北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

北見市周辺では(2017~2020)オオヒカゲは健在。

2021-04-19 20:11:56 | オオヒカゲ

北見市周辺では(2017~2020)オオヒカゲは健在。 

 

 

オオヒカゲ Ninguta schrenckii Menetories   はわが国では北海道と本州に分布する。

 

とはいうものの、近年産地はきわめて局所的で、本州では生息地の環境破壊が急速にすすみ各地域で県の準絶滅危惧種~絶滅危惧2類~絶滅危惧1類などに指定されている。

 

たとえば京都府では準絶滅危惧種に指定されている。岐阜県では絶滅危惧2類

 

 

しかし、珍稀種を追い求める傾向が強い蝶愛好家たちにとって、従来さほど魅力的には見えない蝶の筆頭がオオヒカゲであった。

 

北海道では道内各地に普通と考えられてきたが、今現在ではどうなのか、実はまったく把握されてはいない。

 

急に気になって北見市界隈のオオヒカゲを探し回ってみた。オオヒカゲを目的に撮影に出たのは、考えてみれば初めてのことでした。

 

 

 結論から言いますと、幸いなことには 2017~2020の調査では北見市界隈でスゲの群生地のあるところにはオオヒカゲは稀でなく見られることがわかりました。

 

 

 

 

 

 

よかった。  ひらたく言えば普通種のままであったということです。

 

 

 

 

 

近年、カラフトヒョウモンやイシダシジミのようにあれほど沢山いた蝶がいつのまにか、身近な環境から消えてしまったのに気づき、心底驚いた経験から、実はオオヒカゲも心配していたのでしたが杞憂でした。

 

 

 

 

 

棲息環境は山裾の湿地や林道沿いのやや広い湿地でガマの穂がみられるような場所には大抵発生していた。

 

 

 

 

畑作地帯の近くは湿地があってもオオヒカゲは見られず、他の多くの昆虫類と同様に、農薬の影響が考えられる。

 

 

 

 

 

 

7月下旬から8月上旬が発生の盛期で汚損個体は8月下旬にもみられる。

 

 

 

オオヒカゲの発生地。

 

 

 

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樹幹にとまるオオヒカゲの謎。

2020-01-27 00:40:40 | オオヒカゲ
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樹幹にとまるオオヒカゲの謎。



2017-8-12 (土) 晴れ のち曇 18度C



このあたり一帯に、この時期オオヒカゲが多い。



大型のジャノメチョウのオオヒカゲはスゲなどを食草として、スゲの多い湿地のまわりに多い。






湿地には近年、珍しくなってきたガマの穂がみえた。
 


この日は、ざっと20匹のオオヒカゲを目撃。数匹を撮影した。



♂はやや汚損。  



オオヒカゲに見られる顕著な行動の一つに、パタパタ飛んだ後、比較的太い樹木の幹に好んでとまることがある。




特に保護色になるでもなく、樹液の吸汁をするでもなく、なにをするでもなく、ただ止まる。




何故、好んで樹幹に止まるのだろうか。




このチョウのくせ見たいなものだろうか。




いろいろ思案してみた。





捕食者となる鳥類はこの蝶が樹幹に止まっていると、草の葉や枝先にとまっているよりは、捕らえにくいのではあるまいか。




チョウが草や枝先に止まっている場合と較べると、鳥が一撃・一瞬に捕食しようとするとどうしても樹幹にぶつかるので、それは困難をきわめる。





かといってオオヒカゲの近くに止まった後にオオヒカゲに近づこうとすれば、オオヒカゲが飛んで逃げる時間的余裕が生まれる。





きっと、それがオオヒカゲが好んで太い樹木の幹に静止している理由ではなかろうか。




瞬発力に乏しい大型のジャノメチョウのオオヒカゲは、この素早いクロヒカゲみたいな止まり方をすれば、たちまち鳥に捕食されるのではなかろうか。







どなたか、他の理由を思いついた方がおられましたらご教示下さい。


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