駿台での、こんどは現代文の講習をおえて、新御茶ノ水から明治神宮前まで千代田線で移動し(都会人じゃね?)、はじめての渋谷公会堂へ。もっと古くさいかと思ってたけど、なんか落ち着いた感じでよかった。
いや、演奏が落ち着いていたからかな。
駒沢大学吹奏楽部という大学バンドの雄は、その気合いの入り方は本校OBからずいぶん聞いていたし、都大会で耳にしたパワフルなサウンドから、けっこうあつい演奏会を予想していた。
いや、あつくなかったというのではない。
演奏会にかける部員の思いは、それはあついものがあるだろう。
でも音自体は、すごく洗練されていたのだ。
やっぱ高校生とはちがうな。あたりまえだけど。
フォルテの音はがっつり会場全体をひびかせるけど、高校バンドでよくある力まかせのものではなくて、心地よい振動だった(音はでかいよ)。
一人一人が上手なのはよくわかるけど、おれがおれがという吹き方を誰もしてなくて、合奏体として演奏しようとしているのが伝わってくる。
ここまでになるのに、バンドのメンバーがどれだけのものを捨てているかを考えると頭がさがる。
「おれ大学生なのに、あれもしてない、これもしてない」なんて感覚も、ふと我に返ってしまうと出てくるかもしれない。
でも、それ以上のみかえりは手にしているはずだ。そんな音楽だった。
このバンドの中心メンバーに、本校のOBがいること自体が誇らしかった。
とみたか君、かさはら君、おつかれさまでした、最後にきけてよかった。