北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

ブータン 南部国境プンツォリンのルンタと艶やかなツマベニチョウ。

2024-11-06 10:30:35 | Bhutan

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ブータン 南部国境プンツォリンのルンタと艶やかなツマベニチョウ。

 

 

 

ブータンでは国民の75%がチベット仏教を信じており、これがブータンの国教とされています。そのためブータンを旅行するといたるところにチベット仏教の気配を強く感じます。街の近くでとりわけ目に付くのが川や谷あいにびっしりとかかっているルンタという布。

 

 

 

 

洗濯したおしめを干しているわけではありません。れっきとした宗教的祈祷布で、多くは色あせていますがよく見ると五色あって経文がぎっしりと書かれています。五色は自然界の5要素を意味しており 青は空、白は雲、赤は火、緑は水、黄色は大地を表します。 

 

 

 

 

 

この旗がハタハタと風にたなびくことで、お経を読むのと同じ功徳に授かれるといい、ただマニ車を回すだけでお経を唱えると同じ功徳があるという、チベット仏教独特の省エネ仮想読経思想に由来するものだと感じます。

 

 

 

 

 

 

さらに、ルンタがハタハタと風にたなびくと有難いチベット仏教の教えが風にのって遠くまで伝わって行くとも考えられているようです。

 

 

 

超仏教国ブータンでは、仏教の教えが強く浸透し、殺生を極端に嫌います。大きな象にも小さなアリにも命があって輪廻転生思想により来世では自分はアリに生まれ変わっているかもしれないからだというわけです。しかし家畜などのお肉は大好きなので、何かたくみな説明があるのかもしれません。

 

 

 

私はチベット仏教にはあまり興味はなく自然、特にブータンの蝶類に強い興味があったわけで、当初手当たり次第に蝶を採集する私たちを見て、ガイドやブータンの人たちは明らかに眉をひそめているのを感じました。

 

 

 

現在、私の手元には当時採集した多数のブータン産蝶類の標本がありますが、その後しばらくしてブータン国内で採集した生物標本は蝶も含めて国外持ち出しを禁止する法律ができています。従って、私のブログに登場するブータン 産蝶類標本はそういった法律制定以前のものであることを、あらかじめお断りしておきます。その様な気配をしばしば感じたため、1990年代から、私はブータン では生態写真撮影や手のひら写真がなんとなく増えていたのでした。

 

 

 

 

川にかかるルンタの旗があまり目につかなくなった頃、色々な蝶が現れてきました。

 

 

 

 

 

川に沿ってツーンっ、ツーンと大きくつんのめる様に飛んでいるツマベニチョウはプンツオリン郊外では稀ではありません。これらは日本産とあまり変わったところはなく原名亜種 Hebomoia glaucippe glaucippe に含まれるのでしょう。

 

 

 

 

メスシロキチョウ Ixias pyrene  familiaris のオスも、生きている個体は展翅標本と異なりみずみずしく美しい。この個体は翅表の黄色調がやや明るい。

 

 

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ブータン・インド国境の街、プンツオリン。

2024-10-30 13:26:33 | Bhutan

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ブータン・インド国境の街、プンツオリン。

 

 

ブータンへ入国するには現在はバンコックからブータン国営ドルックエアの直行ジエット機がパロ空港 ( 標高2200m ) まで飛んでいます。

 

 

 

しかし長年の鎖国の後にブータンが1978年に開国したころ、私たちははインドのカルカッタまで飛行機でゆき、そこからインナーラインパミットを取得して、アッサムの大平原をひたすら車で走りに走って、ブータン・インド国境の町プンツォリンへたどり着き、有名な大門を通ってブータンへ入国していました。

 

プンツォリンは、ブータンとしては異質の都市。ブータン南端国境にあり、インド領のジャイガオンの町と隣接しており、国境貿易によって繁栄してきたようです。一見、あまり大した町には見えませんが、毎日たくさんのインド人が国境の大門をフリーパス状態で通過してブータンに出稼ぎ ? に来ていました。これらの人々は夕方には一斉にインド側へ帰って行きます。

