北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

南米アマゾンで採集した巨大怪虫

2022-09-24 14:06:06 | 南米の蝶

南米ペルー、アンデスアマゾンで奇怪な生き物(ウデムシ)を採集。

 

20XX-Jan.-4.  Shima, Junin.    

 

アンデスアマゾンの密林の奥の蝶採集ベースキャンプで、ある晩ガイドたちが大騒ぎしていた。

 

巨大なクモみたいのが岩の上をすごい速さでいったり来たりしていた。

 

動きは電光石火、目にもとまらないほどすばしっこい。

 

私が思いきってえいやっとネットをかぶせて押さえつけホルマリンアルコールを注射して採集したが、まさに怪物。足を広げると40cm あった。

 

帰国後調べると、ウデムシ( Amblypygi )と総称される生き物の一種のようで分類の解説をよく読んでもなんだかわかったようで、よくわからない。

 

 

いまだすっきりとまとめられてはいないようだ。

 

 

見かけはおどろおどろしいが毒はなく人間に対する攻撃性はないらしい。

 

世界中に約150種ほどが知られ、大きさは最大で15cm というから今回のアマゾンのウデムシがいかに巨大であるかがわかります。

 

 

飼育環境で10年ほど生きた記録があるという。ウデムシはサソリモドキ、ヒヨケムシとともに世界三大奇虫の一つとされるほど珍奇な外見で映画「ハリーポッターと炎のゴブレット」にも登場したようです。

 

 

ネットで調べてみると日本では、タンザニアバンデッドウデムシ、トーゴオオウデムシ、タイランドウデムシ、メキシコウデムシ、インドネシア産ウデムシなど多種多様のウデムシがネット販売されているのに驚いた。

 

 

多くは珍虫・奇虫マニア相手に生き虫として売られているようで、それなりに人気があり、かなり飼育もされています。

 

野外に放したり、逃亡された場合、日本にはいつくのでしょうか?.

 

 

 

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アザミにオオオウラギンスジヒョウモンのメスなど。

2022-09-21 07:49:43 | オオウラギンスジヒョウモン

アザミにオオオウラギンスジヒョウモンのメス、猛毒トリカブトなど。

 

 

2021-8-22 ( 金 ) 晴れ

 

もう夏の終わり。蝶も少なくなってきました。オショロコマ調査の帰り道。林道脇のアザミの花にミドリヒョウモンオスとオオウラギンスジヒョウモンメスが吸蜜していました。 

 

 

オオウラギンスジヒョウモンメス。

 

 

ミドリヒョウモンオス。

 

 

 

 

近くには、おどろおどろしい姿の猛毒トリカブトの花。根はアイヌが毒矢に使っていて、北海道銭函のものがもっとも毒が強いとされていたようです。

 

 

 

 

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南米ペルー、アンデス高山帯4300mで高山蝶を採集。その三。

2022-09-18 00:36:04 | 南米の蝶

南米ペルー、アンデス高山帯で高山蝶を採集。その三。

 

 

20XX-1-1 (土) アンデス高山帯4300m。晴れたり曇ったり。

 

 

 

C.euxanthe ユウクサンテモンキチョウは鮮やかな黄色ないしオレンジ色に見え、C. mossi と同様に飛翔はとても速い。

 

 

 

これら二種のコリアスは飛翔がとても速く素早く、普通は採集はまったく困難だ。しかし、リャマの死体や糞にきているものは採集も撮影も容易であった。

 

 

 

 

10分ほどで日がかげるとたちまち蝶は消え、また日がさすとどこからともなく現れる。

 

 

 

 

少し登ってゆくとまた別のリャマの死体とその糞に多数の蝶がきている。飛んでいるものは速くて採れないが、群れてとまっている蝶の一網打尽採集は効率的だ。ヒマラヤのお花畑に群れる雨期のハードウィッキウスバ採集の快感を思い出した。

 

 

 

 

 

 

チチカカヒメシジミ近縁もしくはそのものと思われるちいさなシジミチョウたちは、リャマの死体のみならず私の腕や指先によく止まってストローを伸ばしていた。いかにも愛らしくかわいいシジミチョウだ。

 

 

 

 

雲が切れて日がさすチャンスの間、せっせと採集と撮影を繰り返し、結局 3-4 時間を過ごしてここを立ち去った。ほとんど走ったりすることがない採集だったせいか、高山病の徴候は起こらず、過去のヒマラヤでの高山病の経験が今回の採集の役にたったとおもう。

 

 

 

Tatochila  sterodice  macrodice  Staudinger  アンデスタカネシロチョウ

 

 

 

Phulia nymphula  ssp. ?  ニンフタカネシロチョウ

 

 

 

アンデスタカネコツバメ

 

 

 

 

アンデスタカネセセリ

 

 

高山性のシジミチョウ

 

 

 

遠くにみたことのない動物が歩いて行く。リャマでしょうか。

 

 

 

 

 

 

がんがんラテン音楽をかけながらハイラックスは猛スピードで山をくだり、やがてアンデス山脈を超えてアンデスアマゾンの領域に入った。街の灯りがだんだん増えてきて緊張感がとけてゆく。 今日の目的地 Satipo が近づき、なじみのレストランでは夕食としていつもの 特大炭焼きステーキが出てきたが高山帯での採集の疲れか食欲なく半分も食べられなかった。

