北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

手乗りカラフトルリシジミの撮影とカラフトルリシジミ異常型。

2021-11-02 17:30:18 | カラフトルリシジミ

手乗りカラフトルリシジミの撮影とカラフトルリシジミ異常型。

 

 

20XX-7-18 (土)曇り のち小雨 寒い

 

 

 

前述のごとく、叩きだし作戦で現れた3頭のうち2頭は触れんばかりに接近、接写しても全く逃げず急速な気温低下のせいで動きが相当鈍くなっているようだ。

 

 

 

試みに指を近づけると私の指に移動、手乗りカラフトルリシジミ状態になった。

 

 

もう一頭も同様に手乗りカラフトルリシジミになってくれた。

 

 

 

 

 

1頭は上翅裏面亜外縁の最内側黒点列が消えた異常型であった。このタイプは、かって春国岱のカラフトルリシジミ数十頭の逆展翅標本を見たとき全てがこのタイプであり、これは間違いなく別亜主だと確信し驚愕したことを思い出した。

 

 

しかし、今回の感触では春国岱の一部に多くみられた一型(特殊型)と考えるのが妥当かとおもわれた。

 

 

 

最後に現れた一匹も 同様な異常型でここではさほど珍しくない型かもしれない。

 

 

手乗りカラフトルリシジミたちはほどなく人間の指にとまっていることに気づいたのか 急にあわてふためいて飛び去った。

 

 

 

 

アカエゾマツの林の林縁にはウラジャノメが発生していて人影に舞い上がって松の枝にとまる。湿原乾燥化に伴いリシリスゲが侵入しており、これを食草にして勢力を拡大しているのだと思われた。

 

 

 

低温、曇天、気温低下でもはやここでのカラフトルリシジミ撮影は無理と判断。 次の目的地の野付半島へとむかった。

 

 

カラフトルリシジミの話が長く続いたので、しばらくカラフトルリシジミの話はお休みにしようかと思います。

 

 

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カラフトルリシジミの叩きだし撮影

2021-10-20 15:06:35 | カラフトルリシジミ

カラフトルリシジミの叩きだし撮影

 

 

 

 

20XX-7-18 (土)曇り のち小雨 寒い

 

 

 

落石湿原にもどると空はどんぐもり。風が強く吹いたりおさまったり。

 

 

 

 

風が吹き出すと急速に気温が下がり体感温度もぐんぐん下がる。

 

 

 

 

カラフトルリシジミはまったく見えない。

 

 

 

ウラジャノメが数頭飛んでいるが気温が低いせいか1頭が松の枝にとまった。慎重に接近し背伸びをしながらデジカメを持った手を伸ばして撮影。数枚撮影で逃げてしまった。

 

 

今日は作戦をたて 3.0mの渓流竿で湿原の草をスィーピングしながら進んだ。

 

 

 

要するにカラフトルリシジミの叩きだし作戦である。 

 

 

 

ときどき、思い出したようにカラフトルリシジミが舞い上がるが、まことにすぐれた保護色で風に乗って遠くに吹っ飛んでゆきすぐ見失う。

 

 

 

 

どこに蝶がいるかお分かりでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間ほど湿原の叩きだしをやって10匹ほどが飛び出して うちやや盛期が過ぎた3♂♂を撮影する事が出来た。

 

 

 

 

 

 

 

この♂は前翅裏面亜外縁の内側黒点列が消えた異常型。 春国岱のカラフトルリシジミも内側黒点列が消えるが、パターンとしてとてもよく似ている。

 

 

 

 

 

 

 

       この項、続く。

 

 

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春国岱のカラフトルリシジミを求めて

2021-10-13 16:27:05 | カラフトルリシジミ

春国岱のカラフトルリシジミを求めて

 

 

北海道の根室半島北側の付け根に海跡湖である風蓮湖がある。風蓮湖の東端に長さ8Km、最大巾1.3Kmほどの島状の砂州があり、普段は狭い水路で隔てられているため人間は容易に立ち入ることが出来ず、そのため赤エゾマツの森林を主体とする原始の自然が手つかずで残されてきた。ここは春国岱(しゅんくにたい)と呼ばれ、林床にはコケモモ、ツルコケモモ、ガンコウラン、ワタスゲ、エゾイソツツジなど湿原性の所謂高山植物が多い。ここまで書けば、蝶の愛好家なら、もしかすると、ここには氷河期の遺存種カラフトルリシジミがいるのではないかと想像をかきたてることだろう。

 

