北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

2021年夏、キアゲハ幼虫、異常大発生

2022-10-30 20:02:30 | キアゲハ

2021年夏、キアゲハ幼虫、異常大発生。

 

 

2021-8-13(金) 晴れ

 

 

蝶友のK氏が、野外でキアゲハの終令幼虫を200匹ほど採集したという。何故か北海道オホーツク一帯でキアゲハの幼虫が異常に沢山みつかるという。

 

 

 

この日、渓流釣りの帰路、少し気をつけてさがしてみたら、いました。シシウドなどのセリ科植物にキアゲハ幼虫が見つかった。

 

林道沿いのセリ科植物にキアゲハ幼虫がいくらでも見つかる。これは明らかに異常だ。

 

 

 

ただ、花も葉も食い尽くして茎の上を這っている幼虫が多く、明らかに食草の規模に対して幼虫の数が多すぎるようだ。

 

餌不足でやせた個体や、餓死寸前のかわいそうな幼虫までいる。

 

 

そういえば、孫長男君が小学校夏休みの宿題をどうしようか悩んでいたので、キアゲハ幼虫の観察はどうかと思い終令幼虫10匹ほど採集してきた。

 

 

数日で餌のセリ科植物が底をつき、孫と一緒に食草を捜しに出かけた。

 

 

この年、野外でキアゲハ幼虫が多数みつかったセリ科植物。

 

北見市郊外の林道へ入って、あちこちキアゲハの食草セリ科植物を捜したが意外なことに全くなかった。

 

 

ヒメギフチョウ発生地で春先おいしいミツバを採ったことを思い出し、そこへゆくと大きく葉が開いたミツバが沢山あり、採集してきた。

 

 

キアゲハ幼虫は ミツバをよく食べた。

 

 

孫長男君はキアゲハ幼虫がオレンジの角を出したりウンコをする様子などを詳細に絵や解説文に書いて観察記録作成、宿題完成となった。  

 

 

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初夏のオホーツクの森にて。

2022-10-26 20:02:32 | メスグロヒョウモン

初夏のオホーツクの森にて。

 

 

202X-7-10 (金) 晴れ 25度C 

 

 

AM 9:30  自宅を出発。我が家からほど近いM林道へ出かけた。

 

 

 

M林道には従来メスのヒグマがいついており、彼女の獣糞にはオオイチモンジがよく集まってきます。

 

 

 

メスのヒグマがいるということは、いずれ発情期のオスヒグマがやってくるので要注意です。

 

 

 

 

沢山のエゾシロチョウがいますが、はや汚損しはじめています。

 

 

今日のM林道は獣糞ポイント( ヒグマではなかった )は 2カ所しかみられずメスグロヒョウモンなどがきていたが期待していたオオイチモンジはいなかった。 

 

 

 

 

ギンボシヒョウモン ウラギンヒョウモン ミドリヒョウモン メスグロヒョウモン などのヒョウモン類が目立った。

 

 

 

 

ミドリヒョウモンは、近年急速に勢力を拡大中のメスグロヒョウモンに負けているかのごとく、明らかに個体数が減っているような気がします。

 

 

将来、ミドリヒョウモンが まさかの種の指定などされるような事態がおきるかも知れません。

 

 

 

近年オホーツク地方に進出し、急速に勢力拡大中のメスグロヒョウモン。

 

 

多数のメスグロヒョウモンのオスが獣糞にきていた。今から20年前にはまったく見られなかった光景です。温暖化の影響でしょうか。

 

 

 

 

 

 

M林道をつめて渓流沿いに下って到達した本日の目的のジョウザンシジミのガケは 午前11時 陽が当たってきたがジョウザンシジミはまったく飛ばず引き返す。

 

 

 

 

親と離れた好奇心旺盛のバンビちゃんが林道の中ほどに立って、車でゆっくり近づくが逃げる気配がない。

 

 

ゆっくり、ゆっくり近づいて、こんにちは、いい天気だね。ママはどうしたの? などと話しかけたが逃げない。

 

時間をかけて 5m ほどに近づいて話しかけると、さすがに野生にもどったのか 脱兎のごとく走って逃げた。

 

 

エゾトンボを 二匹採集し撮影後リリース。 実はトンボおんちの私は種名がわからず後述の昆虫愛好家の進基(しんもとい)先生に教えていただきました。

 

 

 

M林道へもどると進先生ご夫妻が獣糞ポイントへくるオオイチモンジを狙っており奥さんが A1  1♂採集。 

 

 

 

進先生は北海道の昆虫愛好家のなかではとりわけ高名な方で、最近は小中校の生徒さんたちに昆虫の面白さを教える啓蒙活動を熱心に行っています。

 

 

 

 

私自身も中学生の頃、進先生に蝶の面白さを教えていただき、それでとうとう常軌を逸した蝶大好き人間になってしまい現在に至っているのです。

 

道内はもちろん、道外の蝶愛好家の方々で進先生のお世話になった方々はとても多いのではないでしょうか。

 

 

渓流魚釣りに関しても造詣が深く、私がオショロコマ大好き人間になったのは進先生の影響を強くうけたからと言っても過言ではありません。

 

 

 

 

 

 

目的のジョウザンシジミがいなかったので何となく手持ちぶさたで、そのまま近郊のニジマス川へ釣りにゆきました。

 

 

 

 

