昨日は弱い移動性高気圧に覆われて湿度が下がりました。八王子では最低気温21.3℃、最高気温32℃と想定ほど下がらず、ほぼ平年並み。それでも何となく秋の気配を感じる一日でした。絶好の登山日和となったので、久しぶりに三つ峠を散策してきました。
自宅を7時45分に出発。圏央道や中央道は混雑が始まっていたため国道20号を相模湖へ向かい、相模湖ICから河口湖まで高速を利用します。八王子周辺は快晴でしたが、丹沢や富士五湖周辺には積雲が湧いていて富士山の姿はほとんど見えません。南海上の前線の地形性の低気圧が発生している様子で予想より天気が悪そうな気配。三つ峠の山頂も積雲の中です。国道137号を経由し、御坂峠天下茶屋近くの駐車場到着は9時15分。駐車場はほぼ満車で、悪路を登るとタイヤを痛めそうなので、路肩の空きエリアを見つけて駐車します。
1年ぶりの三ッ峠です。以前は富士急行の三つ峠駅から歩いて山頂へ登り、尾根を下り河口湖駅まで歩くことが多かったのですが、ここ数年は車を使った楽ちん登山が続きます。標高1300mの駐車場から標高1732mの木無山までゆっくり歩いても1時間の近さです。このルートを使って山頂の山小屋までジープが往復するので、登山道というよりは岩だらけの未舗装の山道が続きます。
途中で見かけた蔓に咲く花。初めて見ます。タンザワイケマかな? 登山道のところどころで咲き始めていました。
2年前の8月12日に同じルートを登ったときに咲いていたレンゲショウマを探しますが、昨日は全く見ることができませんでした。今年は夏の訪れが早く既に終わってしまったのか、鹿の食害で個体が減ってしまったのか・・・
樹林帯を抜けると、高山植物が見られるようになります。これはウスユキソウ。
お目当てのカイフウロ。
2輪並んで咲いています。カイフウロは山梨県の三ッ峠で発見された花です。個体により赤い網目模様のスジの入り方が異なり、花びらの先の裂け方も個体差があります。
花を見ながらゆっくり登り、駐車場から約1時間で標高1732mの木無山に到着。
富士山にかかっていた雲の一部が切れて、山頂が姿を現しました。
近くの崖上の展望台に行って富士山を眺めます。この崖(屏風岩)の上では、ロープを使って下る準備をしている方が1名いました。
昨日、富士山は山頂が一番よく見えた瞬間
山頂をズーム
足元に咲き残っていたウツボグサ
三つ峠の尾根道や山頂付近の林床では毎年多くの花が咲くので楽しみにしていたのですが、今年は非常に数が少なくがっかりです。レンゲショウマ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、ヤマハハコ、クガイソウ、ヤマオダマキ、マツムシソウなど姿を見かけませんでした。天候の影響でしょうか。。。
尾根道を戻り、開運岳へ向かいます。
正面に開運岳が見えてきました
山頂へ向かう木道沿いで咲き始めていた大きな花はフジアザミ?
数年前に整備されて歩きやすくなった木道を登ります。NHKの電波塔が見えてきました。
10時35分。標高1785mの三ッ峠(開運岳)山頂に到着しました。正面の富士山は雲に隠れてしまいましたが、時々ちょこっと雲間に山頂が姿を見せます(冒頭の写真)。
西側には御坂山地。その先の南アルプスの峰々は雲の中です。
南東側の眺望。眼下には桂川沿いの街並みと道志の山々
北西には甲府盆地。その先の八ヶ岳やき北側の奥秩父は雲の中です。山梨県の山々には雲が湧いていますが長野県方面は快晴。
よく見ると、八ヶ岳の西側稜線の先に北アルプスの峰々が姿を現しています。
北アルプスをズーム。左端が霞沢岳、正面には前穂高、奥穂高から南岳、中岳、槍ヶ岳へと続く3000m級の峰々が連なります。
穂高連峰から槍ヶ岳をズーム。右端には常念岳が見えています。
富士山は姿を見せなくても北アルプスを遠望できたので、眺望には満足しました。
山頂に咲くホツツジ
開運岳から最後のピークである御巣鷹山へ向かいます。途中、レンゲショウマを探しましたが、こちらでも見つけることができません。今年は既に終わってしまったのかもしれません。
カイフウロも終盤。わずかに咲き残っていた花を見つけてパチリ。
シモツケソウ
御巣鷹山の南側に広がるお花畑にやってきました。マルバダケブキが満開です。
標高1775mの御巣鷹山に到着。山頂の電波塔を見上げます。周囲を木々に囲まれ周囲の眺望は得られません。
御巣鷹山から少し下ったところから開運岳の眺め。雲が無ければ、その先に富士山が見えるはずです。
再び開運岳へ戻ります。マルバダケブキにアサギマダラがとまっていました。遠くからパチリ。
この周辺ではアサギマダラが乱舞しています。
近くの花にひらひら舞い降りてきました。
蜜を吸っているのでしょう。
近くまで寄っても飛び去る気配がないので、スマホでも1枚。花の色合いがかなり異なります。
この周辺でもレンゲショウマを探しましたが、咲き終わった姿しか見られませんでした。今年は開花が早く終わってしまったようです。
途中で見かけたこの花は? タカオヒゴダイかな?
ハナイカリの群生
再び開運岳に戻ってきました。富士山は積雲の向こう側で見えません。東側の裾野の先には山中湖を見下ろします。
西側に西湖と本栖湖を見下ろします。
富士山周辺の雲がますます厚くなってきたので、駐車場へ戻ることにします。
山頂からの下りで咲いていた白い花。ここでしか見かけませんでした。花や葉の形から、ユウガギクやシロヨメナではありません。ハコネギク?
ソバナ。昨日見たソバナはどの花も雨に濡れて萎れていましたが、この花は元気いっぱいでした。
12時20分に駐車場に戻ってきました。YAMAPの記録を見ると出発からちょうど3時間。高低差は640m、歩いた距離は7.7km。ちょっとしたハイキングですね。帰りは混雑が予想される河口湖へは下らず、天下茶屋から御坂峠を越えて一宮へ下り、道の駅甲斐大和で休憩してお手頃価格のブドウをお土産に購入。勝沼から相模湖まで中央高速を利用して15時前に自宅に戻ってきました。富士五湖周辺で発生して眺望の妨げとなっていた雲は午後から弱まり、夕方にはきれいな富士山のシルエットが見えたようです。