実は、はるか昔のことだが、蝶の先輩であったK氏から春国岱で採集したというカラフトルリシジミ数十匹の逆展翅標本を見せられたことがあった。ずらりと並んだすべての個体で上翅裏面亜外縁の最内側黒点列が消えていた。これまで見たこともない異様な、不思議なカラフトルリシジミであった。数が沢山あることから異常型ではなく、別亜種といってもよいのではなかろうかと思ったほどだ。K氏はその後、病気で亡くなられ、私は採集場所や出現時期の詳細を聞かなかったことを悔やんだ。それからとても長い年月が過ぎたが、このたび何となく春国岱のカラフトルリシジミを思い出し、出かけてみた時のことをブログアップしておきます。

 

 

 

 

20XX-7-18 (土) 朝から曇り。曇り のち小雨 寒い。気温は16℃。 

 

 

 

朝食後 午前8:30 根室に来るときはいつもお世話になる常宿をでて春国岱へ出発。ほどなく到着した春国岱入り口の広い駐車場には私の車一台のみ。 

 

春国岱遠景。

 

 

 

 

春国岱中景。

 

 

 

 

 

掲示板の通り、木道がはるか遠くまで続いている。

 

 

 

 

いよいよ木道を歩いて春国岱へわたる木橋へさしかかると、なんと2014年12月26日の高潮で木道・木橋があちこちで流出、ないし破壊されており橋には通行止めのロープ。これでは春国岱へ渡れない。

 

 

 

 

幸いあたりにはだれもいなかったので、意を決して橋の壊れたところを何とかアクロバテックにわたって突破し強引に春国岱へ侵入した。

 

落っこちたらタダでは済まないと、かなり緊張しながら何とか破損箇所を渡りきった。流木が乗り上げたところは難なく突破。

 

 

 

 

順調にゆくかに見えたがなんと遙かむこうで再び木道が何カ所もが破壊・流出状態で春国岱の湿地帯を突破するのはどう見ても不可能だ。目的の春国岱の奥、アカエゾマツの森へ入って行くのは無理。あきらめて引き返さざるを得なかった。 

 

 

 

 

 

目の前にカラフトルリシジミがいるかもしれないアカエゾマツの森が見えていながら、木道損壊がひどく到達は諦めざるを得なかった。

 

 

 

 

 

無人の春国岱にはおびただしい数のエゾシカの群がいて、まさに野生の王国である。

 

 

 

 

 

2021年7月 現在、春国岱へわたる木橋や、その奥の木道は依然壊れており通行止めの状態は続いているもよう。根室市ではふるさと納税を使用して修復する予定はあるようだが、もしかすると春国岱の原始の自然の保護のためには今のままがよいのかも.........。

 

 

 

しかし、せっかくきたので何とか カラフトルリシジミの写真は撮影したい。

 

                 この項、続く。

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落石岬でカラフトルリシジミの探索

2021-10-03 16:17:42 | カラフトルリシジミ

落石岬でカラフトルリシジミの探索

 

20XX-7-17 (金)  晴れ  強風

 

 

この日、昼食後1時間ほど落石岬へ行ってみた時のこと。

 

 

 

落石岬の駐車場から木道を25分ほど歩いて落石灯台へ着いた。

 

 

 

 

途中、戦時中の日本軍の無線送信所跡の建物があった。

 

 

 

落石岬はサカイツツジの国内唯一の自生地として有名であるがモンゴルのように大きな群落をつくるのではなく、高層湿原のなかにパラパラといかにもささやかに自生しているらしい。

 

 

 

今はサカイツツジの花の時期は終わっているようだ。

 

 

落石岬灯台。

 

 

 

 

落石岬の断崖。

 

 

 

 

落石岬に近い高層湿原では、カラフトルリシジミは見当たらなかった。

 

 

 

 

 

チシマフウロの花。

 

 

高層湿原に咲いていたアヤメ。

 

 

 

ウツボグサ。

 

 

 

この花 何だろう。

 

 

 

落石岬に最もふさわしくない外来種マルガリータが道沿いにかなり侵入していた。今のうちに処理しておかないと5-6年後には美しいマルガリータの大群落ができてしまうと思います。

 

 

 

 

途中の赤エゾマツの林の中はツルコケモモやガンコウラン、コケモモはないようで 湿地と言っても水芭蕉が多く、カラフトルリシジミの好む高層湿原ではないようだ。

 

 

 

林をでると 笹が多く強風が吹き付ける環境で晴れていても身震いするほど寒かった。

 

 

 

 

私が急ぎ足で見てまわった感触では落石岬周辺はカラフトルリシジミの好む棲息環境はなさそうであった。

 

 

 

 

