先日、ひこね演劇鑑賞会の例会に行ってきました。
今回の上演は、前進座の「通し狂言『切られお富』~処女翫浮名横櫛~」。
前進座は、85年の歴史がある劇団で、封建的な歌舞伎界に反発して、
歌舞伎界を飛び出した役者らが立ち上げた劇団。
役者や裏方の給与を保証するようなシステムをとっているとか。
最近、代表の中村梅之助さんが亡くなられた、あの劇団です。
女優さんもいて、歌舞伎以外の演劇も上演されてるようやけど、
歌舞伎狂言もたくさん上演してきています。
「切られお富」は、江戸末期に河竹黙阿弥が書いた狂言。
人気狂言の「切られ与三郎」のパロディで、切られるのがお富。
悪婆ものの代表作とも言われる作品です。
主演は、当代の河原崎國太郎。
「通し狂言」というのは、作品を全幕通しで上演されることですが、
本家、松竹の歌舞伎公演でもあまりやらないとか。
いくつか場面が変わるのですが、そのたびに幕が閉まり、
舞台のセットを作り変えるんですね。間が空くのはいたしかたないけど、
巡回公演ながら、セットの移動もたいへんやろうなと。
なので、松竹の歌舞伎に比べるとシンプル、
でも、必要なものはちゃんとあるので、すごいなぁと思います。
歌舞伎は、やはり、型を見せるというか、見所はそこやなと。
所作、ポーズ、セリフ、どれも、ここぞというところがあって、
そを客席に向かって主張するんですね。
たぶん、ここで、大向こうから声がかかるんやろうけど
さすがに演劇鑑賞会では、みんな躊躇して?
「山崎屋!」の声がかけられることはなかったですね。
劇場に花道がないので、舞台袖の短い通路が花道代わり。
なので、間を持たせるためか、役者さんが行きつ戻りつしながら、
ハケていくのですが、その「芝居がかった」所作が楽しいですね。
公演の前に、某紙に紹介文が掲載されました。
実際に見てないので、上演台本と資料だけで書いています。
歌舞伎の場合は、決まり事がいろいろあるようで、
悪婆ものの女形は、着物も格子柄。
なので、後半は衣装の着物が変わりました。
江戸時代末期に、河竹黙阿弥が描いた男と女の世界。
本編の「切られ与三郎」にも増して、人気があったようです。
最後は、強請、騙りで巻き上げたお金を愛する与三郎に渡したくて
夫を殺し (夫も悪いヤツなんやけど)そのお金を、
与三郎に渡すと、自分も追っ手の手にかかって死ぬ・・・
となるんですが、ラストシーンは、和傘を持った追っ手が、
ずらっと登場して、大円団になるんですね。
調べてみると、実際の物語はその後があって、
実は、与三郎とお富は兄妹だった、兄妹で男女の仲になるのは畜生道。
場面も、狐ヶ崎の畜生塚、二人で死出の旅につく、らしいです。
長くなりすぎるので、そこまで演じられることはないようですけどね。
お富を演じる國太郎さんは、先代のお孫さん。
でも、先代が演じた「お富」は見たことがないとか。
先代の國太郎さんに指導を請うた、板東玉三郎さんに、
教えてもらったと、おっしゃってました。
歌舞伎界から袂を分かった前進座ですけど、
芸の交流はずっと続いているようです。
伝統はすごいな~と。
襲名は、名前を継ぐのではなく芸を継ぐこと。
第三世代の自分たちも次の世代に、芸を伝えなければいけない。
國太郎さんが、おっしゃってました。
今は、映像として残すことができるけど、
昔は、口伝ですからねぇ。
いつもの芝居とは異なる世界、楽しかったです。
次回は4月。
無名塾の「おれたちは天使じゃない」です。
仲代達也さん主演。楽しみ~
今回の上演は、前進座の「通し狂言『切られお富』~処女翫浮名横櫛~」。
前進座は、85年の歴史がある劇団で、封建的な歌舞伎界に反発して、
歌舞伎界を飛び出した役者らが立ち上げた劇団。
役者や裏方の給与を保証するようなシステムをとっているとか。
最近、代表の中村梅之助さんが亡くなられた、あの劇団です。
女優さんもいて、歌舞伎以外の演劇も上演されてるようやけど、
歌舞伎狂言もたくさん上演してきています。
「切られお富」は、江戸末期に河竹黙阿弥が書いた狂言。
人気狂言の「切られ与三郎」のパロディで、切られるのがお富。
悪婆ものの代表作とも言われる作品です。
主演は、当代の河原崎國太郎。
「通し狂言」というのは、作品を全幕通しで上演されることですが、
本家、松竹の歌舞伎公演でもあまりやらないとか。
いくつか場面が変わるのですが、そのたびに幕が閉まり、
舞台のセットを作り変えるんですね。間が空くのはいたしかたないけど、
巡回公演ながら、セットの移動もたいへんやろうなと。
なので、松竹の歌舞伎に比べるとシンプル、
でも、必要なものはちゃんとあるので、すごいなぁと思います。
歌舞伎は、やはり、型を見せるというか、見所はそこやなと。
所作、ポーズ、セリフ、どれも、ここぞというところがあって、
そを客席に向かって主張するんですね。
たぶん、ここで、大向こうから声がかかるんやろうけど
さすがに演劇鑑賞会では、みんな躊躇して?
「山崎屋!」の声がかけられることはなかったですね。
劇場に花道がないので、舞台袖の短い通路が花道代わり。
なので、間を持たせるためか、役者さんが行きつ戻りつしながら、
ハケていくのですが、その「芝居がかった」所作が楽しいですね。
公演の前に、某紙に紹介文が掲載されました。
実際に見てないので、上演台本と資料だけで書いています。
歌舞伎の場合は、決まり事がいろいろあるようで、
悪婆ものの女形は、着物も格子柄。
なので、後半は衣装の着物が変わりました。
江戸時代末期に、河竹黙阿弥が描いた男と女の世界。
本編の「切られ与三郎」にも増して、人気があったようです。
最後は、強請、騙りで巻き上げたお金を愛する与三郎に渡したくて
夫を殺し (夫も悪いヤツなんやけど)そのお金を、
与三郎に渡すと、自分も追っ手の手にかかって死ぬ・・・
となるんですが、ラストシーンは、和傘を持った追っ手が、
ずらっと登場して、大円団になるんですね。
調べてみると、実際の物語はその後があって、
実は、与三郎とお富は兄妹だった、兄妹で男女の仲になるのは畜生道。
場面も、狐ヶ崎の畜生塚、二人で死出の旅につく、らしいです。
長くなりすぎるので、そこまで演じられることはないようですけどね。
お富を演じる國太郎さんは、先代のお孫さん。
でも、先代が演じた「お富」は見たことがないとか。
先代の國太郎さんに指導を請うた、板東玉三郎さんに、
教えてもらったと、おっしゃってました。
歌舞伎界から袂を分かった前進座ですけど、
芸の交流はずっと続いているようです。
伝統はすごいな~と。
襲名は、名前を継ぐのではなく芸を継ぐこと。
第三世代の自分たちも次の世代に、芸を伝えなければいけない。
國太郎さんが、おっしゃってました。
今は、映像として残すことができるけど、
昔は、口伝ですからねぇ。
いつもの芝居とは異なる世界、楽しかったです。
次回は4月。
無名塾の「おれたちは天使じゃない」です。
仲代達也さん主演。楽しみ~