北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

クモマベニヒカゲとハンゴンソウ

2019-09-15 15:20:12 | クモマベニヒカゲ
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クモマベニヒカゲとハンゴンソウ


20XX-7-24 (土) 晴れ 猛暑 35℃


この日、 K 氏夫婦は早朝6時から NK 岳へ誰よりも早く登り、最盛期のクモマベニヒカゲを60頭ほどすくって意気揚々と下山した。



そのあとずいぶん沢山の人が登ってきたらしいがまったく採れなかったようだ。



みなさん、今年は隔年発生のクモマベニヒカゲが出ない年だから...etc などと話しあいながら空しく下山。



それでも今日、明日はかなりのクモマベニヒカゲ狙いの採集者が NK岳の狭い発生地に入るらしい。



しかしK氏夫妻が多くの個体をすくってしまったので、この産地ではもはや多くの個体は期待できないだろう。



このところ大雪湖周辺ではクロオオイチはぜんぜん採れていないとのこと。



近年、クロオオイチ狙いの採集者が、クロオオイチが採れずクモマベニヒカゲ採集に転戦するのことが多いので有名産地では絶え間ない採集圧のせいか、クモマベニヒカゲ個体数は激減しているようだ。



しかし、この蝶の発生地は、広大な大雪山系ではほかにも多数あるとおもわれ、この蝶を多数観察したい場合は新天地を自分で捜すしかないだろう。



この蝶に関してもう一つの問題点は、短い発生時期を正確につかむのが難しいことだ。



たとえば 20XX-7-18 (日) この日 NK 岳ではクモマベニヒカゲの発生時期はまだ早く1♂を見たのみであった。



クモマベニヒカゲ発生の指標植物はこの蝶が最も好む吸蜜植物のハンゴンソウだがこの日はまだツボミであった。。



しかし、その1週後にはピッタリ発生最盛期となり多数の個体がみられている。ハンゴンソウも満開状態。多くの昆虫が吸蜜に集まっていた。
















その1週後にはもう汚損個体ばかり。



大雪山系のクモマベニヒカゲの発生最盛期は、積雪量との関係か、平気で7-10日ほど変動するようだ。



最近は大雪山の山奥ではなく国道沿いに大繁殖した外来種コウリンタンポポに吸蜜する個体がみられるようになった。



北海道の高山蝶代表のクモマベニヒカゲが攻撃的外来種筆頭のコウリンタンポポに吸蜜する姿は、異様な光景にも見え、かわいそうな光景にも見える。


          クモマベニヒカゲの写真はすべてX氏撮影。




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大雪山でコウリンタンポポに吸蜜するクモマベニヒカゲ♀

2016-11-27 22:07:20 | クモマベニヒカゲ
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大雪山でコウリンタンポポに吸蜜するクモマベニヒカゲ♀


前回、大雪山で 攻撃的外来種コウリンタンポポに吸蜜するクモマベニヒカゲ♂の写真をアップしました。


このほかコウリンタンポポに吸蜜するクモマベニヒカゲ♀の写真が見つかりましたので今回アップしておこうと思います。












2010年7月に大雪山山麓で同じくM氏により撮影されたものです。

本来、北海道の最も原始的な自然環境に棲む高山蝶代表クモマベニヒカゲが、攻撃的外来種筆頭コウリンタンポポに吸蜜する姿はいかにも情けない光景だと思うのは私だけでしょうか。





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大雪山山系で攻撃的外来種コウリンタンポポにクモマベニヒカゲが吸蜜 

2016-09-25 17:36:07 | クモマベニヒカゲ
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大雪山山系で攻撃的外来種コウリンタンポポにクモマベニヒカゲが吸蜜 

コウリンタンポポ  Hieracium aurantiacum L. は、草丈40cm前後、ヨーロッパ原産のキク科の帰化植物である。







花の形がタンポポに似ているので紅輪蒲公英(コウリンタンポポ)の和名がついたもよう。




明治の頃に観賞用として日本に持ち込まれたものが野生化したとされる。

北見市でも道端や空き地、道路の吹きつけ法面などに良く生える多年草で、タンポポに似た形状の紅色ないし濃いオレンジ色の花を咲かせ大きな群落を形成する。

北海道全域に広く繁殖して7月から8月にかけて開花する。

岡山県では、よく似た仲間のキバナコウリンタンポポを吹き付け法面に見かけることがあるという。


コウリンタンポポは繁殖力がきわめて強く、今では帰化植物として日本中に定着し、在来植物への影響が強く懸念されている。

しかし、日本では外来種ではあるものの、何故か外来生物法による規制は特に存在しない。

北海道ではブルーリストでA2 ( 防除対策の必要性について検討する外来種 ) に指定されており、実際に生態系に大きな影響を及ぼしている。

しかし北海道各地で大繁殖しているセイタカアワダチソウと同じく、あまりにも広く繁殖しているため駆除などおもいもつかない状況である。


コウリンタンポポは別名エフデタンポポとかエフデギクとも呼ばれる。

全体の姿が絵筆を思わせるからだろうか。かって、おそらく鑑賞用にヨーロッパからアメリカに導入された時には、その美しさを賞賛するかのように「ビーナスの絵筆」と呼ばれたらしい。

しかしこの花のあまりに強い無制限ともいえる繁殖力のため、恐れをなしたようでやがて「悪魔の絵筆」と呼ばれるようになったという。

あろうことか、最近、高山蝶クモマベニヒカゲが大雪山山麓で道路沿いに大繁殖したコウリンタンポポに好んで吸蜜することがわかった。











知らない人が見れば、きれいな花に珍しい蝶が吸蜜している好ましい絵に見えるかもしれない。

ネットマンにしてみればコウリンタンポポだろうが、なんだろうが蝶が好んで飛来して採集しやすければ良しということになるが、なんとも複雑な気持ちになってしまう。





実際、クモマベニヒカゲも、この花に好んで吸蜜するようで、おいしい蜜源として、案外喜んでいるのかもしれませんが…………..。


これも、世の流れなのでしょうか。


  大雪山山麓でコウリンタンポポに吸蜜するクモマベニヒカゲの写真は M氏 撮影。



  先日、北海道能取湖で 野生のシロイルカ と遭遇する貴重な体験をしました。






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