北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

カラフトタカネキマダラセセリがクローバーに吸蜜する光景に恐ろしい違和感

2018-05-04 21:02:50 | カラフトタカネキマダ...
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にほんブログ村 写真ブログ 昆虫写真へにほんブログ村カラフトタカネキマダラセセリがクローバーに吸蜜する光景に恐ろしい違和感


今回、久しぶりにお目にかかったカラタカ♀たちは在来種植物の花ではなく、外来種(植物の場合、もはやなじんでしまった外来種には帰化植物という折衷案みたいな名称があてられる)のなかの外来種、クローバーに狂ったように吸蜜していた。おかげで十分な撮影時間を確保できせっせと撮影することができた。













この白い花のクローバーは明治初期に牧草としてヨーロッパから持ち込まれ、やがて日本中に広がり、最終的には北海道にまでやってきたいわゆる帰化植物である。













もちろん、もともと北海道には存在しなかった植物でカラフトタカネキマダラセセリがこの白い花で吸蜜するようになったのはほんの少し前のことと思われる。すなわち100年もたっていない。














北海道特産種代表のカラフトタカネキマダラセセリが外来種筆頭の白いクローバーの花で吸蜜している光景は、実は私自身も初めて見たのであった。
















恐らく何万年もにおよぶ北海道のカラフトタカネキマダラセセリの歴史においてクローバーの花とのつきあいはこの付近で牛が飼われるようになった、この数十年のごく短い関係に過ぎないのだろう。





私は今回、何の違和感もなく白いクローバーの花に吸蜜するカラフトタカネキマダラセセリを撮影したが、冷静に考えればこれは相当な異常事態であろう。しかし、もはや、そういった時代なのかとつくずく思った次第です。




この感情は、最近、大雪山の高山蝶クモマベニヒカゲがなんと外来種代表 The 外来種  とでも呼びたくなるようなコウリンタンポポの花を最も好む格好で吸蜜していることに対して、強い違和感をおぼえたのと同じものである。



私は生態系とは常に流動的に変化を続けているのもので、未来永劫変化しない生態系は無いと思っている。




今ある生態系のみをかたくなに守ろうとしても(生態系原理主義などと呼ばれることもある)現実にそぐわない場合もあることを強く感じながら自然を見てきた。




ただ、今危機に陥っている貴重な自然が消えてゆくのを少しでも先送りしたいという気持ちは 絶滅危惧種オショロコマと長らくかかわってきた私には痛いほどよくわかります。



しかし、北海道の在来の自然の代表選手みたいなカラタカとクモマベニヒカゲが、いつのまにか外来種筆頭とおもわれるこれら帰化植物に依存している姿を見るのはなんとも複雑な心境です。




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カラフトタカネキマダラセセリ♀が外来種白いクローバーで吸蜜

2018-04-26 22:24:52 | カラフトタカネキマダ...
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外来種白いクローバーで吸蜜するカラフトタカネキマダラセセリ♀たち



   





カラタカ4♀♀はどこかへ消えてしまい、そのうちまた現れるだろうといった淡い期待はどうやら裏切られてしまったようだ。



この日、この草地には色々な蝶がみられ、それらを撮影してから林道へともどった。



林道はほとんど車が通った形跡はなく白いクローバーの花が林道一杯に広範に咲いている。




この花はカバイロシジミが好きなんだけどここにはいないなあなどと思いながら見ると、なんと、さきほどいなくなったカラタカ4♀♀がこのクローバーの花に吸蜜中であった。













いつまでたっても現れないと思っていてもう諦めていたカラタカだが、ここで楽しくお食事中(吸蜜中)であったのだ。
















さきほどまでの敏感なカラタカと違ってすれすれまで接近しても逃げることはなく撮影は容易であった。















直射日光下ではしらっちゃけた写真になるため私の体で日光を遮り、その陰に蝶を入れて理想的な状態での撮影ができた。


カラタカ♂はここでもみかけずこの日は♀だけ観察の日になった。



        この項、続く




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カラフトタカネキマダラセセリ4♀♀と20年ぶりの遭遇 

2018-04-24 22:14:14 | カラフトタカネキマダ...
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カラフトタカネキマダラセセリ4♀♀と20年ぶりの遭遇 



