北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

ゴマシジミ♀産卵時の触角だらり行動の謎

2020-01-30 21:04:04 | ゴマシジミ
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ゴマシジミ♀産卵時の触角だらり行動の謎


2017-8-12 (土) 晴れ のち曇 18度C


この付近には以前から開けた山裾の斜面に小規模な草原がありナガボノシロワレモコウが群落をつくっていて、この時期、ゴマシジミが飛ぶ。



ナガボノシロワレモコウ。



ナガボノシロワレモコウにゴマシジミ♀が産卵しているのを発見し撮影した。





以前にもこのブログで紹介したように、産卵行動中の♀は触角をだらりと下げていることが多い。





以前この触角だらり行動を発見した時は、それだけでうれしくなり、せっせと撮影はしたものの、なぜ産卵中のゴマシジミ♀が触角だらり行動をとるのか考えるには至らなかった。




触角だらり行動は♂のゴマシジミには見られない。 産卵行動中の♀ばかりである。




そうすると、産卵行動時になにか危険が迫っていないかを察知するための行動ではなかろうかとまず、思いいたるのは自然の流れだろうとおもう。




蝶の触角の働きは、主に震動や臭いを感じることと思われている。蛾の場合はフェロモンの感知にも関与しており数キロ先の♀の発するフェロモンをも感知するという。




ところで以前ゴマシジミの撮影に熱中していたころ、ゴマシジミの発生場所にあるナガボノシロワレモコウには、かなりの確率で種々の大きさのクモが潜んでいることに気づいている。




ナガボノシロワレモコウの葉陰にじっと潜んだり、クモの巣を張ったりして、この植物の白い穂に吸蜜にくる昆虫( 蝶はゴマシジミとヒョウモンチョウ )を狙っている。




産卵中は無防備状態になるゴマシジミ♀は、ナガボノシロワレモコウに向けて触角をだらりと下げて、産卵部位付近の微小な空気の振動(天敵の接近)を鋭敏に察知しようとしているのではあるまいか。





天敵の接近を示唆する微小な震動刺激を察知したら、ただちに産卵行動を止めて舞い立つのではなかろうか。




そんな現場を是非、目撃・撮影(動画が好ましい)できればと思う。






といった触覚だらり行動の意味合いを危険察知の側面から想像してみました。






このほか、ゴマシジミ♀の産卵時触角だらり行動について何か別の意味合いを思いついた方がおられましたら、是非ご教示下さい。







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樹幹にとまるオオヒカゲの謎。

2020-01-27 00:40:40 | オオヒカゲ
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樹幹にとまるオオヒカゲの謎。



2017-8-12 (土) 晴れ のち曇 18度C



このあたり一帯に、この時期オオヒカゲが多い。



大型のジャノメチョウのオオヒカゲはスゲなどを食草として、スゲの多い湿地のまわりに多い。






湿地には近年、珍しくなってきたガマの穂がみえた。
 


この日は、ざっと20匹のオオヒカゲを目撃。数匹を撮影した。



♂はやや汚損。  



オオヒカゲに見られる顕著な行動の一つに、パタパタ飛んだ後、比較的太い樹木の幹に好んでとまることがある。




特に保護色になるでもなく、樹液の吸汁をするでもなく、なにをするでもなく、ただ止まる。




何故、好んで樹幹に止まるのだろうか。




このチョウのくせ見たいなものだろうか。




いろいろ思案してみた。





捕食者となる鳥類はこの蝶が樹幹に止まっていると、草の葉や枝先にとまっているよりは、捕らえにくいのではあるまいか。




チョウが草や枝先に止まっている場合と較べると、鳥が一撃・一瞬に捕食しようとするとどうしても樹幹にぶつかるので、それは困難をきわめる。





かといってオオヒカゲの近くに止まった後にオオヒカゲに近づこうとすれば、オオヒカゲが飛んで逃げる時間的余裕が生まれる。





きっと、それがオオヒカゲが好んで太い樹木の幹に静止している理由ではなかろうか。




瞬発力に乏しい大型のジャノメチョウのオオヒカゲは、この素早いクロヒカゲみたいな止まり方をすれば、たちまち鳥に捕食されるのではなかろうか。







どなたか、他の理由を思いついた方がおられましたらご教示下さい。


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ツバメシジミ夏型♂の吸水集団

2020-01-22 02:02:47 | ツバメシジミ
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ツバメシジミ夏型♂の吸水集団



