北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

オオイチモンジトラップ事始めとその後の進歩

2016-06-30 22:13:29 | オオイチモンジ
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オオイチモンジトラップ事始めとその後の進歩。





大雪山、大雪湖界隈でクロオオイチモンジ採集が注目されはじめてから、オオイチモンジをなんとか一網打尽に採りたいとの、実にあさましい思いからトラップ採集が広く行われるようになってきました。

最も初期のトラップはキツネの糞。

これを出来るだけたくさん拾って、オオイチモンジの多そうなところへ撒いておくと次々にオオイチがやってくる。

しかしエキノコックスが怖いのと、糞集めがあまりにも大変なのでやがてすたれた。

その後、この写真のように東南アジアから持ってきたベラカンがよく用いられました。 





しかしそれでは飽きたらずさらに研究がすすめられ、リンゴトラップが出現しました。

リンゴトラップはとても強力なトラップですが、固形の腐ったリンゴを扱うため取り扱いがしばしば面倒くさい。

山に放置して林道管理者や自然保護担当官からの苦情がでたりしました。

美観をそこねるし野生動物が食べるかも知れない。

それで、最新兵器としてリンゴトラップ液がでてきてこれがまた強力です。

スプレーなどで木の葉やフキなどに散布すればオオイチモンジが誘因されてやってきます。

腐ったリンゴにオオイチモンジが来てもあまり photogenic な光景ではありませんが、木の葉やフキにとまっているオオイチモンジは一見 natural に見えるかもしれません。

私自身は、年のせいかチョウの大量虐殺には最近あまり興味がなくなってしまいました。

そんなことまでしてオオイチモンジを採りたいとはまったく思いませんが、単にオオイチモンジをごっそり集合させて撮影したり、それを眺めて驚いてみたいような気がしないわけでもありません。

そんなわけで今年はリンゴトラップ液をトライしてみるかも知れません。


        写真はすべてジジツー氏の撮影です。



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最近、リンゴシジミは民家の蝶

2016-06-28 21:05:40 | リンゴシジミ
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リンゴシジミは民家の蝶



北見市川東の民家の庭に発生したリンゴシジミ♀。毎年、見られます。


昔、とある蝶好きで有名な耳鼻科の先生が長年住んでいた小樽市から道東の地方都市北見へ引っ越してきて開業しました。

目的は蝶のメッカ北見市に移住して北海道産蝶を思う存分採集してみたいということ。

長年、人のために働いてきたので晩年は大好きなチョウを思う存分やろうと考えたとのことでした。

ゼフィルスの採卵をしたいというのでとりあえず最も簡単なメスアカミドリシジミの採卵に案内したことがあります。

いくつもの大きなメスアカ卵のついている枝を指して、この枝に沢山ついていますよと教えてもまったくダメ。

視力がダメになっていたのです。

そんな具合で蝶はいても採集には苦労されていました。

彼が最も好きだったのは北見市公園町の山裾にある我が家の庭でリンゴシジミを採集すること。

我が家の庭には3mほどのエゾノウワミズザクラが植えてあり野外で採集してきた♀を放したら毎年発生するようになっていたのです。

毎年6月中旬には我が家を訪れ、私の母にことわってからネットを振っていたようです。

この頃私は北見を離れており、やがてこの先生は亡くなられました。

それを機会に庭でいばっていたエゾノウワミズザクラは切り倒され、ヤマボウシとハナミズキが植えられました。 

このころは農家ではたいていスモモの木を植えていましたのできっと北見界隈の離農した農家の庭にはリンゴシジミがチラチラしていたのではないかと思います。

まだ離農していない場合は、スモモをしっかり収穫するために消毒をするので、リンゴシジミはいつかなかったようです。

最近は、川沿いのエゾノウワミズザクラ群落はなぜか切り倒される傾向がありリンゴシジミは離農した農家のスモモに発生する傾向があるように思います。




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エゾシロチョウ野外での羽化失敗の確率は5% 以内

2016-06-26 21:00:21 | エゾシロチョウ 
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エゾシロチョウ野外での羽化失敗の確率は5% 以内


蝶を丹誠込めて飼育し、ついに羽化の瞬間がやってくる。

そのとき、なにかの加減で羽化失敗の場合、本当にがっかりしてしまうだろう。

多くは蛹化の際、何らかのトラブルできれいに蛹化できず、羽化前からその個体の羽化失敗は予想できてしまう。

それでは一般的に野外での蝶の羽化失敗の比率はどのくらいのものだろうか。 

おそらくそんなことを考えたり、実際に調べた蝶愛好家は、これまでに恐らく誰もいないとおもう。


今回、我が家の庭にある赤ボケには、おおよそ320個のエゾシロチョウ蛹が確認された。

毎日、朝に羽化するエゾシロチョウをみてまわると、しばしば羽化失敗個体を見ることがあった。

羽化失敗個体は意外と少なくて、2016-6-7に羽化が始まって、全蛹のうち羽化できるものの殆どが羽化し終わったと思われる 2016-6-15 までの間に確認できた羽化失敗個体は10匹であった。