PS :  この林道にヒグマがいついていることはわかっていましたが、これまで人身事故はありませんでした。ところが、このあと、2022年夏、このM 林道入口付近の畑で草刈りをしていた女性親子(30歳台と60歳台)二人がヒグマに襲われ、顔や背中に重症を負わされるという事件がありました。私の考えではいつきのメスヒグマではなくメスをもとめて移動中の大きなオスヒグマによるものではないかとおもいます。足跡が30cmもある大型個体であることからその可能性を感じます。

 

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南米ペルー Calabaza 1650m のチョウ。

2022-10-17 17:27:26 | 南米の蝶

南米ペルー Calabaza 1650m のチョウ。

 

Calabaza  Junin pref.  Peru.      好採集地カラバサ。  ここはやや標高が高い場所で1650m.  日本や東南アジアのチョウたちを見慣れた私にはとても奇異な外見の蝶ばかりでした。気の利いた和名を考えたいところですが、チョウの種類があまりにも多いのでたちまち頓挫してしまいました。

 

 

Hesperocharis  marchalii  オス。

 

 

Catastica  pieris. オス。   ピエリスという種名は日本の Pieris 属とは関係ありません。

 

 

Dismorphia nemesis. オス。   低標高から高標高の場所まで広く分布する。日本人にとっては見慣れぬ珍奇な翅形のチョウです。

 

 

Chorinea  sylphina    シルフィーナスカシシジミタテハ。

 

このような和名なら何とかなりそうな感じ。Calabaza のさらに高地帯の雲霧林でスルコウスキーモルフォを採集しての帰り道で道路脇の水たまりで吸水中のところをつまんで採集したものです。このシジミタテハはあまり遭遇する機会がなかった。

 

 

Siseme alectryo.   これも高山性のシジミタテハ。

 

 

 

Calabazaで見かけた格好の良い古い橋。

 

 

 

このほか、Calabaza では おびただしい種類を採集していますが、実は種名を調べるだけでも大変な労力を要してしまいます。

 

ちょっと怖かったが思い切って食べた野生のいちごは美味しかった。

 

 

 

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南米ペルー、Ithomiidae トンボマダラ属の蝶類の撮影苦戦。

2022-10-14 21:13:01 | 南米の蝶

南米ペルー、Ithomiidae トンボマダラ属の蝶類の撮影苦戦。

 

アンデスアマゾン。乾期の終わり、薄暗いジャングルの小径から奥を透かしてみたらびっくり。無数のトンボマダラ属の蝶たちが木の葉などにびっしりと静止していた。

 

蛇や毒虫が怖いけど思い切ってジャングルの中に踏み込むと、あたり一面、おびただしい数のトンボマダラが一斉に舞い上がった。恐らく微かな空気の振動を感知して飛び上がった蝶の動きを次々に感知して連鎖反応的に飛び立ったのであろう。

 

ホバリングするような変わった飛び方で、飛んでいるのか空中静止しているのかわからない。周りが薄暗いのと羽根が透明に透けているせいかAFのピントが合いにくくピンボケ写真ばかり。やむを得ず手のひら写真になってしまいました。

 

 

とても敏感で慎重に接近しても、微かなシャッター音や、ビデオ撮影時の音などですぐ舞い上がる。これらの蝶を効率的に撮影するのは何かひと工夫するか、根気が必要。ただ採集は容易でその気になれば何百匹でも採れます。

 

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シロオビヒメヒカゲの衰退。

2022-10-12 14:33:21 | シロオビヒメヒカゲ

シロオビヒメヒカゲの衰退。

 

 

 

日本では北海道特産種のシロオビヒメヒカゲ Coenonympha hero が激減している。豊平川上流の崖地などに局所的に発生していた シロオビヒメヒカゲ 札幌周辺亜種 ssp. neoperseis (後翅裏面白帯が狭い)は近年個体数が少なくなり 北海道 red data book では いつのまにか 2021年、絶滅危惧種 Cr に指定されてしまったもよう。

 

接写すると毛むくじゃらな蝶でいかにも北方系を思わせるが 複眼には毛がなく森林性ではなく草原性の蝶とされる。

 

しかし長年この蝶を見てきた道東ではいわゆる草原性の蝶といった印象はなく、森林内に開けた狭い草地や林道沿いに多かった。

 

強いていえば路傍の蝶といった感じ。

 

近年、北海道においてはまともな草原はことごとくビート、ジャガイモ、タマネギなどの畑にされてしまいました。

 

 

かって道東各地に見られた広大な原始草原はほとんどが消えてしまったのです。

 

 

高性能の自動草刈機の普及で路傍のチョウたちの棲家、例えば林道沿いの草地が綺麗さっぱり刈られてしまうようになった影響も大きいとおもう。

 

 

これまでは私は珍種・稀種・美麗種の蝶ばかりを追い求めて世界中に採集 (ついでに釣りも) に出かけてきました。

 

 

最近、大きな心境の変化をきたし、身近な蝶の撮影をするようになりましたが、路傍にあれほどたくさんいた北見市周辺のシロオビヒメヒカゲ Coenonympha hero latifasciata  (写真に示すように後翅裏面白帯がとても広い)が恐ろしいほどに激減しているのに気づきました。

 

 

完膚無きまでに激減している。本当に驚いた。いるはいるのだが20年ほど前と較べるとあまりにも少ないのです。

 

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