が九州北部に南下して発達しながら北上。その寒冷渦に伴う低気圧と台風が相互に影響しあうことになります。
翌30日に台風10号は向きを西よりに変えて東北地方に上陸します。ゆっくり進んでくる寒冷渦に対し、台風は反時計回りにその北側へと引き込まれていくような動きとなります。これが本州を北西方向に横断した台風の動きの要因になっています。その後台風10号と寒冷渦は中国大陸で一つにまとまり西へ進み、その後をオホーツク海高気圧が南下するという異例の動きとなっています。
台風10号は、北緯30度より北の日本付近で生まれた台風としては観測史上記録的な長寿台風となっています。日本近海の海水温が高いことが一因になっているようです。一時は、日本の南海上で更に920hPa程度まで発達してから日本を直撃するという予測もありましたが、そこまで発達しなかったのは不幸中の幸いでした。
現在、奄美大島の東海上にある台風12号が発達しながら北上を続けています。オホーツク海高気圧にブロックされるように西側をゆっくりと進み、来週半ばには日本海に達する予想です。今週末から来週前半も台風の動きに要注意です。
ところで2013年から2015年にかけては1年を通して毎月のように台風が発生している一方、今年は台風の発生が例年より遅く7月になってようやく1号が発生しました。発生が遅い理由はエルニーニョ現象が今春まで続いた影響と言われていて、インド洋で対流が活発になる一方でフィリピンの東海上で雲がほとんど発達しないことが関係しているそうです。例年8月の台風は、沖縄や西日本へ向かうことが多い一方、今年は台風6号の北海道東部接近に続き、7号が北海道に上陸、続いて11号が北海道に上陸、9号が東日本、東北から北海道を縦断、そして今回10号が東北を縦断と8月以降は毎週のように東日本へ台風が影響しているのもその名残かもしれません。そして来週は台風12号が九州を狙っています。
今年の台風の発生場所や動きは異例づくしです。9月も気を緩めることができません。
台風10号(ライオンロック)は関東の南東沖で発生してから南西諸島に向かい南下します。7月頃には太平洋高気圧の縁に沿って西へ進んで、そのまま中国大陸へ向かうのはよくあるパターンですが、台風10号は南西諸島で行き場を見失って停滞する間に高い海水温の影響で猛烈に発達してからUターン。その後関東地方の東海上で再び西へカーブして岩手県の大船渡市付近に上陸して日本海に駆け抜けました。1951年の統計開始以来、岩手県に最初に上陸したのは初めてのことでした。ブーメラン台風とも呼ばれています。
日本気象協会のHPで過去の天気図を閲覧できるので振り返ってみます。台風10号が発生した翌日20日には日本の南海上に台風10号と台風11号があり、台風11号は東北の沿岸を北上して北海道に上陸、大きな被害をもたらしました。日本のはるか南には台風9号があります。2日後の22日には、北海道を直撃した台風11号は温帯低気圧に変わり、その後を追って台風9号が関東地方に上陸。東北線に沿って北上して関東地方の各地に猛烈な豪雨をもたらしました。一方注目の台風10号は南西諸島へ向かい南下を続けています。
さらに4日後の26日の天気図を見ると、台風10号は南西諸島で停滞して発達を続けています。太平洋高気圧と大陸の高気圧の狭間にあり台風を動かす上空の風が弱いため身動きとれません。しかも海水温が高いこともあって勢力は衰えません。日本列島を通過した気圧の谷に動きを合わせてその後Uターンを開始し、2日後の28日になると強い勢力を保ったまま関東の南海上を北東へ進んでいます。ところが北海道東方の高気圧が強まり行く手を阻みます。そのタイミングで上空の寒気を伴った寒冷渦が九州北部に南下して発達しながら北上。その寒冷渦に伴う低気圧と台風が相互に影響しあうことになります。
翌30日に台風10号は向きを西よりに変えて東北地方に上陸します。ゆっくり進んでくる寒冷渦に対し、台風は反時計回りにその北側へと引き込まれていくような動きとなります。これが本州を北西方向に横断した台風の動きの要因になっています。その後台風10号と寒冷渦は中国大陸で一つにまとまり西へ進み、その後をオホーツク海高気圧が南下するという異例の動きとなっています。
台風10号は、北緯30度より北の日本付近で生まれた台風としては観測史上記録的な長寿台風となっています。日本近海の海水温が高いことが一因になっているようです。一時は、日本の南海上で更に920hPa程度まで発達してから日本を直撃するという予測もありましたが、そこまで発達しなかったのは不幸中の幸いでした。
現在、奄美大島の東海上にある台風12号が発達しながら北上を続けています。オホーツク海高気圧にブロックされるように西側をゆっくりと進み、来週半ばには日本海に達する予想です。今週末から来週前半も台風の動きに要注意です。
ところで2013年から2015年にかけては1年を通して毎月のように台風が発生している一方、今年は台風の発生が例年より遅く7月になってようやく1号が発生しました。発生が遅い理由はエルニーニョ現象が今春まで続いた影響と言われていて、インド洋で対流が活発になる一方でフィリピンの東海上で雲がほとんど発達しないことが関係しているそうです。例年8月の台風は、沖縄や西日本へ向かうことが多い一方、今年は台風6号の北海道東部接近に続き、7号が北海道に上陸、続いて11号が北海道に上陸、9号が東日本、東北から北海道を縦断、そして今回10号が東北を縦断と8月以降は毎週のように東日本へ台風が影響しているのもその名残かもしれません。そして来週は台風12号が九州を狙っています。
今年の台風の発生場所や動きは異例づくしです。9月も気を緩めることができません。