2017-8-12 (土) 晴れ のち曇 18度C



この日の午後、ウラジャノメの食草リシリスゲを採りに車で10分ほどの林道へでかけた。




エゾヤマハギの多いところにツバメシジミ夏型♂が沢山羽化していた。




地面に吸水中の集団を撮影。 




このあたりでは、ごく普通種のツバメシジミもよく見ると羽化したての個体はとても美しい。




湿った地面で多数吸水にきているツバメシジミはすべてが♂。







吸水集団をつくるチョウの種類は多いが、そういえば吸水に集まるのはどの種類も全てが♂ばかりで一般的に♀はみられない。




♂の羽化が終わり始めたころ♀の羽化がはじまる。




まわりにはツバメシジミの幼虫が食べるエゾヤマハギの群落が多く花穂をつけている。









この日はエゾスジグロチョウの2化も多数羽化しており、近くのアザミにも♀がきていた。







      この項、続く。



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オオモンシロチョウ♂を凍てつく庭に放してみた。

2020-01-16 20:05:31 | オオモンシロチョウ
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オオモンシロチョウ♂を凍てつく庭に放してみた。


2020-1-5 (日)  晴れたり曇ったり +3℃〜 -12℃ 


次にオオモンシロチョウ♂で同じ実験を行った。


庭に放るとこの♂は、♀と異なり、ひらひら飛んで旋回しながら6mほどの高さに舞い上がり太陽の逆光に入ってしまった。



まぶしくて私が目をそらしてしまった5秒間のあいだにどこかへ消えて見失った。



いくらさがしても見つからずあきらめて玄関へもどると玄関前の敷石に降りて止まっていた。



動かずじっとして完全な仮死状態になっておりこれを庭にあちこち放ってもストンと地面に落下するばかりであった。















そのうち、羽根がおちょこになってしまった。




このとき庭の温度を実測するとプラス3℃。 



撮影後室温22℃の居間にもどすと5分ほどで動きはじめ10分ほどで復活しヒラヒラ飛び始めた。

















オオモンシロチョウ寒冷暴露実験まとめ


1. オオモンシロチョウは♂も♀も気温プラス3℃の庭では、たちまち仮死状態になるが、すみやかに室温22℃の居間にもどすと10分以内にヒラヒラと舞い出す。



2. 急激な気温低下時、♀は瞬時に仮死状態になるが♂は30秒ほど飛びつづけた。



ミヤマカラスアゲハの場合も含めて、こんな実験を行ったのは恐らく私が世界で初めてと思いますが、私的にはとても興味深い結果でした。






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実験、オオモンシロチョウ♀を凍てつく庭に放してみた。

2020-01-12 21:36:55 | オオモンシロチョウ
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実験、オオモンシロチョウ♀を凍てつく庭に放してみた。


2020-1-5 (日)  晴れたり曇ったり +3℃〜 -12℃ 


寒そうな外を見ているうちに、先年マイナス20℃の真冬、雪の庭に丁度羽化したミヤマカラスアゲハを飛ばせてみたときのことを思い出し、今日、正月あけ、プラス3℃だが凍り付いている庭にオオモンシロチョウを飛ばせてみました。



まず、元気の良いオオモンシロチョウ♀を、プラス3℃の庭にほいっと飛ばせてみた。



空中にほおったこの♀はまったく羽ばたかずストンと凍った庭に落ちた。



ミヤマカラスアゲハと同じパターンだ。



地面におちたあと、少し歩いたがすっと横に倒れた。



そしてほとんど仮死状態になってしまった。ピクリとも動かない。






しばらく撮影したあと、23℃の部屋にもどすと、5分後には生き返ったようにゆっくり歩きはじめ10分後には室内を飛び回った。






-20度Cの寒冷暴露でミヤマカラスアゲハは即死したが、今日、+3度C 程度ではオオモンシロチョウは可逆性の仮死状態に陥ったにすぎませんでした。






  この項、続く。



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