飛翔不可能とおもわれるものから、なんとか飛べる個体まで羽化失敗の程度は様々であった。

興味深いことには、これら羽化失敗個体たちは交尾行動に参加するものはなかった。

羽化失敗♂は積極的に正常♀にせまるものはなく、羽化失敗♀にせまる正常♂はいなかった。

いたるところで行われている交尾行動や交尾拒否行動とは無縁の個体たちであった。

今回、単純に羽化失敗個体の比率をみると 10/320=0.031 約3.1% ということになるが一日中観察していたわけではないので恐らく羽化失敗個体はさらに多いかもしれない。 

おおよそ5%前後といったところが私の推定である。



羽化失敗個体の運命。

これは飛べないなと思われた1♂は翌日、無惨な首無し死体で発見された。なにか凶暴な天敵の餌食になったのであろう。羽化失敗個体の運命は過酷なものであろうことは容易に推定されるがこの個体のように長生きは期待できず、生殖活動に参加することも少ないであろうと思われる。



正常羽化個体でも何者かに襲われあえない最後をとげることがある。 2016-6-26 このところ雨の日が多かったが庭の片隅に泥にまみれた正常羽化1♂の首無し胴無し死体を発見した。



多数のエゾシロ幼虫のため、いったん丸ハダカにされ、花芽もすべて食い尽くされたかに見えたが、かろうじて残った小さなつぼみから赤ボケの花が一輪咲いた。


 丸ハダカになってこれでは枯死するのではとおもわれた赤ボケに2016-6-26現在、どんどん新芽新葉がでて、たちまち復活した。今は多数の♀が産卵しておびただしい数の卵が産まれている。




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ルイシャコチレドンはエゾシロチョウ羽化の指標植物

2016-06-24 20:36:36 | エゾシロチョウ 
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ルイシャコチレドンはエゾシロチョウ羽化の指標植物

2016-6-7 (火) 晴れ

夕方。帰宅すると本日羽化したかなりの数のエゾシロチョウが庭を緩やかに舞っている。

それらの他に赤ボケの灌木にびっしりついているエゾシロ蛹から羽化してまもない個体たちが羽根を広げ、乾くのを待っていた。






















しかし夕闇がせまり、これらのエゾシロチョウたちはこのまま夜を越すのだと思う。

暗くなってからフラッシュをたくと14匹ほどのエゾシロチョウが羽化したままの格好で夜を越す体制に入っていた。




これらの蝶が飛ぶのは明日朝になってからになる。

ところで、きわめて正確なエゾヒメギフチョウの羽化時期の指標植物としてタッタソウをお示ししましたが、エゾシロチョウに関していうと、それはルイシャコチレドンでしょうか。



この多肉植物は私のお気に入りですが実は正確な正体は不明です。

旭川の園芸屋さんでとても小さな鉢植えを買って、その後、地植えして30年くらい。やっと手のひらサイズになり、毎年今頃このような見事な花が咲きます。



ちょうどこの花が咲いたころ、例外なくエゾシロチョウが羽化を開始し飛び始めるのです。


ただ、どちらかというと珍しい植物なのであまり一般的ではないかも知れません。



蝶愛好家、鳩山邦夫氏死去。

2016-6-22 自由民主党所属の衆議院議員 鳩山邦夫氏 67歳 東京都内の病院で 十二指腸潰瘍で死去。この一年で激やせしていたもよう。熱心な蝶の愛好家でした。ご冥福をお祈りします。ただ、死因については現在の一般医学常識では、いまどき十二指腸潰瘍で死ぬようなことは極めて稀といえる。先般、環境省のイシダシジミに対する理不尽・無能な対処に関してお世話になったばかりで、日本の蝶愛好家にとっても大きな損失です。氏は絶滅危惧種オオルリシジミの飼育法についての先駆者でもあります。





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チョウ、アモーレ。アサギマダラ交尾の瞬間

2016-06-23 20:47:43 | アサギマダラ
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チョウ、アモーレ。アサギマダラ交尾の瞬間



このブログで紹介したアサギマダラ道内3例目の交尾写真が 2016-6-22 (水) の北海道新聞全道版の朝刊にでました。これでアサギマダラに興味を持つ人が増えてくれるといいですね。



道昆会員各位

 日本蝶類学会フォーラムのお知らせ

 下記の日時・場所にて開催されます。
 北海道蝶類図鑑の著者の永盛俊行さんの講演「図鑑編纂から見えてきた北海道の蝶の生態と研究の現状」などを予定しています。
 会員外も無料で参加できます。参加申込みは下記のアドレスへお願いします。
 申込み先 welcom_scripts@yahoo.co.jp

日時 2016年8月6日(土) 14~17時
会場 札幌市 北4条西5丁目 アスティ45 12階 アキュ小研修室1203





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