北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

アズマイチゲに吸蜜するエゾヒメギフチョウ。

2024-04-25 09:13:01 | エゾヒメギフチョウ

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アズマイチゲに吸蜜するエゾヒメギフチョウ。

 

オホーツクで林縁の湿った所などに群生するこの白い花は、5月になるとまさにスプリングエフェメラルとして毎年よく見かけるのですが花の名前など気にかけることもなく、おお、綺麗だなと一瞥はするもののほとんど気にしない植物でした。

 

チョウ屋としてこの時期探し求めるエゾヒメギフチョウが寄りつかない花と認識していたのです。

 

 

 

2005年5月14日午前11時頃、晴れて気温は20度Cほどで無風。場所はオホーツクの浜佐呂間町。エゾヒメギフチョウ1メスがこの花に吸蜜しているのを初めて発見し、せっせと撮影しました。

 

 

 

しかし吸蜜時間は10秒ほどと短く、すぐに飛び去ったことから主たる吸蜜植物ではなさそうです。

 

 

 

 

5月も中旬になるとこの付近での主たる吸蜜植物であるフキノトウの花が開きすぎてくるため、吸蜜しにくくなるのでしょうか、エゾヒメギフチョウは他の吸蜜可能な植物に向かってゆく気配が感じられます。

 

 

 

アズマイチゲはしばしば大きな群落で咲いていますが、後にも先にもエゾヒメギフチョウが吸蜜しているのはこの一例以外は見たことがありません。

 

 

アズマイチゲという名は今回、初めて認識したもので、実は類似した植物もありネットレベルですが、かなり調べて同定しました。まさに、素人さんが、にわかアズマイチゲ博士になってしまった気分です。

 

 

 

キンポウゲ科 イチリンソウ属 ア ズマイチゲ(東一華)Anemone raddeana

キンポウゲ科イチリンソウ属、多年草、花期:3月~5月、東日本で発見されたことから「東(あずま)」という名が付いたそうですが北海道、本州、四国、九州に広く分布。花は1個、白い花びら状のがく片が8個~13個ほど。葉の先が丸く細かく切れ込まず、やや下に垂れている。花茎の軟毛は一般的には無いものが多いようだがしばしば長い軟毛を見ることもあるという。名前の由来は、「アズマ(東)」が関東地方、「イチゲ」が1本の茎に1輪だけ咲く、という事からつけられた名前です。また別名「雨降花」とも呼ばれ、この花を摘み取ると雨が降るといわれています。早春に一斉に花を咲かせ、夏には地上部は枯れてなくなり、翌春まで地中の地下茎で過ごすいわゆる スプリング・エフェメラルの植物です。 以上、生成AI風にまとめてみました。

 

 

ネットなどでは、しばしば アズマイチゲとよく似たキクザキイイチゲとの鑑別が問題になるようです。今回お示ししたものの中には花茎に軟毛を有するものがありましたが無いものもありました。葉は垂れるものが多く、とりあえずアズマイチゲと同定しておきますがコメントなどいただければ幸いですです。

 

 

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トラフシジミの体温調節法。

2024-04-18 14:10:14 | ヒメシジミ

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トラフシジミの体温調節法。

 

2015-5-30(土) 曇り 一時晴れ 強風

 

 

 

この日、トラフシジミ(Rapala arata)の興味深い行動を撮影しました。

 

 

 

北見市郊外の林道。午前11時頃。この日は強風、曇り空で気温は朝方10度Cの寒い日だが時々青空がのぞいて、一瞬陽がさすと、みるみる気温が上がります。

 

 

 

 

林道沿いにはウツギが多く、きっといるなと思って注意していると、果たして陽だまりの地面で吸水中のトラフシジミ1オスが目にとまりました。

 

 

 

お日様が雲から顔を出すと、このトラフシジミは突然、羽根をぐーっと強く傾けたのです。

 

 

 

 

太陽光を羽根に直角に受けて一気に体温を上げようとしているのだと思われました。

 

 

 

 

 

長年、チョウと付き合ってきた人生ですが、これは私にとって初めての光景でした。

 

 

 

 

それを見て感動、思わず おーっと声を上げてしまいました。

 

 

 

 

このトラフシジミは地面に対して最大45度ほどになるまで思い切り羽根を傾けて最有効に陽光を浴び、そのまま1分ほど吸水を続けてぱっと飛び立って行きました。

 

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キバナノアマナに吸蜜するエゾヒメギフチョウを撮影。

2024-04-08 15:09:20 | エゾヒメギフチョウ

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キバナノアマナに吸蜜するエゾヒメギフチョウを撮影。

 

 

 

 

エゾヒメギフチョウの主たる吸蜜植物は日本海側、道央、日高ではもっぱらカタクリの花が好まれます。

 

 

 

 

 

道北ではもっぱら黄金色のエゾのリュウキンカ、そしてオホーツクではもっぱらフキノトウの花が主たる吸蜜植物になっています。

 

 

 

 

このほか、頻度は多くないのですが、他にもけっこうたくさんの種類の花で吸蜜します。

 

 

 

 

 

今回、撮りためたエゾヒメギフチョウの生態写真の中から、比較的稀と思われる吸蜜植物に飛来、吸蜜しているものを順次提示してみたいと思います。

 

 

 

 

まずは、キバナノアマナ。2005-5-14 オホーツク海沿岸の浜佐呂間町の発生地にて。

 

 

 

 

当地ではエゾヒメギフは時期的には発生時期の終盤にさしかかっています。

 

 

 

 

これは腹端の様子からオスと判定できます。

 

 

これは交尾嚢が見られるので交尾済みのメスです。

 

 

 

この時期になるとこのあたりでの主たる吸蜜植物のフキノトウは花が開ききってしまい、はや吸蜜には不適な状態になっています。

 

 

 

 

 

そのせいかエゾヒメギフチョウたちはキバナノアマナに執着し、花から花へと吸蜜を続けていました。

 

 

 

花のサイズからさほどの蜜量は多くないようで、吸蜜時間はせいぜい10秒以内。

 

 

構図を決めてピントを合わせて、シャッターを押すにはもう少し時間が欲しいといった状況でした。

 

 

 

この日はネットを出さずに、ひたすらチョウたちを執拗に追いかけてせっせと撮影したわけですが、私がキバナノアマナに吸蜜するエゾヒメギフを見たのは後にも先にもこれが唯一の経験になりました。

 

考えてみれば、近年、キバナノアマナを見ること自体が少なくなっているようにも思われます。

 

 

 

 

 

 

キバナノアマナ (ネット上ではこの植物の学名は Erythronium japonicum ,   Gagea lutea  , Gagea nakaiana の三種が見られますが研究者によって、多少混乱があるのでしょうか? )は ユリ科キバナノアマナ属。山地の草地や林縁に生育する多年草で、高さは10~15㎝。 地下の鱗茎は白色で卵形。  葉は線形で長さは15~30㎝、やや厚くて粉がふいたような白っぽい緑色。 4~5月ころに、花茎の先に黄色い花を数個つけます。花の大きさは直径10~20mm程で、咲き始めは緑がかっていますが、徐々に黄色に変わります。京都府や近畿地方では絶滅危惧種とされています。北海道では、よく似たものに エゾヒメアマナがあり、花はキバナノアマナより小さめで、葉の基部は茎を抱かないというが鑑別は難しい。私自身は植物学にはあまり精通しておらず、今回提示した花が本当にキバナノアマナと同定して良いのかも含めて、どなたかコメントいただければ幸いです。

 

 

 

 

 

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