北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

エゾヒメギフチョウ、交尾の瞬間の光景

2017-04-26 22:32:43 | エゾヒメギフチョウ
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エゾヒメギフチョウ、交尾の瞬間の光景

2015-5-1 (金) 晴れ

交尾嚢を有するエゾヒメギフチョウ♀はよく見るが、実際に野外で交尾中のペアや交尾の瞬間を観察する機会は案外少ない。


北見市近郊の産地で交尾の瞬間を実際に見た。 


未交尾♀を発見した雌探索飛翔中の♂は猛烈な速度で一直線に低く速く飛び、空中で♀に体当たりした。


このときパシッとかすかな音がした。


そのまま地面に転がり落ちて草の中に入ってしまい見失った。


数分後やっと発見したときには、ガッチリ交尾が成立していた。




興味深いのは交尾が成立したとたん、♂は生き物というより物体と化し、まったくピクリとも動かなくなる。





一方♀は♂をぶら下げてパタパタと短距離を飛んだり、♂を引きずって気に入った場所まで歩いて移動したり、最終的に落ち着くまではけっこう動き回る。










この日は エゾヒメギフをイヤになるほど撮影したが 家に帰って見ると、まあまあの写真は案外少なかった。





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2016年、知床半島におけるリュウキュウムラサキの観察記録

2017-04-24 21:41:44 | 蝶・昆虫・自然・同好会など
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2016年、知床半島におけるリュウキュウムラサキの観察記録


北見市の蝶愛好家Tさんから、ちょっと気になる記録としてそのコピーが F氏を介して届けられました。


一般の蝶愛好家の目にとまることはないかもしれませんのでご紹介しておきたいと思います。



2016-11-25 発行の 知床博物館ニュースレター No.300 の裏面にその記述がありました。


記録 :  リュウキュウムラサキ1♂  かなり破損した個体  2016-10-2  知床半島の知床五湖にて  観察・撮影者   佐々木 恵


観察時の状況や台風進路や、考察については、できればもう少し記述がほしいところ。


特にこの蝶が斜里町と姉妹町となっている竹富町では普通に見られるという下りは、単純に台風に乗ってやってきたと結論ずけず、それ以外の可能性についても多少考察しておくことが必要かも知れません。


またカラフトセセリが大陸から飛散? という記述も気になるところです。


この蝶は DNA 解析と滝上町が北米から牧草を輸入した事実より、北米由来の可能性が強く指摘されています。


それらはさておき、知床におけるリュウキュウムラサキの観察は、とても貴重な記録なので、是非しかるべきところ【博物館報 etc など】にも 発表されると、ありがたいと思います。

















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北見市でミヤマカラスアゲハ春型続々羽化

2017-04-23 14:45:14 | ミヤマカラスアゲハ
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北見市でミヤマカラスアゲハ続々羽化


2017-4-22 (土) 8度C 寒い


仕事から戻ってみると部屋のあちこちにミヤマカラスが羽化してとまっていた。

一度に15匹。


そのうち5匹は羽化失敗。


そろそろ羽化させようと思い越冬蛹を室内に出しておいたものです。


普通タイプの春型ばかりで♀が多い。


未だキハダも葉もでていないどうしようも無いなぁ。



写真余り良くないけど一応添付します。 





まだたくさん羽化しそう。


北見市の F 氏からのメールでした。





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2017年、オホーツクのエゾヒメギフチョウ発生時期の予測

2017-04-21 14:45:29 | エゾヒメギフチョウ
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2017年、オホーツクのエゾヒメギフチョウ発生時期の予測