ヒマラヤの高地帯の王国の印象が強いブータンですが、ここプンツォリンは標高293m、郊外には熱帯雨林を思わせるジャングルもあり普通種ばかりですが ヘレナキシタアゲハなど蝶は多かった。ブータン産ヘクトールベニモンアゲハは、ここプンツォリンでのみ記録があります。

 

 

町外れで見られたウスイロキチョウ Eurema andersoni Moore .  Eurema属の蝶は近くのシッキムには6種、ネパールには4種が知られており、私はブータン で3種 (ウスイロキチョウ、キチョウ、ツマグロキチョウ) を確認していますが、入念に探すとさらに種類がいるかもしれません。

 

 

プンツォリンでもタイワンモンシロチョウ Pieria canidia  Sparrman はやや山地性の蝶でした。

日本では、かって対馬ではごく普通に見られましたが、近年突然消えてしまいました。爆発的に増えたシカによる食草食害や気候変動など原因が取りざたされていますがブータンでは普通の蝶でした。

 

 

クロテンシロチョウ Leptosia nina  Fabricius.

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Bhutan のエピクレスウラフチベニシジミ(Heliophorus epicles indicus Fruhstorfer )を撮影。

2020-12-19 13:48:49 | Bhutan
Bhutan のエピクレスウラフチベニシジミ(Heliophorus epicles indicus Fruhstorfer )を撮影。

  


20XX-6-17 (木) 朝まで雨  のち曇 時々晴 一時雨暑い



ここは目の前がアッサムの大平原、後ろは急峻な山並みのブータン王国といったインドとブータンの国境の街 Puntsholing (プンッオリン)。


昨夜来の雨はやがて止んで、近くの山に蝶の撮影に出かけた。



まず、エピクレスウラフチベニシジミ(Heliophorus epicles indicus Fruhstorfer )が目についたので撮影。









ちらちら低く飛んで、すぐ止まるので撮影は比較的容易であった。





このチョウはBhutan の森に棲み、とても美しいシジミチョウで特に裏面は息を呑むほど綺麗だ。



草むらにはブータンの密林でよく見かける小型の細いヒルがいた。



無数にいて盛んに細く糸みたいに体を伸ばして獲物(私)に付着しようとしている。




前回の騒動は 画像取り込みが Drug and Drop 形式 のみになって 突然 従来の取り込みが できない仕様になったものでした。

案外便利になったかも。






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田植えが終わったブータンの部落にキラキラ舞うアオウラフチベニシジミ。

2020-12-15 20:40:50 | Bhutan
田植えが終わったブータンのにキラキラ舞うアオウラフチベニシジミ。
Heliophorus androcles Doubleday



20XX-6-13 (日) 曇り


この日の午後、ブータン高山帯の撮影を終わってパロへ降りた。



少し時間があったので、パロ川支流に沿った道を登って最後にある集落付近で蝶の撮影をした。




では丁度、田植えが終わって皆さん一息ついたところであった。





内の小径沿いにはアオウラフチベニシジミがとても多かった。









キラキラと飛び回るこの蝶、日本にもいればよいのになあなどと思いながら撮影したのでした。












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Bhutan 路傍のキラキラシジミチョウ、アオウラフチベニシジミ。

2020-12-13 09:04:47 | Bhutan
Bhutan 路傍のキラキラシジミチョウ。

Heliophorus androcles Doubleday アオウラフチベニシジミ



のどかなブータン王国、パロ郊外とある6月のお昼過ぎ。



小学生の女の子たちが道ばたに座り込んで昼ご飯を食べながらきゃっキャと楽しそうに談笑中。



そのすぐ横を車が通り過ぎてゆきます。




そのまわりにキラキラと飛び回るきれいなシジミチョウがたくさんいました。








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