水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

すーちゃんの決心

2010年09月13日 | おすすめの本・CD
 益田ミリ「すーちゃん」シリーズの3作目。
 いやなことがあった時、それに立ち向かうことは立派だけれど、ときには逃げることも必要だ。
 ある程度大人になればみんなわかっていることだけれど。
 でも若いうちは、とくにまじめな子は、そういうのを自分の責任だと受け止めてしまう。
 世の中、おかしい人はいるのだ。
 すべての人に対して同じ距離感で接するのは無理だ。
 人と人には相性がある。
 「この人とはどうしてもわかりあえそうにないな」と思ったなら、完全に逃げてすむならそうすればいいし、一緒にいざるを得ないなら、適度にあしらいながらやっていくしかない。
 「人と人とはわかりあえる」などという幻想を、たとえば教育関係者が本気で教えたりするのは犯罪に近い。
「みんなちがってみんないい」byみつを
「縦とピッチは(できれば)同じがいい」byくにを
 だから、すーちゃんが仕事やめようかなと考えはじめた時は、それがいいんじゃないかなと思いながら読んでいた。
 「嫌いな人のいいところさがしたり、嫌いな人を好きになろうとがんばったり、それができないと 自分が悪いみたいに思えて、また苦しくなる」
 この向井さんタイプの人はぜったい変わんないから。
 無意識のうちに自分の言動が他人を傷つけることに気づかないのではない。
 自分の言動で傷ついた相手を見ることが無意識のうちに快感になっているタイプだ。
 「逃げ場がないなら、その部屋にいてはだめなんだ」
 そうだよ、すーちゃん。生活はなんとかなるよ。
 それ以上がんばったら、ぎゃくに身体こわすから。
 「仕事、もう辞めよ」
 「あたし悪くない、誰がなんと言おうと」
 3ヶ月後、新しい職場を見つけたすーちゃんと、上京してきたお母さんとの会話を読んで号泣してしまったのは、文化祭疲れも多少はあるかな。

 
コメント
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