北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

憧れのクモマツマキチョウを採集 2015年5月、南アルプスにて

2015-05-28 19:45:17 | 採集記・旅行・写真
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憧れのクモマツマキチョウを採集






中学生の時、札幌市の本屋、冨貴堂(ふうきどう)で横山図鑑(原色日本蝶類図鑑)を購入し、クモマツマキチョウに心を奪われました。
そこには、「アルプスの高峰残雪もまだらな白樺の林を飛翔する姿は春の女神ともたたえたい。」と書かれていました。
その時から何時かは行って見たいと熱望していまたが機会は訪れず、気がついたら早、還暦を過ぎてしまいました。

そこへ東京へ転勤となった蝶友の寒沢正明さんからクモツキ採集のお誘いがあり、急遽、航空券を取り南アルプスに行きました。

2015年5月22日0時過ぎに品川に迎えに来ていただき、途中仮眠して長野県伊那市の仙流荘まで車で行きました。
平日なので、8時5分始発のバスに乗り8時45分に歌宿に着きました。(荷物付乗車券1,040円)




ここは、長野県なのでクモツキは採集禁止です。


舗装道路を歩いて、北沢峠を越え山梨県南アルプス市に入りました。ここでは、規制がなく採集可能です。

南アルプスの山々は美しいのですが、川には砂防ダムが数多くあり、斜面は、崩落しており、無数の崩落防止工事の後が見られます。
防災工事の見本で、雰囲気としては、理想とは違いますが、期待で胸は高まります。

11時20分に野呂川出合に到着しましたが、その間にクモマツマキキチョウは全くいませんでした。
暫く辺りを散策しましたが、気配が無く、小仙丈沢を目指した歩きました。

林道を歩いていると目の前でオレンジ色が舞い、一瞬何か判りませんでしたが、すぐにクモツキだと気付き慎重にネットを振りました。
人生、初のクモツキとの遭遇で興奮しました。その後1♂1♀を採集し、大満足。

この日は『こもれび山荘』に泊まりました。定員110名なのに我々3名の貸切でした。夕、朝食、昼弁当付きで9,000円、生ビール700円、衛星電話(42秒)300円でした。
寒くてストーブに齧りついていました。5時30分に夕食、8時消灯です。夜も寒くて毛布2枚に包まって寝ました。山小屋に泊まるのも初体験でした。




2015年5月23日 (土):山小屋の朝食は、とても早くて午前4時30分からと言われましたが、7時にしてもらいました。普通の宿では、無理を言って朝食を早くしてもらっているのに逆です。

山小屋の朝は早いです。気温も5度と札幌より寒いです。出発は9時前、漸く8度になりました。

北沢橋の手前で1♀を採集した所、M氏はそこで粘る事になりましたが、結果は目撃だけで、昨日に続き・・・寒沢さんと私は、奥まで歩き少し採集しました。

既にボロの♀もいて、最盛期だと思われますが、個体数は少ないようです。12時前に切り上げて、2時45分に歌宿に到着しました。

そこで、井上孝美氏らが花にきているクモツキを撮影されていました。許しを得て、私も撮影させていただきました。





15時15分のバスで下山し、20時過ぎに品川に着きました。
                         (森 一弘 記 )


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知床半島ウトロでヒオドシチョウ越冬個体とヒグマを撮影

2015-05-26 23:02:54 | ヒオドシチョウ
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2006-5-13 (土) 晴れ のち曇り 気温低下

知床半島ウトロでヒオドシチョウ越冬個体とヒグマを撮影



F氏と朝 8時30分に北見市を出発。知床にエゾヒメギフチョウを見にでかけた。

気温も高く天気もよいのでまずウトロのキャンプ場にエゾヒメギフチョウがいないか見に行った。



キャンプ場は笹の葉がことごとく鹿に食べられ枯れ野原みたいで木の幹も皮を食べられ一帯が悲惨な状況である。近年知床のエゾヒメギフチョウが激減しているのはエゾシカがオクエゾサイシンを食害している可能性はないだろうか。おまけになぜかキャンプ場にはゴミがいたるところに散乱して見苦しい。

キタミフクジュソウとカタクリの花が咲いていた。



スギタニルリシジミが数匹飛んでいたが今回はエゾヒメギフは見かけなかった。

おもいがけずヒオドシチョウの越冬個体を発見し撮影した。知床でのヒオドシチョウの記録は初めてではなかろうか。




F氏が緑色の熊のウンコを発見。フキノトウを食べているのだろう。国道に降りてふと上をみるとその熊がフキノトウを崖っぷちでせっせと食べている。我々と 100mも離れていないところにこの熊がいたとおもう。それにしてもいくら知床でもこんなに人里に近く野性のヒグマが出てきてよいのだろうか。











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2015年、北海道神居尻山のエゾヒメギフチョウ

2015-05-24 18:29:29 | エゾヒメギフチョウ
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2015年、北海道神居尻山のエゾヒメギフチョウ

