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炎の武士 池波正太郎
武士の半生を淡々と描いた短編4つで、その4人は、よく知っている「土方歳三」、名前は知っているがどういう人だったのかはよく知らない「間宮林蔵」、それから全く名前も聞いたことのない人物2名である。私にとっては、このなかでは、間宮林蔵の話が最も面白かった。土方の話は、いろいろ聞かされていたりするし、TVドラマ「新撰組」でもおなじみなので、新しい解釈がなされているのかも知れないが、こちらに深い知識がなければ、似たような話を聞かされた感じであまり印象には残らない。かといって全く知らない人物では、全くの創作かもしれないし、実在の人物であったとしてもそういくこともあったんだろうなぁ程度の感想しか沸かない。その点、間宮林蔵という人物は、カラフトが島であることを発見した人物であるという程度の知識はあるものの、何故そんな探検をしたのか知らないし、考えたこともなかった。そういう意味では、彼の業績の意義や時代背景を思いながら読むことができて、よかったなぁという気になった。知りすぎていてもだめだし、知らなすぎてもだめで、事実であったとしても、事実なのかフィクションなのか、紙一重の心境で読める小説、こういう小説を読者参加型の「虚実皮膜」というのではないかと思ったりもした。「(「炎の武士」池波正太郎、角川文庫)
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R・ジョンソン
大柄な彼の姿とダブらせると、このちまちましたサインは結構ユーモラスに思える。
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G・マダックス
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ロジャー・クレメンス
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