ここでカラフトタカネキマダラセセリ♀を見たのは、もう20年も昔のことだ。


真っ白い穂状の花に止まって、それは美しい1♀だった。


ほんの10秒ほどの出会いでシャッター一枚切ったところで飛び去った。


私の脳裏には強く印象に残ったようで、ことあるごとに鮮明に思い出す光景だ。


それ以来、この付近にはもう100回以上は蝶の観察に訪れているがこの蝶はまったく見たことがなかった。



いつのまにか、この蝶は北見市界隈では滅多におめにかかることができない稀種、とても珍しい蝶になっていたのだ。


それがこの日、20年ぶりにカラフトタカネキマダラセセリ♀を見た。しかも4匹も。













ここは50m四方ほどの山間の草地。



初夏の緑がきれいで小さな流れがあって適度に湿潤な場所なので植物相が豊かでササが入っていない。



一般的にササがはびこるところは蝶相は貧弱だ。



だから近年少なくなったカラフトタカネキマダラセセリ( 長い名前、面倒なので以後 カラタカ )が突然現れても何の不思議もない。



この蝶にしてはとても緩やかに飛んで、シダやフキの葉に止まってまたすぐ飛び立つ。






慎重に接近をこころみるが2mくらいまで寄ったところでぱっと飛び立ち、また近くの葉に止まることを繰り返す。













まともな写真が撮れない。



明らかに私の存在を意識している。何回も何回も同じことが繰り返される。




そして、最後はカラタカ4♀♀全部が、どこかへ消えてしまった。



         この項、続く。





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世界一美しいセセリチョウ、美麗カラフトタカネキマダラセセリ激写。

2017-05-24 01:19:43 | カラフトタカネキマダ...
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世界一美しいセセリチョウ、
美麗カラフトタカネキマダラセセリ激写。






2015-5-29 (金) 晴れ 気温30℃ 強風



私は世界中のセセリチョウをずいぶん見てきたつもりですが個人的にこのセセリチョウは世界で一番きれいなセセリチョウだと思っています。



この日、北見市近郊で、カラフトタカネキマダラセセリ(カラタカ)を撮影した。


この日本一長い名前の美しいセセリチョウは一般の人々の目にとまることはまず無いだろう。


とても小型である上に飛翔は電光石火、やたらと速く素早く飛び、おまけに蝶そのものが近年かなり珍しい。


昔と違って一箇所で10頭以上の個体を見ることは稀である。


私の場合、いけば必ずこの蝶を見れる北見市界隈の秘密ポイントは現在、わずか2箇所しか知らない。


とはいっても何かのはずみにこの蝶を発見することは毎年たまにある。


今回もまったく予期せぬ形でこの蝶に偶然会った。


しかも4♂♂も。


これらの蝶がいれかわり立ち替わり吸蜜したり草の葉上に静止したりしてポーズを取ってくれた。







同時に撮影したツマキチョウとくらべるとシャッターチャンスは毎回10秒以上もあって、撮影しやすい。


とても良いモデルさんであった。









4頭とも羽化したてと思われ黄金色の美しい羽根、北国の蝶らしいビロード状の細かな体毛が生き生きと逆立って、まばゆいばかり。








ドイツ箱にずらり並んだ展翅ミイラ標本からは想像もできない美しさに圧倒される。










カラタカに関してこんなに余裕のある撮影チャンスに恵まれたのは初めてであった。 


これまでの私がそうであったように、見つけ次第ひたすらネットしてゆくネットマンの採集とは異なり、写真撮影は相当に難しい蝶であるとおもう。


このとき思いがけずコチャバネセセリの1化も現れた。


北見市で、こんな早い時期にコチャバネセセリをみたのは珍しく、この間オホーツクではとても暖かい日が続いていたからだろうか。


午後2時30分。やがて強かった風がもっと強まってくると、さすがに蝶たちはみんな消えてしまったので撮影終了、帰路につく。


ちなみに今回使用した撮影機材は20年以上前に発売されて、いまだに幻の名器の誉れ高いコニカデジカメKD500Zです。



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ヒグマとカラタカとエゾクロテンの死

2016-12-02 15:35:39 | カラフトタカネキマダ...
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ヒグマとカラタカとエゾクロテンの死

6月のある日の午後、大雪山山麓のとある林道を歩いているヒグマ。



こちらに気づいているのかいないのか、悠々とのっしのっしと歩いて行きます。

このさきで蝶とりをしたいのだがヒグマを追い越すわけにも行かず、ここでU-ターン。



エゾクロテンが一匹死んでいた。




車に跳ねられたのか、ヒグマにちょっかいをかけて一撃されたのか、最高級の毛皮がとれるエゾクロテンのあえない最後。 





カラフトタカネキマダラセセリの♀が一匹あらわれ吸蜜中のところを一枚撮影。


ところで原始の自然が残る大雪山といえども、山麓部は前述のコウリンタンポポはじめ外来種植物がいっぱい。

近年、カラフトタカネキマダラセセリが最も好む吸蜜植物は外来種代表のシロツメクサの白い花です。

ここ大雪山でもカラタカ♀はシロツメクサの白い花に吸蜜していることにご注目ください。

ちょっと悲しい現実ですが、これも地球全体の生態系の変化の一環ととらえるべきでしょうか。


初夏の大雪山山麓、おだやかな6月の午後の風景でした。





写真は蝶愛好家のM氏撮影。

知床のヒグマ親子のサケとりの写真があります。





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