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炎の武士 池波正太郎

武士の半生を淡々と描いた短編4つで、その4人は、よく知っている「土方歳三」、名前は知っているがどういう人だったのかはよく知らない「間宮林蔵」、それから全く名前も聞いたことのない人物2名である。私にとっては、このなかでは、間宮林蔵の話が最も面白かった。土方の話は、いろいろ聞かされていたりするし、TVドラマ「新撰組」でもおなじみなので、新しい解釈がなされているのかも知れないが、こちらに深い知識がなければ、似たような話を聞かされた感じであまり印象には残らない。かといって全く知らない人物では、全くの創作かもしれないし、実在の人物であったとしてもそういくこともあったんだろうなぁ程度の感想しか沸かない。その点、間宮林蔵という人物は、カラフトが島であることを発見した人物であるという程度の知識はあるものの、何故そんな探検をしたのか知らないし、考えたこともなかった。そういう意味では、彼の業績の意義や時代背景を思いながら読むことができて、よかったなぁという気になった。知りすぎていてもだめだし、知らなすぎてもだめで、事実であったとしても、事実なのかフィクションなのか、紙一重の心境で読める小説、こういう小説を読者参加型の「虚実皮膜」というのではないかと思ったりもした。「(「炎の武士」池波正太郎、角川文庫)
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R・ジョンソン

R・クレメンス、G・マダックスときたので、次は現役最高の左腕投手R・ジョンソンだ。彼のサインは、非常に特殊な気がする。まず、非常にちまちましている。それから、左利きの特徴がよく出ている。そして最後に非常に「悪筆」だと思う。ちまちまとして左利きであることは一目瞭然だ。私には、英語の文字が「悪筆」かどうかを見分ける能力があるわけではないが、このサインはどうみても悪筆だと思う。文字は省略されておらず、フルスペルなのだが全然読めない。「フルスペルなのに全く読めない」というのは、私が持っているサインのなかでも、非常にまれなケースである。最初の縦棒がジョンソンのJで、その後の文字がhの小文字だと気がつけば、あるいは読めるかもしれないが、日常生活でこのような文字を書かれたら、ネイティブでも読めないのではないか。全体の形そのものは、非常に特徴的で楽しいのだが、
大柄な彼の姿とダブらせると、このちまちましたサインは結構ユーモラスに思える。
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G・マダックス

R・クレメンスと並ぶもう1人の現役最高の右腕投手が、G・マダックスである。彼の全盛期は1994年と1995年の年間で、2年続けて防御率が1%台。これは、戦後の大リーグで、彼しか為し得ていない大記録とのことである。この2年間ちょうど私はNYにいたが、当時のNYタイムスが、この事実をクローズアップして「彼こそが史上最高の投手である」という内容の記事を載せていたのを記憶している。但し、この記事は、彼の、力でねじ伏せるのではなく、丁寧にコースをついて打たせてとるピッチングスタイルが必ずしも大リーグファン好みではないことを前提として、その見方に異を唱えるような形で書かれていた。その証拠に、「彼こそが史上最高の投手である」という内容の記事のタイトルは「彼は史上最高の投手か?」となっており、「?」マークが付いていた。疑問形のタイトルにすることで、あえてそうしたファンの好みへの挑戦を意識したした文章であることを表明していたように思う。彼のサインは、大選手によく見られるのだが、たくさん書いても疲れにくいように、筆力を入れず、肩の力を抜いて書いたことが判るものとなっている。新人選手にこのようなサインをされるとがっかりだが、彼のようなが選手がそうする分には、何の問題もない。ファンは、彼のサインであるというだけでうれしいのである。
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ロジャー・クレメンス

昨日BSを見ていたら、たまたまNYヤンキースのR・クレメンスが投げていた。43歳になり往年のスピードボールは無いとアナウンサーが言っていたが、彼の気迫で投げる姿はとにかく見ていて気持ちが良い。結局三振8個で勝利投手になった。この選手のモチベーションがどこから来るのか不思議だ。一度引退しかけたが、オリンピック出場を目指して現役を続行。オリンピックの予選でアメリカが敗退してもうやめるだろうと思っていたら、再びNYに。昨日の試合をみる限りではまだまだ投げられそうな感じだ。このサインは、試合中とは違う穏やかな表情の若い頃の写真にサインされたもの。サインの形状がとても美しく、印象的な1枚である。
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