2017-4-21(金) 晴れたり曇ったり やや風あり 午後 曇り 最高気温8℃



今年は4月上旬、しばらく暖かい日が続き、雪解けも早く、20℃を越える日すらあった。


毎年この時期になると蝶愛好家の皆さんはやたらソワソワ、落ち着きがなくなる。


デートを間近にひかえる若者みたい。


そうです。早春の春の女神エゾヒメギフチョウに会える日が近いからです。


しかし、いつ現れるか ? 。毎年その時期を判断するのがむずかしい。


私は 今年はそれが 今日 2017-4-21 と予想していました。


残念ながら天気予報を見ると今日は最高気温7℃とのこと。


明日もあさっても天気はおもわしくなく寒い日が続く。


雪さえ降るようだ。


予想は完全にはずれた。


今日はエゾヒメギフを見に行くのは止め、午後うまく曇ってきたら大型ニジマスでも見にいこうかと思う。



例年、もっとも頼りになるヒメギフ発生時期の指標は植物の状態、私は長年、ひたすら庭のタッタソウ開花に頼ってきた。


この花が満開に咲くとき、オホーツクのあちこちでエゾヒメギフチョウが一斉に羽化し、春の花が咲き乱れてスプリングエフェメラルは最高潮に達する。


あまり天気が良い日が続くものだから、ついタッタソウを無視した格好になっていたのでした。


庭にでて植物を見てまわった。


我が家の庭の早春の花、クロッカスがきれい。
















チューリップの花がやっと咲き始め。




フクジュソウ、キタミフクジュソウは花が終わり、栄養葉が展開している。





そのわきにオクエゾサイシン(エゾヒメギフチョウの食草)のハート型の葉が展開しはじめていた。





しかし、他の場所ではオクエゾサイシンの葉は開き始めたばかり。
















フキノトウの花はこれからのようです。




赤花ボケには例年どおりエゾシロチョウの越冬巣がびっしり。



ギョウジャニンニクはもう食べられる大きさだ。



オホーツクの野性ツツジ代表のエゾムラサキツツジはやっとツボミがふくらんできた。




エーデルワイス(レブンウスユキソウ)がだいぶ出てきたので、株分け植え替えの時期かな。




エゾヒメギフチョウ発生時期推定の指標植物として最も信頼できるタッタソウはまだツボミでした。













2017-4-21 12:00 おいしいパスタ、庭のイタリアンパセリ添え。おいしい。




昼食後、急に青空が広がってきた。しかし外へでると風は冷たく気温8度C。ぶるっと寒い。





なんとなく、タッタソウをみると一部の株だけだが強い日差しで花が開き始めたではないか。




それを見て、急に強い胸騒ぎ。


もしかして、はしりのヒメギフ飛んでいるんじゃないか。


いたたまれなくなり、午後1時、近場のエゾヒメギフ発生地へ車を走らせた。



約30分で現地到着。 



残念ながら林道は雪でまだまだエゾヒメギフどころではなかった。しかし1週間で雪は消えるだろう。





フキノトウの多い広場にコヒオドシ越冬個体が6匹飛んでいた。1匹をネット。




今年最初の蝶を採集。手のひら写真を試みているうちに逃げられた、







タッタソウの状態から予測するとオホーツクのエゾヒメギフ盛期はゴールデンウイーク初頭になると思われます。



あまりに暖かい日が続いたので、つい気がせいてしまったが要するにエゾヒメギフの発生は例年と大きな変化はなさそうです。






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コチャバネセセリの縁毛

2017-04-17 20:23:41 | 蝶・昆虫・自然・同好会など
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コチャバネセセリの縁毛

この蝶は、北海道では普通種中の普通種。


しかしあまりにも普通種であるが故に、この蝶に本気で向き合った蝶愛好家はあまり多くない。


そのためか、いまだ不明な点も多く、たとえばこの蝶の野外における蛹化時期はいまだ確認されていない。


北海道では一般的には年一化とされるが、稀に2化をみることがある。


本州では3化をみることもあるという。


人工的には室内飼育では強制採卵した卵および野外採集幼虫から、約6%が10月〜11月に2化として羽化してきた。


ところで、きっと2化のコチャバネセセリをみた人は縁毛が白黒まだらになっているのを見てアッと驚かれることだろう。
( 矢崎康幸・木村辰正 : 北海道北見市産コチャバネセセリ Thoressa varia Murray の飼育による2化について : jezoensis Vol. 11 pp68〜69 ,1984 )。


野外では川田光政氏が1983年9月4日に北海道胆振支庁早来町富岡で2化と思われる新鮮な1♀を採集されておりこの個体の縁毛は白黒まだらであった。


みなさん、9-10月にコチャバネセセリをみたら、なんだコチャバネセセリかと見過ごさずに是非採集してみてください。


また、北海道では少ないイチモンジセセリの可能性もあるかも。


この個体は 1化で縁毛は白一色です。






そのうち2化標本が入っているドイツ箱がみつかったら縁毛が白黒まだらの個体をご紹介しましょう。


撮影は F 氏。



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