 
神居尻山は初夏の装い

2015年、北海道各地でのヒメギフチョウは、例年より発生が早く、これまでと同じ感覚でゆくと大半の産地では盛期は過ぎていたようです。
そこで 発生の遅い産地をと考えて、例年遅い時期にエゾヒメギフチョウが発生する産地、当別町の神居尻山に行くことにしました。


2015-5-18 (月) 晴れ

道民の森の駐車場に車を止めて舗装道路を歩いていると道端のタンポポにヒメギフチョウが吸蜜に訪れていました。これは、予想通り飛び古した個体でした。




標高を上げれば新鮮な個体をいるだろうと思い、Bコースで登山を開始しました。
登山道沿いには、シラネアオイも咲いており、オクエゾサイシンも花を付けています。ここも終わっているようです。






更に標高を上げ700m付近にに来ると尾根道が緩やかに続いていました。





ここでもエゾヒメギフチョウも飛び出してましたが、時既に遅しのようでした。




そこで当初、予定になかった山頂を目指しました。
山頂は、360度の展望で増毛山地も一望できました。頑張って登ってきた甲 斐がありました。

しかし、ここにも飛来する個体も汚損しており、確認後リリースしました。

麓で発生した個体が上って来るのかも知れません。麓でマーキングして山上で再捕獲できれば証明出来ると思います。

山を下りる途中でキアゲハがテリトリーを張っていました。


撮影は出来ませんでしたが、そこへヒメギフチョウが来てキアゲハを追い回しました。

山麓まで下りるとヒメハルゼミが鳴いており、改めてヒメギフシーズンが終わった事を実感いたしました。
                 (2015.5.18登山:森 一弘)




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エゾシロチョウ超異常大発生、オホーツクの海岸線の森

2015-05-24 00:07:12 | エゾシロチョウ 


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エゾシロチョウ超異常大発生、オホーツクの海岸線の森


キタキツネ物語をはじめ多数の動物の写真集を出している竹多津実さんが、オホーツク沿岸斜里町でのエゾシロチョウの大発生を写真集にして出版していました。- エゾシロチョウ オホーツクの丘の群舞  竹多津 実 著  北海道新聞社 1994 -      

1992年、初夏、実は私もこの大発生を実際に見ました。当時、仕事で何度も斜里町を訪れていたのです。汽車の窓から見ました。

まるで海岸線の背の低い森全体がおびただしい数のエゾシロチョウに白く覆われ、羽ばたく蝶たちのせいでその森全体がわさわさと動いているかのように見えました。











これはなんとか記録しておきたいと強く思いましたが、仕事の関係で時間はとれず、撮影機材は愛用の ミノルタ α-9000 しかありません。今のようにデジカメで容易に撮影できるような時代ではなく、残念に思っていたのです。

その後、しばらくしてこのすばらしい写真集が出版され、私はびっくりすると同時にとてもありがたくおもいました。

竹多津さんは必ずしも蝶の専門家というわけではないようですが、この蝶については造詣が深く、当時、まだ斜里町に住んでおられ、いちはやくこの異常大発生をつぶさに観察し、素晴らしい映像で記録してくれていたのです。

興味のある方は是非この写真集をご覧になってください。きっと南陽堂にはあるのではないかと思います(当時2200円)。


何故、こんな大発生が起こったのか、原因はさだかではありませんが天敵のコントロールが効かない状況であったことは想像にかたくありません。

北見あたりでエゾシロチョウを飼育すると、幼虫のほとんどがアオムシコマユバチにやられていることすら稀ではありません。

この写真集ではエゾシロチョウの天敵があまり出てこないところをみると、まさに天敵による発生量のコントロールが効かない状況であったのではないかと考えたいところですが如何なものでしょうか。


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エゾシロチョウの羽化

2015-05-19 20:37:10 | エゾシロチョウ 
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にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村2015-5-17 (日) 晴れたり曇ったり 15℃ 風強く寒い

エゾシロチョウの羽化。



午後3時ころ。何となく気配を感じて振り向くとエゾシロチョウ1♂が知らないうちに羽化していた。














部屋にいれておいたものなので野外よりは早めの羽化かも知れない。エゾシロチョウが羽化するとき、蝶は羽根を伸ばしきった後、ピンク~赤色の羽化液を肛門からボタボタ落とす。セロテープ台が下にあったので汚されていた。

エゾシロチョウはじめ Aporia 属の蝶は支脈異常がみつかりやすい。

この♂も左前翅頂にわずかな異常あり。ヒメウスバやウスバシロチョウでもこの手の支脈異常は発見しやすい。


羽化したては、どの蝶でもとても美しいものです。





こんな単純きわまりない色調斑紋ですが、いくつか亜種があって、私はゴビ砂漠亜種、サヤン山脈亜種などを採集したことがあります。








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