北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

2020-6-13 北見市、ネギボウズでエゾシロチョウ初見

2020-08-31 21:29:15 | エゾシロチョウ 
2020-6-13 北見市、ネギボウズでエゾシロチョウ初見








2020-6-13 (土) 晴れ  31℃

良く晴れて暑くなりそうな朝。


午前10時頃。 大きな白い蝶がさっそうと庭を飛んでいる。


エゾシロチョウの♂だ。


この日が私が確認できた北見市における2020年度のエゾシロチョウ初見日になります。


ひとしきり庭を飛んで、大きなネギ坊主がひとつあったのですがこれに吸蜜をはじめました。




さっそくデジカメを持って庭に出て、そーっと近づき撮影しました。




羽化したばかりと思われる新鮮な♂です。


ネギ坊主はよほど蜜量が多いようで夢中で吸蜜しており撮影は容易でした。








この庭では赤ボケの大株に数年にわたっておびただしい数のエゾシロチョウが発生していたのですが2018年春に、あれほどたくさんいた越冬幼虫が突然全滅し、昨年(2019)は庭からエゾシロチョウが消えていたのです。




なぜ越冬幼虫が全滅したのか種々想像してはみるのですが結局原因不明でした。




例年、多数のエゾシロチョウ幼虫に食害されて、満足に花をつけることも出来ないでいた赤ボケは今年は見事に咲いています。



エゾシロチョウ♂はもう一匹現れ、赤ボケに執着するようにひとしきりまわりを旋回して、どこかへ飛んでいってしまいました。




今年はまたエゾシロチョウが赤ボケに産卵にくるような予感がします。



この時期、庭のあちこちでミヤマオダマキが満開。











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夏、カラフトセセリのいる風景

2020-08-29 10:13:28 | カラフトセセリ
夏、カラフトセセリのいる風景




2019-7-27 (土) 雨 のち曇り 30度C





北見市近郊、生田原へ向かう峠下で左折して林道に入ると、今やこの付近の夏の蝶になってしまったカラフトセセリが発生していて撮影。





やはり、食草であるチモシーのあるところに多数発生している。






チモシーは牧草として北米から導入された外来植物でいまや野生化している。これの種子にカラフトセセリの卵が混入していて北海道にカラフトセセリが侵入する原因になったと考えられている。






ジャノメチョウ♂が5-6匹、♀探索飛翔中で盛んに草に潜り込んではまた舞い上がってゆく行動を繰り返す。止まらず撮影は不可能。







コムラサキが発生して多数の♂が林道に止まったり飛び上がったりしていた。






ギラリぎらりと怪しく輝くコムラサキの羽根の幻光。構造色です。












オオチャバネセセリがアザミに来ていた。






















林道の奥にも道沿いにカラフトセセリが多かったが、ここではいくら捜してもチモシーが見つからず、おそらくチモシー以外のイネ科植物で発生したものと思われた。







このオーチャードではないとおもうが。  ヨシだろうか。







所々車をとめてカラフトセセリを捜したが留辺蘂の郊外まで、どこにも沢山のカラフトセセリが見られた。







丁度、4時30分ころで昼間は活発敏捷でなかなか撮影は困難だが、午後遅くは動きが穏やかになる。








汚損した♂。早いものでは7月に入ると羽化しているものも多い。






















夕刻、草の間に次々と静止する。




このあたりにはカラフトセセリが大好きなマルガリータはなかった。






ここではマルガリータではないが、これまた外来種のキク科植物のヒメジョオンの花に好んで吸蜜する。








なんと長いストローでしょうか。時にこの長いストローが命取りになることがあります。











カラフトセセリは草に静止している個体も多く この時間帯になると撮影は容易であった。







日中、素早いカラフトセセリを撮影するのは至難であろう。今日は交尾しているものも多く4ペアを観察した。 












エゾヒメシロチョウが夕刻、求愛行動をしていた。♂は草の葉に止まった♀のまわりをパタパタ飛んで、やがてその葉に止まり小刻みに羽根をふるわせながら、じりじりと♀に接近してゆく。しかし撮影しようと私が近寄りすぎて♂♀とも飛び去ってしまった。


















ツバメシジミ夏型が出ていた。






モンキチョウペアが求愛行動をしていた。





この付近では特産の白花豆の栽培が盛んです。





カラフトセセリのいる風景が なんとなく目になじんできてしまいました。





私たちがこの世を去って50年もすればこのセセリチョウが外来種であることすら誰もが忘れてしまうのでしょう。




在来種、外来種の概念には 時間的な要因もかかわってくるようです。 日本の蝶の代表みたいな モンシロチョウ も実は弥生時代に大陸から移入されてきたとの説もあります。





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初夏、外来植物マルガリータに吸蜜する外来種昆虫筆頭カラフトセセリ

