「1969」という由岐さおりさんのCDが世界的に売れているときいたので買ってみた。
アメリカの高名なジャズシンガーのプロデュースでできた作品だ。
由紀さおりの代表曲である「夜明けのスキャット」や、同じ1969年にヒットした歌謡曲、そして同年のポップスの名曲がカヴァーされている。
いやあ、いいですね。
歌謡曲の神髄、というか「歌謡曲」と一元的に語ることのできる最後の年代の歌。
「ブルーライトヨコハマ」とか、「いいじゃないの幸せならば」とか。
あえて理屈をつければ、必死になって高度経済成長を支えてきた日本人の心のどこかに、余裕がうまれ、ちょっとけだるい感じが生まれてきた時代を感じさせる楽曲であるとこが、いい。
由岐さおりさんの歌声がまたすばらしく、よく透明感のある歌声とか言われるけど、たしかにそうなんだけど、よく聞くと女性のしたたかさや情念がかいま見える(聞こえる)とこがあり、さすがに数十年トップシンガーとして生きてこられた方はちがうなと思うのである。
女の情念と言えば、先月ブルーノートトウキョウで聞いたオリアンティのギターもすごかった。
あの「This is it」でギターを弾いていたギャルです。
かっこよかった。
見た目はかわいくて、ギターの音は濃かった。
ほんま、ごっつぅ業の深い音で弾かはりますわ。