 

 

 

 

サテイポへは真っ暗、真夜中になって着いた。実は Satipo では今晩は予定停電で真っ暗の印象がより強かったのだった。Ivan Callegari 氏 のゲストハウスのテラスで Ivan 一家やペルシー夫婦(妻は妊娠7か月)、ミゲル夫婦やアウグスツ一家、リマからきたコーヒー輸出業の超すごいボインおばさん、ベルギー人旅行者フィリップ氏でたいそうな酒盛りをしていた。ペルシーはべろんべろんに酔っぱらってしまい、ミゲルもひどく酔っぱらってペルシーをやたらとからかう。私も少し飲まされたが早めに酒盛りを退散、せっせと、今日の採集品の整理をした。灯りにおびただしい数のセミや蛾が飛来していた。セミ好きな人ならかなりうれしいと思う。

 

 

鏡を見てびっくり。私の顔と手は高山帯で強い日差しを浴びて急激な日焼けで真っ赤に腫れ上がっていた。

 

 

    終わり。

 

 

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初夏の蝶、北米からの外来種カラフトセセリ。

2022-09-08 23:53:47 | カラフトセセリ

初夏の蝶、北米からの外来種カラフトセセリ。

北海道オホーツク夏の蝶 林道にて   その3

 

2022-7-16  (土) 曇り~晴れ~雨 28℃ 暑い 

 

 

いまや北海道各地に大繁殖し、7月中旬から林道沿いなどの空き地に広大な花園を形成している植物界の外来種筆頭格のマルガリータ。ここに、これまたチョウ界の外来種筆頭格のカラフトセセリが多数吸蜜に集まっています。

 

北海道に定着し、急速に分布を拡大しつつある外来種カラフトセセリ。この小型のセセリチョウはつい最近の1999年、北海道の滝上町サクルー原野の牧草地で初めて発見されました。

 

 

サハリンには普通に産するため当初は北海道に近いサハリン由来の外来種と想像されました。しかし、DNA解析の結果、遠く離れた北米産の個体群が何らかの理由(競走馬用の輸入牧草に卵が着いていたとか、北米から輸入した牧草の種子に卵が混入していたとか)で移入されたものと考えられています。

 

興味深いことには北米においても本種はヨーロッパからの外来種で、もともとは北米にはいなかったものです。

 

 

 

 

幼虫は牧草チモシー(オオアワガエリ)を最も好み、実際オホーツクではもはやチモシーの群落のあるところには大抵発生していると言っても過言ではありません。

牧草チモシーの花穂。

 

 

与えるとカラフトセセリ幼虫は、下記のオーチャードのようなチモシー以外のイネ科植物も食べるようですが野外では圧倒的にチモシーを好んでいます。

 

牧草オーチャード(エゾツマジロウラジャノメの飼育時の食草として最適)の花穂。

 

 

今のところ自然界では当初心配していたような諸問題は起こらず、取り立てて目立つ悪さをしている様子はありません。

 

 

最近、カラフトセセリのいる風景が なんとなく目になじんできてしまいました。私たちがこの世を去って50年もすればこのセセリチョウが外来種であることすら誰もが忘れてしまうのでしょう。在来種、外来種の概念には 時間的な要因もかかわってくると思います。 日本の蝶の代表みたいな モンシロチョウ も実は弥生時代に農耕文化とともに大陸から移入されてきたとの説もあります。

 

終わり。

 

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北海道オホーツク夏の蝶  林道にて。  その2

2022-09-05 20:01:19 | 北見市の出来事

北海道オホーツク夏の蝶 林道にて   その2

 

 

2022-7-16  (土) 曇り~晴れ~雨 28℃ 暑い 

 

 

 

キバネセセリ。  吸水にくるのは全部オスでメスは花に吸蜜するものが多い。吸い戻しをしないか、しばらく観察していましたが行わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

コチャバネセセリ。  これは時期的には1化とおもわれます。北海道では道南で2化がでるようですが道南以北、とくにオホーツクでは普通年1化のみです。この個体をみてちょっとびっくり。普通、1化の外縁毛は白一色ですが、なんとなく白黒まだらの傾向があります。本州方面や飼育による2化のようにはっきりしたものではありませんが、この界隈では真っ白縁毛ばかりみてきましたので認識を新たにした次第。もしかしたら早めの2化でしょうか?        温暖化との関係は ?。

 

 

参考に北見産コチャバネセセリ1化で、普通はこのように縁毛は真っ白です。

 

 

 

 

ジャノメチョウは吸水にくるものより、羽化したての個体が草の間を飛び回っていました。

 

 

ヤマキマダラヒカゲ

 

 

 

サトキマダラヒカゲ

 

 

 

クロヒカゲ

 

 

 

エゾスジグロチョウ。 吸水に来るチョウは一般的にオスばかりです。

 

 

 

植物世界での攻撃的外来種筆頭格のマルガリータが大繁殖して、林道沿いに白い秘密の花園みたいに見事に咲き誇っていました。 ここには近年、猛烈に分布をひろげつつある昆虫界の外来種による別世界がみられました。

  次項に続く。

 

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