2020-08-22 00:26:16 | カラフトセセリ
初夏、外来植物マルガリータに吸蜜する外来種昆虫筆頭カラフトセセリ。





北見市郊外の林間草原にマルガリータが広い群落を作っていた。






この白い美しい花は実は明治のころ日本に入ってきたまさに外来種。この花に外来種筆頭格のカラフトセセリ♂がきていた。











マルガリータは北海道では道路沿いにいたるところに大繁殖し、林間の空き地ができればたちまちそこを埋め尽くして咲き誇る。














林道や登山路沿い、景勝地の遊歩道沿いなど、何故か自然豊かな場所を好んで繁殖し、私の目からは北海道本来の自然には、まったくなじまない光景に見える。











コウリンタンポポ、セイタカアワダチソウと同様に、在来植物をおびやかす恐るべき外来植物であることは間違いないとおもう。











しかし、他の外来植物たちと同様で、吸蜜植物としてはとてもすぐれているようで、実に多くの蝶がやってくる。






また、多くの蝶がこの花に吸蜜する姿は一見とても Photogenic で インスタ映えすることこのうえない。






そんなわけで、いつも複雑な気持ちでマルガリータにくる蝶を撮影しているのです。







カノコソウにきたコチャバネセセリ。











北海道では1化で外縁毛が白一色なのに注目して下さい。本州では2化〜3化が発生し、これらは外縁毛が白黒まだらになります。






コチャバネセセリも、蜜量が少ない在来種カノコソウよりも、実は外来種マルガリータのほうが好きなようです。







しかしエゾスジグロチョウは何故かマルガリータに吸蜜することはありません。ストローの構造になにか理由があるのでしょうか。クサフジに吸蜜中。










クロヒカゲも決してマルガリータにくることはありません。









ヒメシジミ♀の異常型を発見、なんとか撮影しようとしましたがひたすら飛び回って撮影できず、仕方なくネットして手のひら写真になりました。

   






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銀紋リンゴシジミその後

2020-08-15 02:32:14 | リンゴシジミ
銀紋リンゴシジミその後



前回、銀紋リンゴシジミとして紹介した標本の展翅があがりましたので呈示します。














銀紋リンゴシジミについては 2002年に 川田光政氏が jezoensis に発表したものが知られている。jezoensis Vol. 28 P-8 リンゴシジミの異常型を採集。




川田光政氏。





また未発表データだが本会会員の M 氏は富良野市で1♂、 道北オホーツク海側の雄武で1♂を採集しているという。



このように同様のタイプの異常型 :  銀紋リンゴシジミ は比較的よく見られるタイプなのかも知れない。




近縁のカラスシジミ、ミヤマカラスシジミ、ひいては ゼフィルス類においても見られないだろうか。





発生機序については、遺伝的な異常や、終令幼虫時期の高温が関与しているのではとの意見があるが不明。 ちなみに2019年度5月下旬には30℃を越える猛暑日が続き、2019-5-26 北見市ではフェーン現象のため信じられない高温があり、北見市の我が家の庭では最高気温44℃を記録した。













採集データは 2♀♀とも 2019-6-11 北海道北見市 F 氏採集。

川田光政氏採集の個体と異なり翅表の橙色紋は広範に広がっている。







標本箱の横でF氏の愛猫君と。このにゃんこは決して標本箱の中をかき回すことはない由。





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2020年度ジャノメチョウ初見日

2020-08-12 01:12:57 | ジャノメチョウ
2020年度ジャノメチョウ初見日。




2020-7-25 (土) 曇り のち霧雨 18度C




この画面にチョウが写っていますがおわかりでしょうか。




午前9:30起床。



空は高曇りで雨の予報だが、実際には雨は降らないような気配です。

 

 
午前中は庭や畑の雑草とり。




この時期、オホーツクの河川敷や空き地などに夏の花代表の月見草が満開になる。







月見草が咲く頃、毎年きまって現れるチョウはジャノメチョウ。











羽根の蛇の目模様からきた名前だと思いますが、飛んでいるときはこげ茶色〜真っ黒なチョウにみえます。









ひらひら、ふわふわ、普通は草の隙間を縫うようにゆっくり飛ぶが、驚かせると上下左右、めちゃくちゃな進路予測不可能飛翔になる。





2020年度、我が家の庭でのジャノメチョウ初見日は 2020-7-25でした。





この日、ジャノメチョウ1♂がひらひら庭を飛んでホタルブクロの葉に止まったのでこれを撮影した。





けっこう敏感なチョウなので止まっていても、とりわけ慎重にゆっくり接近しなければ逃げられる。





遠景から撮影しながらそーっと接近してゆきます。




さすがにここまで接近したとたん逃げられてしまいました。




北見付近では普通種で、どこにでもいるようなチョウかと思ったらさにあらず。




たとえばサロマ湖以北のオホーツク海岸線は稚内にいたるまで広大な分布空白地域があり、これまで記録がないことは意外と知られていません。





撮影しているうちに何となく山へゆきたいモードになった。





渓流釣りと時節のチョウの撮影も兼ねて山へ出かけることになりました。








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