落石界隈、この時期は野いちご採りが盛んなようであちこちで草をのぞき込んでいる人々が見られた。 それともなにかキノコでもあるのかな。

 

 

 

これまで根室半島で特別天然記念物のカラフトルリシジミを採集して逮捕された医師や会社員、その他の方々を知っていますが、みなさん、この野イチゴ摘みの地元住民の通報でパトカーが来てあえなく捕まっています。

 

 

私の知人の方は、天然記念物カラフトルリシジミ5匹を殺す.....とまるで殺人事件の犯人逮捕みたいな扱いで新聞報道されていました。

 

 

くれぐれも、この付近ではネットを出さないようご注意ください。

 

 

 

 

私もなんだか怪しいやつだと、地域住民の方々にきっと目をつけられていたことは間違いないと思います。おそらくネットなど出せばすぐにケータイで通報されたのではないかと思います。

 

 

 

 

落石漁港の風景。

 

 

 

 

 

 

地図をながめて、ネーチャーセンター裏山に、もしかするとカラフトルリシジミがいるかも知れないと長年思っていたが行ってみるとごく普通の森でカラフトルリシジミ環境はまったくなく引き上げた。 

 

 

 

 

ネーチャーセンターに最近赴任した日本野鳥の会会員山崎君は鳥だけではなく蝶も好きらしく春国岱のカラフトルリシジミが上翅裏面斑紋列が普通二列あるものが外側の一列が完全欠損している特殊なタイプと話すと今年はぜひ撮影してみたいと燃えておりました。

 

 

    この項、続く。

 

 

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根室半島のカラフトルリシジミの現状と将来

2021-09-23 10:11:21 | カラフトルリシジミ

根室半島のカラフトルリシジミの現状と将来

 

 

20XX-7-17 (金)  晴れ  強風

 

 

この日、朝8:00 根室半島のカラフトルリシジミ撮影に出発。

 

 

北見→弟子屈→別海→厚床→根室半島のカラフトルリシジミ生息地 まで 北見から私にすれば超遠距離ドライブ約3時間。

 

 

 

 

午前11時ころ現地に到着したが晴れてはいるものの、あいにくの強風でカラフトルリシジミ見えず。

 

 

 

 

 

そこでアカエゾマツの松林の中へ入るとやや風が穏やかになり、日溜まりのようなところで、やっと1♂1♀を発見し撮影した。

 

 

 

 

 

とても小さな蝶でチラチラ結構速く低く飛び、すぐ周りの景色にとけ込んでしまうので見失いやすい。

 

 

 

 

ウラジャノメがかなり発生していて、あたかもモンゴルの Oeneis  jutta みたいに速く飛ぶ。

 

 

 

 

その後、あちこちさがすが、強風があたらず日当たりもよいといったカラフトルリシジミが好んで飛ぶ環境は意外と少ない。

 

 

 

林縁のあたり、ツルコケモモ ガンコウラン コケモモが多く ワタスゲもあるいかにもカラフトルリシジミが好みそうな環境を入念に捜すが、この蝶は見つからない。

 

 

 

とりあえず、スゲが少ないところを中心にカラフトルリシジミを入念にさがす。

 

 

アカエゾマツの林のなかに開けた10m四方ほどの明るい場所を発見、ここに約10頭ほどのカラフトルリシジミがチラチラ飛んでいた。

 

 

 

 

ガンコウランに止まる♀

 

 

アカエゾマツの枝にもよく止まる。

エゾイソツツジの葉に止まる♂。

 

 

なかなか止まってくれないが辛抱つよくエゾイソツツジ、ガンコウランなどに静止するチャンスをうかがっては撮影を続けた。

ガンコウランに止まる♂。

 

 

 

 

 

近年、乾燥化した湿地にはスゲがどんどん侵入しており、訪れるたびに湿地の乾燥化がすすみ、雑草やスゲが侵入するためカラフトルリシジミの棲息環境が狭くなってゆくのが実感される。

 

 

 

このあたりにウラジャノメが増えているのは、乾燥化しつつある湿地に侵入する食草のリシリスゲが増えているせいと思われた。

 

 

このような湿地も多いが、高層湿原というよりは唯の湿原になってしまって、このようなところにはカラフトルリシジミは見られない。

 

 

 

 

 

盛んに草のなかに苦労して潜ってはツルコケモモの花に吸蜜していた。少し前まではツルコケモモに追い被さる草本はなかったはずだ。

 

 

 

前述のごとく草にもぐられてはカラフトルリシジミの撮影はなかなか手強い。

 

 

  この項、続く。

 

 

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