水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

4月27日

2009年04月27日 | 日々のあれこれ
 新任の先生の研修で話をするように命じられ、次の二つを話した。
「丸腰で生徒の前に立たないようにしよう。生徒が話を聞いてくれるのは、けっしてわれわれの授業がすばらしかったり、人間的にすぐれていたりするからではまったくない。先生という鎧を着ているから生徒としてふるまってくれるだけだ。生身の人間として生徒の前にでるという危険をおかしてはいけない。ちゃんと距離もとり、生徒を君づけでよぶようにしよう」
「勉強しよう。勉強したからといって、すぐにそれが身に付くものではないし、授業がうまくなるわけではない。でも勉強している人であることは、何らかの形で生徒に伝わる。技術的に足りない部分は気持ちで補おう」
 まあしかしおれもエラくなったものだ。
 自分の一年目時代より明らかにしっかりしている若い先生方を見て、そう思ったが、そんな気持ちは顔に出さずえらそうに話しきった。
 二つめの話は、音楽にもあてはまる。
 どうしたって、技術は劣る。何年も楽器をやっている子たちの集団に比べたら、技術力の総体で勝てるわけはないのであるが、それって狭義の技術ではないだろうか。
 いい音楽をつくるには、取り組む姿勢も大事だ。
 月並みだけど音楽に対する「誠実さ」のようなもの。
 それは、音楽に限らず、いろんなものにちゃんと取り組む、努力するという過程でのばしていくことができるような気がするから、やはり大きな意味では技術と言えるのではないか。
 楽器の技術は部活中にしか練習できないが、気持ち面は生活全体でのばしていけるような気がするのである。
コメント
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